不動産投資はなぜ失敗するのか?初心者が知るべき5大リスクと失敗回避のポイントを徹底解説
不動産投資は「家賃収入が得られる」「老後の年金代わりになる」「節税効果がある」など魅力的な言葉で紹介されることが少なくありません。しかし実際には、十分な知識がないまま始めてしまい、大きな損失を抱えるケースも数多く存在します。
不動産投資で失敗する人には共通する原因があります。本記事では、不動産投資で失敗しやすい5つの理由を詳しく解説するとともに、失敗を回避するために知っておくべきポイントを分かりやすくお伝えします。これから不動産投資を始める方はもちろん、すでに投資中の方もぜひ参考にしてください。
このページの目次
不動産投資における「失敗」とは何か
まず最初に考えなければならないのは、「不動産投資における失敗とは何か」という点です。
投資とは、自ら資金を投下して利益を得る行為です。つまり、不動産投資において利益が出ていない状態は、投資として成功しているとは言えません。
ところが不動産投資業界では、利益以外のメリットを強調する営業トークが数多く存在します。
「団体信用生命保険が付くから安心」の落とし穴
投資用不動産ローンには、団体信用生命保険(団信)が付帯しているケースが一般的です。
団信とは、ローン返済中に契約者が死亡または高度障害状態になった場合、残りのローンが保険によって完済される制度です。
確かに非常にありがたい制度ですが、これを「生命保険代わりになるから赤字でも問題ない」と説明する営業手法には注意が必要です。
例えば3,000万円のローンを組んだ場合、当初は3,000万円分の保障があります。しかしローン残高は返済とともに減少していくため、保険金額も年々減っていきます。
一般的な生命保険のように一定額が保障され続けるわけではありません。
また、「ローン完済後に不動産が残るから得」という説明もありますが、不動産価格が下落している可能性や売却コストなどを考慮すると、必ずしも利益になるとは限りません。
節税目的だけの不動産投資は危険
営業マンがよく使うもう一つのセールストークが「節税」です。
その中心となるのが減価償却です。
減価償却とは、建物の価値が年数経過によって減少する分を経費として計上できる制度です。
例えば建物価格が2,000万円で、20年間で価値がゼロになると仮定した場合、年間100万円を経費として計上できます。
家賃収入が200万円あれば、
・家賃収入:200万円
・減価償却:100万円
となり、課税対象は100万円になります。
さらに家賃収入より減価償却費の方が大きい場合は赤字となり、その赤字を給与所得と損益通算できるため所得税や住民税の負担が軽減されます。
しかし、ここで考えるべきなのは本質です。
節税できたとしても、実際に不動産投資が赤字なら、それは利益を生み出していません。
投資の本来の目的は利益を得ることです。節税だけを目的とした不動産投資は、本末転倒になりやすい点に注意が必要です。
「年金代わり」という言葉に惑わされない
「ローン返済中は赤字でも、完済後は家賃収入が年金代わりになる」
このような説明もよく聞かれます。
しかし、30年近く赤字を続けてまで保有し続ける投資が本当に魅力的でしょうか。
投資は利益を積み上げるために行うものです。
長期間赤字が続くことを前提にした投資計画には慎重になるべきです。
失敗理由① 購入資金の借り入れ方法を間違える
フラット35を利用した投資は絶対NG
まず絶対に避けるべきなのが、フラット35を利用した不動産投資です。
フラット35は自己居住用住宅の購入を目的とした住宅ローンです。
そのため、
・購入後に第三者へ賃貸する
・投資用として利用する
といった使い方は認められていません。
一部では「黙っていれば分からない」と説明する悪質な業者も存在しますが、金融機関や関係機関は厳しく調査を行っています。
ルール違反が発覚した場合、大きなトラブルにつながる可能性があります。
レバレッジの魅力と危険性
不動産投資では「レバレッジ」という言葉が頻繁に使われます。
レバレッジとは、少ない自己資金で大きな資産を運用する仕組みです。
例えば、
・自己資金10万円
・融資2,990万円
で3,000万円の物件を購入できるケースもあります。
確かに家賃収入は3,000万円分の物件から得られます。
しかし忘れてはいけないのは、借金も3,000万円近く背負うということです。
レバレッジは利益を大きくする一方で、損失も大きくします。
「少ない資金で大きく儲かる」という言葉だけに注目するのではなく、リスクとのバランスを考えることが重要です
自己資金ゼロは失敗リスクが高い
自己資金ゼロで始める不動産投資も非常に危険です。
不動産投資は言い換えれば「不動産賃貸業」という事業です。
通常、新たに事業を始める場合、ある程度の資本金を準備します。
にもかかわらず、不動産投資だけは自己資金ゼロでも始められるという誤解が広がっています。
自己資金がない状態では、
・修繕費
・空室期間の損失
・金利上昇
などの突発的な支出に対応できません。
結果として資金繰りに行き詰まり、失敗する確率が高くなります。
失敗理由② 家賃収入を過信してしまう
表示されている家賃が適正とは限らない
投資物件の販売資料には、現在の家賃収入が記載されています。
しかし、その家賃が将来も続く保証はありません。
現在の入居者が高い家賃で契約しているだけかもしれませんし、退去後には相場まで下げなければ入居者が見つからない可能性もあります。
購入前には必ず周辺の賃貸相場を調査しましょう。
築年数とともに家賃は下落する
新築と築20年の物件が同じ家賃で募集されていたら、多くの人は新築を選びます。
つまり建物が古くなるほど競争力は低下します。
その結果、
・家賃下落
・空室期間の長期化
が起こりやすくなります。
現在の家賃だけを見るのではなく、将来どこまで下がる可能性があるのかを想定することが重要です。
空室率と滞納率を甘く見ない
賃貸経営では、
・空室
・家賃滞納
は避けて通れません。
入居者が退去すれば、その期間の家賃収入はゼロです。
また滞納が発生すれば、回収までに時間と手間がかかります。
満室経営を前提とした収支計画は非常に危険です。
入居者の入れ替えには費用が発生する
入居者が退去すると、
・クリーニング費用
・修繕費
・仲介手数料
などが発生します。
これらの費用を考慮せずに利回りを計算すると、実際の収益は想定より大きく下がります。
周辺環境の変化も見落とせない
現在の競合状況だけで判断するのも危険です。
周辺に空き地があれば、
・新築アパート
・新築マンション
が建設される可能性があります。
競合物件が増えれば、家賃競争が激しくなります。
エリアの将来性まで考慮して購入判断を行いましょう。
失敗理由③ 維持管理費を甘く見ている
建物は必ず劣化する
土地と違い、建物は年数とともに劣化します。
そのため維持管理費は必ず発生します。
代表的なものとして、
・外壁塗装
・屋根塗装
・排水管清掃
・防水工事
などがあります。
設備交換費用は想像以上にかかる
室内設備も永遠に使えるわけではありません。
例えば、
・ウォシュレット:約7〜8年
・給湯器:約10〜15年
・エアコン:約10年前後
で交換が必要になるケースが一般的です。
複数戸あるアパートでは、これらの交換費用が重なることもあります。
修繕積立金を確保する
不動産投資で成功する人は、毎月の利益をそのまま使いません。
将来の修繕に備え、
・修繕積立金
・緊急予備資金
を確保しています。
維持管理費を無視した収支計画は非常に危険です。
失敗理由④ 出口戦略を考えていない
古くなったら壊せばいいは通用しない
「建物が古くなったら解体して土地を売ればいい」
そう考える人は少なくありません。
しかし賃貸物件には入居者がいます。
入居者がいる状態では自由に解体できません。
立ち退き交渉は簡単ではない
賃貸借契約では入居者保護が強く認められています。
そのため、
・建物が古い
・建て替えたい
という理由だけでは退去してもらえないケースが多くあります。
立ち退き交渉には時間も費用もかかります。
想像以上に大変な作業であることを理解しておきましょう。
古い物件は売却しにくい
木造アパートなどは築年数が古くなると融資が付きにくくなります。
買主がローンを利用できなければ、購入希望者は減少します。
結果として、
・売れない
・安くしか売れない
という状況に陥る可能性があります。
失敗理由⑤ 相続頼みの投資計画
出口戦略を考えないまま、
「最終的には子どもに相続させればいい」
と考えるケースもあります。
しかし、それは問題の先送りに過ぎません。
相続した家族は、
・売却する
・建て替える
・管理を続ける
といった難しい判断を迫られます。
自分が解決できなかった問題を次世代へ引き継ぐことになってしまうのです。
不動産投資で失敗しないための5つのポイント
ここまで紹介した失敗要因を踏まえると、成功のために重要なポイントは次の5つです。
1.利益重視で判断する
節税や保険効果ではなく、実際に利益が出るかを重視しましょう。
2.適切な融資を利用する
ルール違反の融資や過度な借入は避けましょう。
3.家賃相場を自分で調べる
販売資料だけを信じず、自ら市場調査を行うことが重要です。
4.修繕費を織り込む
維持管理費は必ず発生します。余裕を持った資金計画を立てましょう。
5.出口戦略を購入前に考える
買う前から売る方法を考えておくことが重要です。
まとめ
不動産投資が失敗する主な理由は、「借入方法の誤り」「家賃収入への過信」「維持管理費の軽視」「出口戦略の欠如」「相続頼みの計画」にあります。特に営業トークだけを信じて判断すると、想定外の赤字や売却困難に直面する可能性があります。
不動産投資は決して簡単に儲かる仕組みではありません。利益を生み続ける事業として考え、収益性・資金計画・将来の出口戦略まで含めて慎重に判断することが大切です。今回ご紹介した5つの失敗要因を理解し、事前に対策を講じることで、不動産投資のリスクを大幅に減らすことができるでしょう。
この記事を書いた専門家

- 任意売却の専門家
-
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
●プロフィールをもっと見る
●この専門家に無料電話相談をする:TEL0120-961529※タップで電話かかります。







