任意売却時の引越しのタイミング

任意売却時の引越しのタイミング

「なるべく早く引っ越ししてください。」
借金の問題解決のために相談した際、相談相手からこのようなことを言われる方がいらっしゃるようです。

確かに、単純売却の場合、先に引越しして室内に何もない状態のほうが売りやすいかもしれません。
しかし、引越しのをするのは一つ大きな問題がありますね。

この記事はラジオ的に聞くこともできます。

そう、「引越しの手間と費用」です。
引越って簡単に言うほど楽なことではありません。
長年住んでいれば、数多くの荷物がありますから、片付ける手間もかかりますし、不用品の処分もしなければいけません。

手間も大変ですが、なんといってもお金の問題が大きいですよね。
引越しすれば、引越し業者に支払うお金もさることながら、新しい住まいの家賃の支払いも発生しますからね。

一般の任意売却不動産会社は、とにかく1日も早くの引越を勧めるようですが、私の事務所は違います。

私は、先に「引越しをしなければいけない任意売却を提案すること」は基本的にありません。

むしろ、「ギリギリまで引越しをしないでください」と申し上げます。

表現が適切ではないかもしれませんが、任意売却中はその家に金銭的負担なく住めるわけです。
無料で住める間に多少の蓄えはできますし、荷造りの時間も十分確保することができます。

つまり、買い手が決まるまで引越する必要はないのです。

引越し代捻出

もう一つ大切なことを書きますね。
任意売却と行う際に「売却代金から引越代の一部を捻出できる可能性」があります。

しかし、先に引越してしまうと任意売却の場合売却代金から「引越し代」を捻出することが出来なくなる可能性が非常に高くなります。

債務超過つまり、売却代金が負債よりも少ない場合、売却代金は全額債権者に返済することが原則です。
しかし、任意売却の協力金として引越し代を認めてくれる債権者が一定数存在します。

その場合でも、売却が決まる前に引越ししてしまうと、債権者は「売却できなくても引越しが出来る債務者」という判断をしてしまいます。
そうなると、引越し代は自己負担となってしまいます。

このようなことから私どもは「引越しは、ギリギリまで遅くする」ことを提案しています。

具体的には買主が見つかってからおおむね2か月程度先が引越しのリミットです。
但し、競売の手続きの進行の具合によって変わってきますのでその点は注意が必要です。
また、買主が決まってから2か月ではなく1か月で返済を要求する債権者も存在します。

ネットに書いていることは一般的な事項について記載していますので、どのケースにでも当てはまることではありませんので、ご自身の事については無料相談を利用していただくことをお勧めします。

この記事を書いた専門家

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士杉山善昭任意売却の専門家
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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