先に引越して下さい。と言われて失敗した任意売却

こんにちは、住宅ローン緊急相談室の杉山 善昭です。
今回は「家の売却とお引越し」のことについて分かりやすくお話をさせていただきます。
カテゴリーは任意売却よくある質問とご相談事例です。
今回寄せられたご相談はこのようなものです。
競売の開始通知が裁判所から届いたけれど、しばらくはどうしたら良いか分からず悩んでいた。そうこうする内に、入札の通知が来ていよいよタイムリミット間近。そこで初めて地元の不動産屋さんに相談に行き任意売却を依頼した。
程なく、不動産屋さんから「買主が見つかったので◯月◯日に売買契約を結びます。それまでに引越しをしてください。」と言われた。引越し費用など無かったが、なけなしのお金を出して、引越しをした。と言うより、親戚から借りてきて工面したのだ。
ところが、売買契約の前日。あろうことか、買主がキャンセルしてきたのだ。
買主に何を言っても、ハンコを押してないからしょうがない。と取りつく島もない。
依頼した不動産屋にも詰め寄るが、こちらも同じ対応。困ったのは売主。売却ができれば、親戚から借りたお金も返済できるのに肝心の不動産は売れない。
更に悪いことに、競売の入札日まで時間がない。このような状態で、住宅ローン緊急相談室のホームページに辿りついたそうです。
このご相談の問題点は二つ。
一つは引越しの問題。もう一つは競売の期日が迫っていること。
今、この記事をご覧になっているあなたの為に解説をすると、まず「売買契約を締結する前に引っ越してはいけない」ということを絶対に覚えておいていただきたいと思います。
売買契約→引越しが王道で例外はありません。
もし、先に引越しを要求する不動産会社に当たってしまったら、即刻依頼を断ってください。
問題点の二つ目は、競売までの時間です。
「競売にかけられた」と一口に言っても、「競売開始決定が届いた」のと「期間入札の通知が届いた」のでは天と地ほど状況が違います。前者の「競売開始決定が届いた」はまだ数ヶ月時間的猶予があるのに対し、後者の「期間入札の通知が届いた」は既に残り1ヶ月を切っていることが多いです。
任意売却を成功させるためには、債権者への根回しなども必要なので少なくても2週間は欲しいところですし、債権者によっては入札日の1ヶ月前まで。と決めている場合もあります。1日でも早く依頼していただきたいと思います。
残念ながらこのご相談は、残された時間が少なすぎて、成約できる見込みが無かったので、弊社で受任はしませんでした。
あなただけは、このような不幸な状態にならないように、私達住宅ローン緊急相談室に遠慮なくご相談くださいね。
この記事を書いた専門家

- 任意売却の専門家
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(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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