毎日貯金を崩す日々、住宅ローンももうすぐ払えなくなる

貯金が減る

今回のご相談は、愛知県在住のA様から。
悲痛な状況が届きました。

どんな状況なのか?どうすれば良いのか解説していきましょう。

真綿で首が閉まるような毎日

現在56歳。
5か月前にリストラに合い、再就職を探しているが、正規雇用の会社が見つからない。

仕方がないので、アルバイトをしているが、大した収入にならず、貯金を食いつぶす毎日。

従来から支払っている固定資産税の支払いはもちろん、アルバイトなので、国民健康保険になり、住民税も自己負担。
区役所から届く税金の通知を見るたびに、憂鬱になる。
今までの会社員生活がいかに、楽だったか新ためて実感。

貯えたお金も、もう今月で底をつく。

妻と大学生の子供一人を抱えている状態。
家族と住んでいる家は、皆が集う場所。何としても手放したくない。。。

こんな私はどうしたらよいのか?

状況の整理の仕方

もし、あなたが同じ状況になったらどうしますか?
こんにちは、任意売却の専門家杉山善昭です。

こんな時に一番やってはいけないのは、慌てて住宅ローンの支払をするために、キャッシングなど、借り入れに走ることです。
お気持ちはとても理解できますが、NG行動です。

では、どんなこをすればよいのか?
順番に解説しましょう。

●最初にすること

まず状況を整理することから始めることをお勧めします。
何を整理するのか?

もちろん、家計です。
家計の内、まず支出を計算しましょう。
現在の生活費がいくら必要なのか?
節約はできるのか?
といったことを検証します。

この時に注意したいことをいくつか挙げます。
数百人の家計を見てきた私の経験をお話しすると、かなりの割合で、支出の見立てが甘いことに遭遇します。
書き出すと、家計が黒字になっている。
でもお金がない。という状態です。
何故でしょう?

答えはいろいろあるのですが、代表的なものは、「毎月出ていかないけれど、確実に出ていくもの」です。

例えば、自動車税は一年に一度支払が発生しますから、月割にすると12で割る。車をお持ちなら2年に一度車検があるので、24で割るという具合です。
固定資産税は年4回払いですから、年額を12で割る必要があります。

では次です。
例えば、お子様の修学旅行の積立や、学校に払う暖房費など、毎月ではないが、年の内、どこかでかかるものってありますよね?
これも、ざっくりで良いので年額を計算して12で割って、毎月の生活費に入れましょう。

毎月出ていかないけれど、確実に出ていくものは以上です。

家計簿をつけてない方は、その次に、計算した食費、雑貨を1.2倍にしてください。

無駄遣いしているとは申しませんが、肌感覚で計算した食費や雑貨はたいてい、実際のものよりも少ないことが多いのです。

さて、支出の計算はこれで終わりです。

●2番目にすること

先ほど、毎月平均の支出を計算しまたね。

今度はそれを、削減する方法を検討します。
検討する前に、触れておきたい重要なことがあります。

お金は、「消費」「浪費」「投資」に分かれます。
具体例を挙げましょう。
最低限の食費は、消費。
お菓子は、浪費。
お酒、たばこは、浪費。
仕事で使わないスマホは、浪費。
仕事で使わない車は、浪費。
資格を取るための教材費は、投資。
将来のために貯金をするのは、投資。

簡単に言うと、生活を維持するために必要なものは、消費。
それが無くても生活できるものは、浪費。
あったほうが良いと思うのは、浪費。
お金を生むために使うものは、投資。
という具合です。

先ほど、計算した支出項目に、消費、浪費、投資を当てはめてください。

削るのは、もちろん浪費です。
理想的な割合は「消費70%」「浪費5%」「投資25%」が目安です。

ご自身の支出に、浪費があることを自分自身で自覚することが、家計の見直しに何より必要なことです。

ここまで来ると、家計の赤字とその削減の可能性がリアルに理解できますね。

●3番目にすること

では、次です。
A様の場合、現在失業中でアルバイトという事です。
就職活動をなさっているようですが、なかなか見つからない状態なのですが、「この先就職先が見つかる可能性がどれだけあるのか?」
「見つかったとしたら、給料がいくらなのか?」という点を検証することが重要です。

要するに、家計が正常化するのかしないのか?
正常化するまでの期間はどのくらいになるのか?
という判断をすることです。

住宅ローンの支払いが厳しいので、一定期間利息だけの支払いにする、住宅ローンのリスケジュール。いわゆるリスケという方法があります。
通常の返済は、元金+利息ですから、利息だけの支払いになれば、毎月の生活は楽になりますよね。

また、一時的に借り入れをしてしのぐという方法もあります。

しかし、これらは全て、手段にしか過ぎません。
一時的に凌ぐ事ができたとしても、就職が決まらなかったり、生活赤字が続くようでは、問題を先延ばしにしただけで、何の意味も持ちませんし、あなたご自身も、お金の悩みから解放されることはありません。

判定材料が揃ったら

ここまで来ると後は、どの手段を取るか?の話になります。
判定材料が揃ったらを読む前に、もう一度、上記の記事を再確認してください。
A様の場合、住宅ローン以外の借金や、未納の税金がないので、取りえる方法は以下のようになります。

【返済条件を見直すリスケジュール】
1年以内程度の期間に、家計が正常化することが確実な場合に取りえる方法です。
【借入】
1,2か月で家計が正常化し、借入を返済できる資力が確保できる場合に取りえる方法です。
【不動産の売却】
近い将来、家計が正常化しない場合に取るべき方法です。

この記事を書いた専門家

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士杉山善昭任意売却の専門家
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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