借換えをせずに公庫の返済を安くする方法

住宅ローン減額

公庫の返済って11年目から4%!なんでこんなに高いの!?
と思っていませんか?

こんにちは、任意売却の専門家杉山善昭です。

今回は、公庫(住宅金融支援機構)の返済についてのお話です。

公庫でお金を借りて購入した方は、11年目から金利が上がるローンになっています。
中には、ステップ返済といって、1~5年目を安くする代わりに、6年目、11年目の二段階で返済がアップする方式もありましたね。

以前テレビ局から、ステップ返済で困っている方を紹介してくれないか?といったオファーもあった程、社会問題になりました。

銀行も、ステップ返済者をターゲットとして、借換えローンをバンバン宣伝させていました。

カンタンに出来そうなプロモーションをしていた、借換えローンですが、実はハードルがあります。

公庫の借換え、三つのハードル

まず、新しいローンを組むことになるので、銀行事務手数料、印紙代、抵当権設定登記、保証料などの費用が発生します。
また、既存の借入れを完済することで、抵当権抹消登記費用が発生します。

借換えすると経費がかかるのです。

もう一つのハードルは、団体信用生命保険です。
公庫を借りたときには健康だったけれど、現在は持病がある。という場合、借換えローンが組めない場合があります。

最後のハードルは、借換え融資の審査です。
公庫を借りたときの収入と、現在の収入に差(減少)している場合、借換えローンが組めない場合があります。

つまり、「費用」「保険」「審査」の三つの障害があるということになります。

借換えが無理なら繰上げ返済という技

前述したハードルをクリアできない場合、高い金利を払い続けるしかないのでしょうか?

「繰上げ返済」という手があります。

繰上げ返済とは、ローン返済中に、残高全額ではなく、残高の一部を返済期日よりも前に返済することを言います。

今月の支払い時に来月分も一緒に払ってしまう。と言えばイメージしやすいでしょうか?

重要な点として、「繰上げ返済は元金部分」の返済となる。という点です。
繰り上げ返済は利息部分に充当されるのではなく、元金部分に充当されますので、とてもお得なのです。

繰上げ返済した分、利息が免除されますからね。

先日シュミレーションした例を挙げると、毎月の返済が78,759円
内訳は元金43,268円 利息35,491円です。

つまり、43,268円の返済を先にすると、35,491円の利息を払わずに済むのです!

投資という視点で考えると、43,268円の投資で35,491円の利益ですから、利益率82.02%という、とんでもない高い効率です。

効率の良い繰上げ返済の落とし穴

このように、貯金するよりも、株を買うよりも効果の高い、繰上げ返済ですが、一つだけ落とし穴があります。

それは、繰上げ返済は100万円以上。という規定があるのです。

100万円を貯めないと繰上げ返済が出来ない。というのは、少々ハードルが高いですよね。

なんとか、別の手はないのでしょうか?

100万円無くても繰上げ返済する方法

公庫(住宅金融支援機構)が住・MY Noteというサービスを運営しています。
こちらのサービスを使うと、10万円から繰上げ返済をすることが可能です。

繰上げ返済手数料も無料、金融機関に行かなくてもOKという、素晴らしい制度です。

10万円程度ならボーナス時や、ちょっとした節約を積み重ねれば捻出できますよね。

相続予定の財産があるなら、相続時精算課税を使って、生前に贈与してもらっても良いかも知れません。

繰上げ返済のタイプは二つ

繰上げ返済には、二つのタイプがあります。
一つは、「期間短縮型」です。
43,268円の返済を先にすると、35,491円の利息を払わずに済む。というお話をしましたが、これが期間短縮型です。

繰上げ返済すると、返済完了年数が繰り上がります。
毎月の返済額はいままで通りです。

二つめは「返済額減額型」です。
こちらは、繰上げ返済をした元金の分だけ、今後の返済額を減らす。というものです。
返済完了年数はいままで通りですが、毎月の返済額は減少します。

お金だけの効果で考えると、期間短縮型のほうが良いのです。

しかし、例えば、毎月の家計が微妙に赤字。という場合ですと、この繰上げ返済を使って、毎月の返済額を減少させ、家計を黒字にすることもできますよね。

要は使い方次第。ということになります。

まとめ

いかがでしたか?

当たり前に払っている公庫ですが、少し見直すと非常に効果があることがお分かりいただけたと思います。

確かに、貯蓄も大切ですが、今すぐに使わない貯金なら、繰上げ返済に回しても良いでしょう。

また、10万円になるまで小銭貯金をして繰上げ返済をしても良いでしょう。
小さな一歩が、大きな効果を生みます。

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この記事を書いた専門家

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士杉山善昭任意売却の専門家
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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