連帯保証人に内緒で任意売却ができるか?
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こんにちは、住宅ローン緊急相談室の杉山 善昭です。
今回は「保証人と任意売却」のことについて分かりやすくお話をさせていただきます。
「任意売却するのはいいけど、連帯保証人には知られたくないんだ。」
実務上、このようなご相談をよく受けます。
確かに、離婚して疎遠になった元配偶者などがいる場合、できるだけ連絡しないで事を済ませたいという気持ち。
とても分かります。
連帯保証人に知られずに、任意売却ができるかどうかについて先に結論を書きますね。
「特定条件の下にできます。」
特定条件がどのようなものか、書く前に連帯保証人について簡単におさらいをしましょう。
まず最初に連帯保証人とはどういう人でしょうか?
連帯保証人は、ローンを借りた本人が返済できなくなった時に本人に代わってお金を返す義務を負う人ですね。
あなたが任意売却し負債が残った場合、その債務について連帯保証人は責任をとる必要があります。
ということは、あなたが勝手に売却したことによって負債を確定してしまうと連帯保証人にとっては不利益になります。
逆に、連帯保証人に負債が残らないのなら保証人に何の迷惑もかけることはありません。
つまり、「特定条件」とは連帯保証人に迷惑をかけない場合を言います。
これは三通りあります。
一つ目は、不動産売却をして債務全部が返済できる場合。
借金が残らない不動産売却なので、連帯保証人の承諾が不要になり結果、連帯保証人に知られずに不動産売却ができます。(負債全部が返済できる不動産売却を任意売却と呼んでよいか意見が分かれるところなので、今回は不動産売却という言葉を使いました)
二つ目は、不動産売却をした際に債務が残るが、連帯保証人には請求しない。と金融機関が承諾した場合です。
現実的にはめったにありませんが、残る債務が小額で且つ、返済の見込みが確実であれば金融機関は相談に乗る可能性があります。
三つ目は、債務そのものが過払いなど、債務そのものが無い場合
これは、レアケースですので説明は省略します。
以上見てきたように、不動産の売却後に債務が残らなければ連帯保証人の承諾が無くても不動産を売却することができ、債務が残るなら、承諾が必要になりますので「連帯保証人に知られずに売却」することは不可能となります。
『今回は不動産の権利(共有でない)がない連帯保証人について書きましたが、もし不動産が共有で連帯保証人になっている場合は不動産売却時には共有者の承諾が必要になりますので、知られずに売却することはできません。』
では、連帯保証人に何も告げず、そのままにしておいたほうが良いのでしょうか?
もし、返済が延滞した状態で債務をそのままにすれば、いずれ競売にかかり不動産は強制的に換金処分されてしまいます。
ちなみに、競売の場合は連帯保証人の承諾なくして手続きができます。
しかし、裁判所の競売手続きで不動産を売却すると、安価で落札される可能性もあり結果、連帯保証人が負う債務も増加してしまう可能性が高まります。
結果的に保証人に大きな迷惑をかける事になるかもしれません。
借りた自分自身が自己破産してしまえば、借金も無くなるのでは?と思う方もいらっしゃると思いますので解説しておきましょうね。
仮にあなたが債務を払えずに自己破産をしたとしても、連帯保証人は借金を免除されません。
全額が請求されます。
一括で払えなければ、保証人の不動産や給料が差し押さえられてしまう可能性も高まります。
任意売却は、連帯保証人に一切迷惑をかけない不動産売却方法であるとは言い切れません。
しかし、競売に比べて残る債務を少しでも減らせるようにすることができる不動産売却方法です。
私達住宅ローン緊急相談室は連帯保証人が負う債務を少しでも減らすためにわかりやすくアドバイスとサポートを行なっておりますので、遠慮なくご相談くださいね。
この記事を書いた専門家

- 任意売却の専門家
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(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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