【第1話】誰が住んでいるか分からないマンション売却
自分が所有しているマンション。
そもそも人が住んでいるか分からない。
住んでいるとすれば誰が住んでいるのかも分からない。
にわかに信じがたいお話しだと思いますが、現実に起こり得るのです。
今回はそんなマンションを任意売却の専門家杉山善昭が売却したお話しです。
こんにちは。任意売却の専門家杉山善昭です。
この番組は、普段私たちが行っている任意売却の活動のダイジェスト版のような物を、皆さんにシェア出来たらな、という思いで始めました。
重たい話はなるべくしないようにしたいと思っています。任意売却についての本当の情報発信は別のPodcastで行っています。「住宅ローン緊急相談室」と検索していただくと出てくるかと思います。このPodcastでは私の任意売却をしている活動の一端を、皆さんにお伝えしたいなと思い始めた番組なので、ゆるく聞いていただきたいと思います。
この収録をしているのは2019年3月11日です。3月11日というと東日本大震災が起きた日ですが、ちょうどその時私は本の出版が決まっており、第1回目の出版打ち合わせに向かう途中でした。神奈川県厚木市の事務所を出たところ、ゆらゆらと揺れ、これはえらいことだと思いました。第1回の打ち合わせに遅刻するわけにはいかないと思い、急いで電車に乗ろうと思い駅に向かったら、電車がすべて止まっていました。まさかあの規模の地震だとは思っていませんでした。これは参ったと思い、車に乗ったら渋滞していました。結局1時間車に乗っていても5 km 、10 km ぐらいしか進みませんでした。電話が繋がらなかったのでメッセージで、「今こういうわけで今日は無理です。」ということを相手方に伝えました。相手方はその時飛行機に乗っていて、羽田着だったはずが、途中で引き返して北海道に行ってしまったというような状況でした。
そんな非常に重い8年前の思い出だったわけですが、先週は怒涛のような久しぶりにひりひりした1週間でした。
信じがたい話ではあるとは思いますが、誰が住んでいるのか、そもそも住んでいるのかもわからないという分譲マンションがあり、その売却が先週すべて終わりました。所有者様はいわゆるデート商法で不動産物件を買わされてしまい、本人が鍵を持っていないというような状況でした。
サブリース会社もいましたが、そのサブリース会社が破綻してしまったので、結局誰が住んでいるのかもわからないというような状況になりました。サブリース会社からの家賃も遅れてしまったので、必然的にローンも払えなくなり破綻してしまったというものです。
あまり細かく説明することは出来ませんが、そもそも誰が使っているのかということを調査しに行くと、運よくちゃんとした人がお住まいになっていました。ところがその借主は社宅として使っており、社宅代行会社のようなとこが入っていました。またそこが難儀なところで、「サブリース会社が連絡取れないから解約出来ない。解約が出来ないから新しいオーナーさんが決まってもそっちに家賃払えない。」のようなことを主張してきました。
私としては「民法688条があるからサブリースであっても直接請求権があるんですよ。」のようなことをお話したのですが、それでも相手には拒否をされてしまいました。
我々は弁護士ではなく不動産会社なので、拒否している相手に請求することは非弁行為と言って弁護士法違反なってしまいます。なので拒否しているものを払えということが言えないので、どういう風な手続きを踏んだら払っていただけるようになるかという競技を諦めないで行いました。払い払わないではなく、手続き貸主変更の手続きをどういう風にするかということを主眼において、折衝をして予定日の1日前にようやく形がつき、無事飼い主さんへの引渡しが終わりました。
本当に久しぶりにヒリヒリしました。やりがいがあると言えばやりがいがあり、依頼者の方も非常に喜んでいただきましたが、私はもうヘトヘトでしたが、良い経験となった怒涛の一週間でした。先週は地域のイベントも行われたりしましたが、思い出に残る一週間でした。今週は確定申告のリミットということで、すでにだいたい出来上がってくるので後は出して終わりというぐらいまで進みました。税金も確定したのでやっと一安心かなという感じです。比較的、今週の週末は時間に余裕があります。出張相談の話もポツポツきていますけれども、比較的時間は空いてますのでご相談ありましたら、お声かけいただければ通常よりも多少時間にゆとり持ってご相談乗れると思います。
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