マンションの未納管理費。時効で払わなくてもOK?


住宅ローンの返済が厳しくなるのと同時に、マンションの管理費、修繕積立金の支払いも厳しくなりますよね。
今回のテーマは、マンションの管理費、修繕積立金の時効の話です。
「時効」という言葉は比較的馴染みがあるかと思いますが、念のため時効という言葉の意味に触れておきたいと思います。
ウィキペディアより引用。
時効(じこう)とは、ある出来事から一定の期間が経過したことを主な法律要件として、 現在の事実状態が法律上の根拠を有するものか否かを問わず、その事実状態に適合する権利または法律関係が存在すると扱う制度、あるいはそのように権利または法律関係 …
ーーー引用ここまでーーー
要するに、一定期間が経過した場合、その権利を取得、もしくは喪失する事を指します。
例えば、他人の不動産と知りつつ、所有の意思を持って住み続けた場合、自分の物にする事ができる。という事になります。
また、支払わなければならない金銭を一定期間支払わずに経過した場合。
時効より、支払い義務を逃れる事もできます。
まとめると、一定期間権利を行使しないで放っておいた場合、その権利を行使する事ができなくなる制度。と覚えておけばよいでしょう。
さて、それでは本題です。
管理費や修繕積立金にも時効の制度があります。
そう、一定期間払わなければ、管理費も修繕積立金も時効により支払しなくてもすむのです!
では、具体的に何年支払いを止めれば良いでしょうか?
現在の法律では5年です。
今、民法の改正が行われようとしているので、注意が必要ですが、現時点では5年間支払わなければ時効を援用する事ができます。
いかがですか?
家計が苦しくて払えない方のとっては夢のような制度ですよね。
この制度の事を知った人は皆、時効に向けて支払いをストップさせてしまうかもしれません。
少し立場を変えてみたいと思います。
管理組合としては、時効を阻止したいですよね。
黙って指を咥えている訳にはいきません。
マンションの管理費、修繕積立金が得られなければ、健全なマンション管理ができなくなります。
最悪、スラムと化してしまうかもしれません。
具体的には、「時効の中断」という手段をとる事により、時効の進行をストップさせる事ができます。
では、どのような手続きをとれば、時効の中断ができるでしょうか?
訴訟、支払督促、和解、差押えなどの法的処置を行うことにより可能です。
法的手段によらない手法として、「承認」というものがあります。
管理費等が遅れている事、支払いを行う事を認めさせる事で、承認となります。
実務的には管理費等の滞納で時効まで行くのは大変困難だと感じます。
先日は、管理費滞納による競売を申し立てられた案件も扱いましたし、管理会社、管理組合の追求は厳しくなる傾向です。
未納管理費にも延滞利息が付きますので、完納できる見込みがない場合は早めにご相談いただくことをお勧め致します。
この記事を書いた専門家

- 任意売却の専門家
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(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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