【第7話】破産者マップその後、任意売却と破産の関係
前半は、以前破産者マップの話をしましたがその破産者マップがなんと、、、!
後半は、自己破産と任意売却の関係について任意売却の専門家杉山善昭が解説しています。
こんにちは。任意売却の専門家、杉山善昭です。
何回か前に破産者マップについての放送がありました。破産者マップというのは、全国で自己破産をした人のフルネーム、住所を Google のマップに落とし込み、それをサイトで公開するというモラルの無いような運営者が開設したものです。
あっという間に SNS で拡散され、炎上に近いような状態になりました。集団訴訟の気配も見えて来ましたが、なんとサイトがなくなり Twitter 上で運営者と思われる人がコメントをしました。「破産者マップは削除しました。個人情報削除の申し込みをしてきた方の個人情報のデータを削除しました。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。」のようなコメントが投稿されていました。
思ったより早く、やっと消えたかといったところで、とんでもないサイトができたと思っていたので私としては削除されて良かったなと思っています。削除されてそのサイト自体はもうなくなった訳ですが、一件落着ということにはなかなかなりませんでした。実際に掲載された人が名誉毀損、プライバシーの侵害ということで集団の訴訟は継続しそうな雰囲気です。
今回は破産繋がりということで、よく日常業務である任意売却のご相談の現場で、よく聞かれている質問についてお話します。それは何かと言いますと、「任意売却をすると破産しなきゃいけないんですよね」のようなことをよく耳にします。
結論から申し上げますと、任意売却と自己破産はイコールの関係ではありません。自己破産というのは、任意売却にしても競売にしても家を手放し、そして返しきれなかった負債をどうするかという解決方法の手段の一つが自己破産になります。ご存知の通り、自己破産というのは残った借金を返済しなくても済むお墨付きを国からもらうという手続きですから、これから返済を頑張っていきていきますという方は、自己破産する必要は全くないと思います。そのため、任意売却をした後に自己破産する方もいらっしゃれば、自己破産をしない方もいらっしゃいます。自己破産をしないという方は、基本的には毎月いくらずつ分割で弁済をしていきますというような申し出をし、それを債権者が了承すれば分割の支払いがスタートしていくことになります。
どちらの割合が多いですか、というような質問をよく受けます。買った年代によってだいぶ変わってきますが、自己破産をするか示談をするかというのは、一番大きい要因としては返し切れるかどうかというところです。一生かかっても返しきれないような負債であれば、やはり合理的な判断をして自己破産すべきであろうかと思います。逆に頑張れば払い切れるという場合は、自己破産する合理性もないので頑張って払って行こうということになることが多いです。払えるか払えないかの境目がどの辺にあるかというと、大体車が一台分買えるか買えないかが基本的な目安です。車がいくらの車なんだという問題はありますが、概ね500万ぐらいが境目になることが多いなと実感しています。
ご商売を営んでいる方や、一定の資格業、例えば生命保険の外交員さんなどのご商売をやってる方は、ご商売を続けていくためには自己破産するわけにはいきません。なぜなら自己破産するときに、商売もたたまなければいけません。ご商売も一緒にたたむということであればその足かせも無くなりますが、ご商売はやっていくということであれば、自己破産はなるべくできない、しにくいということになります。
すこしお話がそれてしまいましたが、必ずしも任意売却をしたからといって自己破産する必要はありませんし、逆に言うと自己破産しなければ任意売却ができないということもありませんので、ここは誤解のないようにしていただければ幸いです。
今日の番組はこれまでです。またお会いしましょう。
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