【第10話】高収入なのに任意売却をしなくてはいけなくなった事例

年収が800万円もあるにも関わらず、住宅ローンの支払いができず破たんし、任意売却をした事例のご紹介です。
場所は、神奈川県横浜市、横浜銀行を通じて住宅金融支援機構の融資を受けていた案件です。

実はこの案件、破たんした理由は、、、

解説は任意売却の専門家杉山善昭。

 

こんにちは。任意売却の専門家、杉山善昭です。

今回は、高収入のはずなのに任意売却をしなければいけなくなってしまったという事例のお話をしたいと思います。

場所は神奈川県の横須賀市の不動産です。元々は横浜銀行を返済口座にしていましたが、住宅金融支援機構からお金を借りており、私どもの相談に来て頂いた時にはすでに期限の利益、つまり分割払いの権利をなくしてるという状態でした。

お話を聞いてみますと、年収が800万あり独身ということで、普通に考えると何故これで破綻してしまうのかなと頭にはてなが浮かびました。この方の原因は浪費と言っても過言ではありませんでした。買い物依存症などではなく、仕事場が遠い上に非常にストレスが溜まる現場で、毎日のようにお友達と居酒屋に行っていたそうです。そして飲んでお酒が進んでいくと、だんだん終電が近くなり終電が過ぎてしまいます。月の半分ぐらいはほとんどホテルに泊まるという生活が続いていたそうです。

消費者金融との付き合いが20年以上というような状態。先日弁護士に過払いの指摘をされて依頼したところ、まとまったお金が入ってきたみたいです。そのお金で住宅ローンの遅れている分を払おうとしたところ、その時すでに期限の利益が喪失していたため、手遅れということになってしまい、横浜銀行から住宅金融支援機構に移管されました。金融支援機構の方は自社で回収をしません。今回の場合は住宅債権管理回収機構というところに債権の回収を委託をし、競売の申し立てをしますよという通知が来たというところです。

そのところで私共に相談が来て、ちょうど裁判所から差し押さえ通知が来たといった、そんなマンションでした。そもそも仕事場が当時は近かったために買ったマンションでしたが、家族も住んでいないうえに不便だったので売ってしまいたいということでした。

この不動産は、もし任意売却したとしても残る負債は1000万円ぐらいはあろうかと予想されました。通常負債が1000万残る場合は自己破産が多いです。ただこの方は年収800万円ということ、それから過払い金のお金が大分戻ってきていたため、返済できなくもないような状態でした。さらに勤務先の退職金も見込みで2000万円ほどあるということで、こうなると自己破産をするのはむしろメリットがないといえる状況でした。

兎にも角にも一円でも高く売りましょうということで任意売却をしました。ポイントは期限の利益を喪失しているため、年率14.5%の遅延損害金というものがかかります。それをいかに早くなくすか、非常にスピードが求められる任意売却でした。また裁判所に予納金というものが支払われてました。これは債権者が立て替えをしており、競売の手続きが進んでいけば進んでいくほど、その予納金が消化されてしまうのでその部分を早くかつできるだけ高額で売却をすることが必要でした。

私どもでは不動産業者のメールアドレスリストを8000件ほど持ってます。そこに今回の物件を投げかけ、一番高く買っていただける方を探しました。本当にこの案件は早く解決しました。

そんなような売却が無事終わったというご紹介でした。任意売却はとにかく売れればいいというだけではなく、どのくらいの時間をかけられるのかや、最終的に負債をどうするのかなど、そういう要素で販売の方針が変わって行きます。なので Web にも私どものサイトがだいたい600ページぐらいはあろうかと思います。一般的なことが書いてありますが、依頼者の状況によって細かくカスタマイズといいますか、お薬でいうと調合をするような、それと同じようなイメージをしていただけると良いと思います。どのタイミングでどういうことをやって、最終的に出口戦略はどういう風にしようかということも含めて、任意売却というのは考えていないと、後でしまったという事になりかねません。

今回は神奈川県横須賀市の成功事例ということでご紹介させていただきました。ではまた次回お会いしましょう。