【第13話】住宅ローンで購入した家を貸している団体信用生命保険はおりるか?
質問:杉山先生初めまして。
主人が4月5日に亡くなりました。
実は8年前に購入した家があるのですが、3年前から人に貸していて自分たちは別の所に住んでいます。
家を購入した時に生命保険に入ったと思いますが、この保険他人に貸していてもおりるのでしょうか?
お忙しいとは存じますが、教えていただけると幸いです。
こんにちは。任意売却の専門家、杉山善昭です。
今回は質問頂いてますので、こちらについての答えをしたいと思います。
質問文を読みます。
杉山先生初めまして。主人が4月5日に亡くなりました。実は8年前に購入した家があるのですが、3年前から人に貸しており、自分達は別のところに住んでいます。家を購入した時に生命保険に入っていたと思いますが、この保険、他人に貸していてもおりるのでしょうか。お忙しいと思いますが教えていただけると幸いです。
ということでご質問頂きましてありがとうございます。まず、団体信用生命保険と保険がですね住宅ローンに付保されてることがほとんどです。この保険が下りるかどうかということですが、まず第一にそもそもその保険が今生きているかどうか、有効であるかどうかということです。どういうことかと言いますと、例えば住宅金融支援機構の別払いの保険の方は、毎年1回保険料を払ってくださいという通知がきます。ここで払えなくて引き落としができないと、2ヶ月後ぐらいにもう1回引き落としますというご案内が来るはずです。ここでも引き落としがなされていないということになると保険が失効してしまった、つまりお亡くなりになったとしても保険が下りないということになります。
一方銀行の住宅ローンがどうかと言いますと、ご返済の利息の中から銀行が保険料を負担しているという構図になるわけです。従ってご返済が滞ってしまうと、保険が失効する可能性が高くなってきます。何ヶ月延滞したら保険が失効するかというのは、それぞれの銀行で変わってくるので、まずは銀行に確認をしていただけるとよろしいと思います。
この話の続きは、まず第一に保険が今も有効に生きているという前提で話をしますが、その次は用法違反で心配があります。そもそも住宅ローンで購入した家を賃貸用の不動産として使ってはいけません。ただそうはいっても、長い人生ですから転勤があったというのはままあることです。転勤があったその時は認められます。しかし恒久的に不動産賃貸事業として家が一軒だけであっても、賃貸事業として使うということになってしまうと、住宅ローンの対象ではなくなってしまいます。何になるかというと、事業用の融資ということで金利が上がったり返済期間が短くなったりということが変わってきます。
だったら貸すための用途になったから利息だけ上げればいいかというとそうではありません。パッケージが違うので、住宅ローンと事業用のローンは金利が少し変わるとかではなく、商品が全然変わるということです。つまり借り換えしないといけないということです。おそらくこのご相談者様は、銀行に承諾を取っていないと思います。そうなると少し表現が適切ではないかもしれませんが、銀行に内緒で、人に貸してしまってるというような状態になるので、これは住宅として使っていないと見られてしまいます。
住宅として使っていないものに保険を下すというのは、その個々の契約によります。例えば生命保険を下すときに、”条文の中に用法違反があった場合は生命保険を下しません”という文言がもし書いてあったとすると、保険がその時点で下りないということになります。従って、ご相談いただいたのですが、どういう条件でお金を借りているかについての借りた当時預かった書類があると思います。それを見ていただいて、下りるかどうかの判断をしていただければと思います。これが一番の近道です。もしお手元に書類がないという場合は銀行に問い合わせていただければ、多少時間はかかると思いますが、情報開示していただけると思います。
今回のご質問に対する解答は以上です。また次回お会いしましょう。
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