【第33話】相続放棄後に住宅ローンの連帯保証人になっていることが発覚!どうすればいい?
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下記の音声が聞けない場合は、下記のテキストをお読みください。
—以下放送内容—
(読みやすく、分かりやすくするため、画像、補足リンクを設置しています)
こんにちは、任意売却の専門家杉山善昭です。
今回もご質問をいただいております。
長文なのでかいつまんでご紹介したいと思います。
ご相談の内容を要約すると次の通りです。
—ご相談概要ここから—
売却したいです。
ただ 所有者は夫、そして私は妻。
負債の方が多かったので、相続放棄をしました。
相続放棄をしたので、奥様に関しては何の関係もない。
そころが、債権者から連帯保証人なので代わりに払ってください。という通知が来た。
こういった場合どうすれば良いでしょうか?
—ご質問ここまで—
まとめると
●ご主人亡くなりました
●負債が多かったので、相続放棄をした
●相続人の立場から消えたと思っていたら連帯保証人になっていた
●連帯保証人への請求がきた
●どうすれば良いか?
●連帯保証人が任意売却できるか?
今回はこのご質問に対して回答をしたいと思います。
結論から言うと、連帯保証人の立場では任意売却をすることはできません。
ただどうしても売りたいご要望があれば、道はあります。
まず、その前提となる話をしましょう。
相続放棄をすることと、連帯保証人から外れることは全く別物です。
確かに相続放棄をすれば、相続人から外れることができます。
財産を相続できないけど、マイナスの財産も背負わなくても良いことになります。
一方、連帯保証人はご主人の生死に関係なく、元々奥様がご主人の債務の保証をしている訳です。
ちょっとここで一つ気になることがあります。
それは何か?
住宅ローンです。
一般的な住宅ローンには、生命保険。
団体信用生命保険という保険に加盟しています。
そう、お亡くなりになると生命保険がおりて、残債が完済されるのです。
債務自体が返済されて完済になると残債はゼロになります。
残債がないなら、連帯保証人としての責任もない。という事になります。
このご質問文の中では団体信用生命保険のことについて、一切書いていないので、保険に加入しているか否か不明ですが、保険がおりる可能性があります。
まずは、保険会社に連絡して加入の有無を確認してください。
保険会社が分からない場合、銀行に問合せをすれば判明する可能性が高いです。
保険は自動的でおりるのではなく、死亡した事を申請するなど一定の手続きをすることによって受取れますので必ず確認をしてください。
もし、「保険に加入していない」「告知義務違反で保険がおりない」「保険が失効している」このような原因で、団体信用生命保険がおりない場合はどうなるのか?
※参考記事:団体信用生命保険が降りないケースとは?
住宅ローンの残債を代わりに払う事ができない場合、不動産が競売にかけられます。
競売手続きで、全部返済できれば、連帯保証人の返済義務も無くなります。
問題は競売手続きの結果、全額返済が出来なかった時。
改めてまた保証人ところに「払ってください」という請求が届きます。
競売は一般相場の56%程度が入札可能額ですので、非常に安く売られてしまう可能性があります。
そろそろ負債を残さない為の話をしましょう。
裁判所を使うのです。
「不在者の代わりに諸手続きをする人」を裁判所に専任してもらいます。
今回は不在者がお亡くなりになっている人ですので、相続財産管理人という制度になります。
但し、お金もかかりますし、裁判所を通さないと出来ない手続きで時間もかかります。
さて任意売却するか競売にするかはその相続財産管理人の判断になります。
注意点として大切なことを書いておきますね。
「相続財産管理人はあなたの味方ではありません」
亡くなった方の財産を公平に処分する人ですから、任意売却メリットがないという判断をすれば、協力をしないという結果になります。
しかし、一般的には競売よりも任意売却の方が高く売れると言われてますので、協力してくださる可能性はある程度期待できるのではないかと思います。
連帯保証人にとって非常に重い負債が残ってしまう可能性があるいうことを相続財産管理人に伝えれば、協力していただける可能性はあります。
前述したように、手続きするにしてもお金がかかります。
従って、何もしないで競売で売られた場合の想定金額と相続財産管理人を立てて、任意売却をした時の金額、両方をシュミレーションして「どちらが徳か?」判断すると良いでしょう。
今回は連帯保証人の立場で任意売却ができるか?ということについて任意売却の専門家杉山がお答えしました。
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