住宅ローンで投資用物件を買わせる手口

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住宅ローンは不動産担保融資の中で最も低金利なローンです。
これは、国の誘導もあると思いますガ、個人が自宅用に購入することを条件として利用できます。
意外と知られていませんが、例えば、住宅ローンを利用して家を購入した。
2年後に転勤になって他人に家を貸した。
これはアウトです。
ご存知でしたか?
住宅ローンを利用して購入した家やマンションを他人に貸すのはアウトです。
何故なら借り入れをする際に金銭消費貸借契約と言う契約を銀行とかわすのですが、その契約書に「賃貸禁止」という文言があるのです。
従って勝手に賃貸することはできません。
転勤等やむを得ない状態で貸す場合は銀行の承諾が必要です。
言うまでもなく、最初から他人に貸す目的で住宅ローンを借り入れすることもアウトです。
さて本題です。
賃貸用不動産を購入する際に住宅ローンを利用して購入したらどうなるでしょうか?
住宅ローンの借り入れ契約書には「目的外利用の禁止」という項目があります。
自己居住用の不動産購入資金以外に利用は禁止ということです。
違反するとどうなるのか?
一括返済要求が可能です。
一括返済の要求をされるとどうなるのか?
一次的には、分割払いの権利がなくなります。
つまり、その時点での残額を一括で返済しなければならなくなります。
二次的にはどうでしょうか。
一括で返済できなければ、給料の差し押さえも理屈上可能です。
簡単に言えば、銀行をだまして、不動産投資用資金を借り入れすると最終的に会社にバレるという事になりかねない。ということです。
一部の悪質な不動産業者は、住宅ローンを利用して投資用不動産を買わせています。
巷に不動産投資のセミナーがあふれています。
玉石混淆なのですが、ほとんどは「石」
価値のないものです。
住宅ローンを利用して投資用物件を購入してはいけないということは不動産業界では常識ですが、一部の悪意ある不動産会社が住宅ローンを利用して投資用不動産を購入する犯罪的手法を用いて、投資初心者を嵌めています。
中には、銀行から照会があった際の対応マニュアルを配っている不動産会社もあるそうです。
また、住宅ローンを利用して不動産投資を推奨するような本も出版されているようです。
もう一つ。
投資用不動産の借入は、住宅ローンに比べて借入限度額が低めになっています。
これは銀行員に聞いた話ですが、自宅の場合は最後の最後まで払う傾向があるのに対し、投資用不動産の場合、ちょっとしたアクシデントで支払いが止まってしまう可能性が高いそうです。
従って、投資用不動産の融資は借入限度額が低くなっています。

端的に言えば、自己資金をたくさん入れないと投資用不動産が購入できないという事になります。
一方自己居住用不動産の場合は、借入限度額が高く設定されています。
自己居住用の方が有利な条件で借り入れができるのです。
これを利用して一部の悪徳な不動産会社が投資用不動産を住宅ローンを使って売りさばいています。
最後にもう一つ。
住宅ローンは1人1本までという規定があります。
投資用不動産を住宅ローンで購入した場合、自分のマイホームは購入できないという事になります。
この点も注意をしていただきたいと思います。
もし、住宅ローンで購入した投資用不動産の返済でお困りになっていたらご相談くださいね。
この記事を書いた専門家

- 任意売却の専門家
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(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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