【第14話】自己破産をする奴はクズなのでしょうか?
質問:はじめまして
youtubeを見て偶然杉山先生を知りました。
一つ質問をお願いします。
私は現在3LDKのマンションに一人暮らしです。
12年前にマンションを購入をして6年前に離婚し一人暮らしになりました。
1人の収入では住宅ローンの返済が苦しく借金を重ねるうちにどうにもならなくなってしまいまいした。
人生をやり直そうと自己破産することにし弁護士に依頼しました。
自己破産をしてスッキリするかと思ったのですが、先日ツイッターを見ていたら「自己破産をする奴は借金を踏みて平気な顔をしているクズだ」という書き込みがありました。
そんなつもりは全然ないのですが、世間からそんな目で見られている事にショックを受けました。
自己破産をするのはクズなのでしょうか?
こんにちは。任意売却の専門家、杉山善昭です。
前回に引き続き、ご質問に対しての回答したいと思います。まずは質問文を読みます。
初めまして。YouTube を見て偶然杉山先生を知りました。一つ質問をお願いします。私は現在3 LDK のマンションに一人暮らしです。12年前に購入したのですが、6年前に離婚して一人暮らしになりました。一人の収入では住宅ローンの返済が苦しく、借金を重ねるうちにどうにもならなくなってしまいました。人生をやり直そうと自己破産をすることにし、弁護士に依頼をしました。自己破産をしてスッキリするかと思ったのですが、先日 Twitter を見ていたら「自己破産する奴は借金を踏み倒し平気な顔をしているクズだ」という書き込みがありました。そんな気持ちは全然ないのですが、世間からそんな目で見られていることにショックを受けました。自己破産するのはやっぱりクズなのでしょうか。
というようなご質問を頂きました。ありがとうございます。
それぞれ価値観があると思うので、正解というのは残念ながらないと思います。なので今回は私の価値観に基づいた回答したいと思います。
言うまでもなく自己破産というのは、今ある借金を返済しなくても済むような公的な制度です。よく誤解されがちですが、自己破産は借金がなくなるのではなくて、借金があるけれども払わなくてもいいよという制度です。強制的に取り立てられない権利を掴むと言った方が正しいかもしれません。なので借金がなくなるわけではないので、個人的に後からこの人だけには迷惑をかけたくないからお金を返すというのはオッケーです。なので返したければ返すという選択肢は残されているということです。
次に、自己破産について申し上げると、確かに借りたお金を返せないというのは事実としてあると、しかし逆の視点から見てみますと金融機関というのは、お金を貸します。そして利息をつけて返してもらいます。この利息というのが金融機関の利益になります。平たく言うと金融機関は利息という利益を得るために、元本というお金を貸し出してるということです。当然、一定数返せなくなる人がいるということは想定してお金を貸しているということになります。金融機関としてはあくまでビジネスなのです。ですから、例えば1000円で仕入れた商品が1100円になれば利益になりますが、900円しか返ってこなければ100円の赤字になるわけです。そしてその商品が腐って無くなってしまえば、1000円の損失ということになります。
銀行の言う貸金はそれ以上でもそれ以下でもないと思います。ですから返せないのはけしからんとか、そのような感情論ではなく、どちらかというと統計学と言ったらいいのでしょうか、100人貸したら2人はお金が返せない人がいるという前提でやっていますので、その1人になったのかなという程度だと私は思っています。
このような話をすると、じゃあ好意で貸してる人はどうなるのか、銀行とは違ってビジネスではないじゃないかという話があるかと思います。しかし、好意で貸す行為というのはやはり自己責任だと私は思います。私が仮にお金を貸して欲しいと言われた時には、お金は貸しません。なぜ貸さないのかというと、少し人と違うとは思いますが、そのお金を借りなければいけないような状態そのものを無くさない限り、お金を貸しても無意味だと思っています。例えば生活をして赤字になり、毎月3万円足りないから杉山さん貸してくれない?と言われた時に、じゃあ3万円返してあげるよ、となってもそんなに大変ではないですよね。しかしこれが30万だったり300万だったらといった話はありますが、簡単か大変かということではありません。仮に貸すことが大変であったとしても、そもそもなぜその赤字が3万円出る生活なのかということです。その生活を直さないと毎月3万円足りないという生活は変わりません。僕だったらその代わりに3万円節約する方法を教えると思います。これが僕が考える本当の優しさであると思います。
人にお金を貸すということは、当然帰ってこないというリスクがあるという認識をしてほしいです。絶対返すからといってみんな借りて行きますが、絶対なんてこと世の中にはありません。返せない事だって可能性は十分あることを承知で貸していますので、人が好意で貸したのを踏みにじってというのは感情的にはわからないこともないですが、私は貸すほうも同じだと思います。
この自己破産をすることが、良くないことなのかくずなのかということではなく、私は、この経験を糧に何を学びそしてこの後の人生をどうするかという事の方が、よっぽど重要だと思いますし、ここの経験から学ばない人こそ残念なことになるのではないかなと感じます。
人生は途中経過です。マラソンと一緒です。今うまくいってる人も驕ることは避けた方がいいですし、今どん底にいる方も諦めることは全然ありません。今の経験を踏まえて今後の人生をどうするのかということを、主眼に毎日過ごしていただいたらよろしいと思います。
今回は正解というよりは私の主観的な価値観の話をさせて頂きました。
それではまた次回お会いしましょう。
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