住宅ローンと税金、払えない時はどっちを優先?差押え・ブラックリスト・競売の違いを解説
このページの目次
- 1 住宅ローンと税金、払えない時はどっちを優先?差押え・ブラックリスト・競売の違いを解説
- 2 住宅ローンと税金、両方払えない人は意外と多い
- 3 住宅ローンを払えないとどうなる?
- 4 税金を払えないとどうなる?
- 5 「待ってください」は通用するのか?
- 6 銀行も役所も“支払い免除”はしてくれない
- 7 分割払いの相談は可能なケースもある
- 8 分割払い中でも差押えされる可能性はある
- 9 法律上は住宅ローンより税金が優先
- 10 なぜ税金が最優先なのか?
- 11 住宅ローンを滞納するとブラックリストに載る
- 12 ブラックリストとは?
- 13 「今は払ったから大丈夫」ではない
- 14 税金滞納はブラックリストに載るのか?
- 15 だから住宅ローンを優先する人もいる
- 16 ただし税金滞納は差押えが非常に早い
- 17 給与差押えは生活に大打撃
- 18 自己破産した場合の違い
- 19 住み続けたいなら住宅ローン優先の考え方もある
- 20 家を売る予定なら待ってもらえる?
- 21 督促や社内手続きは進んでいく
- 22 競売・公売にもタイムリミットがある
- 23 競売開始後でもできることはある
- 24 本当に大切なのは「生活再建」
- 25 放置が最も危険
- 26 強制売却より自主売却の方が傷は浅い
- 27 まとめ
住宅ローンと税金、払えない時はどっちを優先?差押え・ブラックリスト・競売の違いを解説
住宅ローンの返済に加え、住民税や自動車税などの支払いが重なる時期になると、「どちらも払えない」という状況に陥る方は少なくありません。特に収入減少や生活費の高騰が重なると、住宅ローンと税金のどちらを優先すべきか悩むケースは非常に多くなります。この記事では、住宅ローンと税金の優先順位、滞納した場合に起こること、ブラックリストや差押えの違い、さらに家を売却する際の注意点について詳しく解説します。
住宅ローンと税金、両方払えない人は意外と多い
住宅ローンを組んでいる家庭では、毎月の返済だけでも大きな負担になります。
そこに加えて、
・固定資産税
・住民税
・自動車税
・国民健康保険料
・所得税
など、さまざまな税金の支払いが発生します。
特に5月〜6月頃は税金関係の請求が集中するため、「住宅ローンを払ったら税金が払えない」「税金を払ったら生活費が足りない」という相談が非常に増える時期です。
しかし、現実問題としてお金には限りがあります。
「住宅ローンと税金、どちらかしか払えない」
そんな究極の選択を迫られることもあるのです。
住宅ローンを払えないとどうなる?
まず、住宅ローンを滞納した場合に何が起きるのかを理解しておきましょう。
最終的には競売になる
住宅ローンを滞納し続けると、金融機関は担保となっている自宅を処分する手続きに入ります。
これが「競売」です。
競売とは?
競売とは、裁判所を通じて自宅を強制的に売却する制度です。
所有者の意思に関係なく、
・自宅が売却される
・売却代金が住宅ローン返済に充てられる
・場合によっては残債が残る
という流れになります。
つまり、「払えないから放置しておけばいい」という話ではありません。
何もしなければ、最終的には自宅を失う可能性が高いのです。
税金を払えないとどうなる?
一方で、税金を滞納した場合も非常に厳しい対応が待っています。
税金滞納は「公売」につながる
税金を滞納すると、行政による強制回収が行われます。
その代表的な手続きが「公売」です。
公売とは?
公売とは、税金滞納者の財産を行政が差し押さえ、強制的に売却する制度です。
つまり、
・住宅ローン → 競売
・税金 → 公売
という違いはあるものの、どちらも「財産を強制的に売却される」という点では同じです。
「待ってください」は通用するのか?
よくある相談として、
「銀行や役所にお願いすれば待ってもらえるのでは?」
というものがあります。
しかし、結論から言えば、単純に「待ってください」は通用しません。
銀行も役所も“支払い免除”はしてくれない
金融機関も役所も、原則としては納期限通りの支払いを求めます。
つまり、
・「今月だけ待ってください」
・「お金がないので支払いを止めてください」
とお願いしても、
「分かりました。支払い不要です」
とはならないのです。
分割払いの相談は可能なケースもある
ただし、完全拒否というわけではありません。
例えば税金であれば、
「3万円を一括では払えないので、毎月1万円ずつにしたい」
という分割相談が認められるケースがあります。
しかし、ここで重要なのは、分割払いは“権利”ではないという点です。
役所側が事情を考慮して認めているだけであり、保証された制度ではありません。
分割払い中でも差押えされる可能性はある
「分割払いを認めてもらえたから安心」
というわけでもありません。
税金の場合、仮に分割払い中でも、
・預金
・給与
・不動産
などを差し押さえられる可能性があります。
役所は財産調査を行う権限が非常に強いため、注意が必要です。
法律上は住宅ローンより税金が優先
ここが今回の大きなテーマです。
住宅ローンと税金、法律上どちらが優先されるのでしょうか。
結論:税金が優先
法律上は、住宅ローンより税金が優先されます。
これは国税徴収法に基づく考え方で、「税金はあらゆる債権に優先する」と定められているためです。
つまり、
・住宅ローン
・カードローン
・クレジットカード
・消費者金融
・個人間借金
などよりも、税金が優先されるのです。
なぜ税金が最優先なのか?
理由はシンプルです。
国や自治体は、税金によって運営されているからです。
もし税金より優先される債務が大量に存在すれば、国家運営そのものが成り立たなくなります。
そのため、法律上も税金は特別扱いされています。
住宅ローンを滞納するとブラックリストに載る
ここからが実務上の重要ポイントです。
法律上は税金優先ですが、実際には「住宅ローンを優先する人」もいます。
なぜでしょうか。
その理由が「ブラックリスト」です。
ブラックリストとは?
正式には「信用情報の事故情報登録」と呼ばれます。
住宅ローンを一定期間滞納すると、
・返済遅延
・延滞履歴
・債務整理情報
などが信用情報機関に登録されます。
すると、金融機関同士で情報共有されるため、
・新規ローン審査
・クレジットカード作成
・自動車ローン
・賃貸契約
などに悪影響が出る可能性があります。
「今は払ったから大丈夫」ではない
よく誤解されますが、一度遅れた履歴も残ります。
つまり、
「後から払ったから問題ない」
というわけではありません。
過去の延滞履歴も信用情報として記録されるため、住宅ローン滞納は非常に大きなリスクになります。
税金滞納はブラックリストに載るのか?
税金の場合は少し事情が異なります。
税金滞納は信用情報には載らない
税金を滞納しても、一般的には信用情報機関には登録されません。
つまり、
・クレジットカード
・ローン審査
などに直接影響する「ブラックリスト」にはならないのです。
だから住宅ローンを優先する人もいる
例えば、
「来月にはお金が入る」
「一時的な資金不足」
という場合には、
・住宅ローンを先に払う
・税金を後回しにする
という判断をする人もいます。
これは、
「住宅ローン滞納=信用情報に傷」
「税金滞納=信用情報には影響しない」
という違いがあるためです。
ただし税金滞納は差押えが非常に早い
ここで絶対に理解しておきたいのが、税金の怖さです。
税金は差押えまでが早い
住宅ローンの場合、競売までには比較的長い期間があります。
しかし税金は違います。
役所は非常に強い徴収権限を持っており、
・預金差押え
・給与差押え
・不動産差押え
などを迅速に行うことがあります。
給与差押えは生活に大打撃
特に給与差押えは深刻です。
給与の一部が強制的に差し押さえられるため、生活そのものが立ち行かなくなるケースがあります。
場合によっては給与の4分の1近くが差し押さえ対象になることもあり、家計へのダメージは非常に大きいです。
自己破産した場合の違い
住宅ローンと税金には、自己破産時にも大きな違いがあります。
住宅ローンは免責対象
自己破産をすると、多くの借金は免除されます。
住宅ローンもその対象です。
つまり、残債があっても支払い義務がなくなる可能性があります。
税金は自己破産しても消えない
一方で税金は非免責債権です。
つまり、
・住民税
・所得税
・固定資産税
などは、自己破産しても支払い義務が残ります。
この点でも、法律上は税金が非常に強い立場にあることが分かります。
住み続けたいなら住宅ローン優先の考え方もある
ただし、現実問題として、
「家を失いたくない」
という方も多いでしょう。
住宅ローンを払わないと家を失う
住宅ローンを長期間滞納すると競売に進みます。
そのため、
・子どもの学校
・生活環境
・引っ越し問題
などを考慮して、住宅ローンを優先するケースもあります。
つまり、何を守りたいかによって判断が変わるのです。
家を売る予定なら待ってもらえる?
よくある相談として、
「家を売る予定だから、それまで待ってもらえませんか?」
というものがあります。
結論:ケースバイケース
実際には、
・多少待ってくれるケース
・全く待ってくれないケース
があります。
ただし重要なのは、
「家が売れるまで支払い不要になるわけではない」
という点です。
督促や社内手続きは進んでいく
仮に待ってもらえているように見えても、
・督促状
・催告書
・差押え準備
・競売準備
などの内部手続きは進行していることが多いです。
つまり、時間稼ぎはできても永遠には続きません。
競売・公売にもタイムリミットがある
金融機関や役所には、それぞれ内部基準があります。
例えば、
・3ヶ月
・6ヶ月
など、一定期間を超えると、
・競売申立て
・公売手続き
へ移行する可能性があります。
競売開始後でもできることはある
ただし、「競売開始=完全終了」ではありません。
競売申立て後でも、
・任意売却
・債務整理
など、取れる手段が残っているケースはあります。
だからこそ、早めの相談が非常に重要です。
本当に大切なのは「生活再建」
ここまで説明してきましたが、最も重要なのは根本的な問題です。
住宅ローンも税金も払えない状態というのは、生活収支が破綻しているサインです。
つまり、
・支出が多すぎる
・収入が不足している
・借入バランスが崩れている
など、家計全体の見直しが必要な段階に来ている可能性があります。
放置が最も危険
多くの方が、
「何とかなるだろう」
「そのうち払えるかもしれない」
と考えてしまいます。
しかし、放置して改善するケースはほとんどありません。
むしろ、
・延滞損害金
・差押え
・競売
・信用情報悪化
など、状況は悪化していくことが多いです。
強制売却より自主売却の方が傷は浅い
もし支払い継続が難しいのであれば、早めに自宅売却を検討することも大切です。
特に任意売却であれば、
・競売より高く売れやすい
・引越し時期を調整しやすい
・周囲に知られにくい
などのメリットがあります。
強制的に競売される前に動くことで、傷口を小さくできる可能性があります。
まとめ
住宅ローンと税金が両方払えない場合、法律上は税金が優先されます。税金はあらゆる債権より優先され、自己破産をしても支払い義務が残る非常に強い債権だからです。しかし一方で、住宅ローンを滞納すると信用情報に傷がつき、いわゆるブラックリスト状態になるリスクがあります。また、家を守りたいか、信用情報を守りたいか、生活を維持したいかによっても優先順位は変わります。重要なのは、「払えない状態」を放置しないことです。早い段階で専門家へ相談し、任意売却や返済調整など、自分に合った解決策を見つけることが生活再建への第一歩になります。
この記事を書いた専門家

- 任意売却の専門家
-
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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