【第2話】銀行からの任意売却依頼
当事務所は基本的に金融機関様からの任意売却依頼を受けておりませんが、依頼者の為になる任意売却であれば業務を受けております。
依頼者の為になる任意売却と、依頼者の為にならない任意売却。
実は違いがあるのです。
この音声は、依頼を受ける任意売却か否かの判断基準について解説しています。
こんにちは。任意売却の専門家、杉山善昭です。
任意売却の日常を音声でお届けしているこの番組ですが、今回は金融機関さんからの売却依頼のお話です。
私の事務所は基本的には金融機関さんからのご紹介案件は基本的にお受けしていません。
なぜかと言うと、私どもは任意売却をしたいという依頼者のために動いています。金融機関からの依頼で任意売却をすると、表向きな依頼者はその不動産所有者ですが、金融機関が実質的な依頼者のようなところがあります。少し言葉の表現が難しいですが、そのような側面があるのであまり金融機関さんからご紹介はそこまで積極的には動いていません。ただ、やらないということではなく、前提条件があり、あくまで依頼者にとってメリットがあるのであればお仕事としてお受けしますということを申し上げています。
したがって、金融機関だけにメリットが発生するような「所有者を説得してほしい」のようなご依頼はお受けしてません。
ですが、「この方が困ってるので手を貸してあげてほしい」のような依頼であれば喜んでサポートさせていただいています。表現の仕方が難しいですがこのようなスタンスです。
さてここからが今回の本題です。
ある東京の金融機関なのですけれども、ご夫婦で持っていた不動産がございまして、離婚して片方が退去をしています。本来は入居してるほうが住宅ローン払うべきですが、ある事情がありその入居してる人が住宅ローンの負担を全然負担していませんでした。
出ていった方の人は、賃貸物件の家賃と住宅ローンの全額を払っており、もう生活がカツカツでお子さんの洋服も買ってあげられないような状態でした。
そこで杉山さんのところで、入居してるが別れた相手にお話をしてもらってうまいことできないかみたいなお話でした。
実際に任意売却の現場では、そんなようなお話は枚挙にいとまがないぐらいあります。私たちは弁護士ではございませんので、嫌がる相手を無理やり叩き出すみたいな事は、どうやってもできません。ただ話を聞いてくれる相手と折衝することができます。なので私はそういう依頼があっても、最初から相手を説得しに行くのではなく、あくまでこういう依頼があり、それについてどう思いますか、ご協力していただく気持ちがあるのかないのか、それを判断するためにこういう材料を差し上げますと、このまま何もしなかったらどうなるか、なにかしたらこうなるのかなど、そういう材料を差し上げた上でどうするかを決めてくださいというようなお話をしに行きます。
説得はしません。なぜ説得しないかといいますと、説得はできないからです。できない、というのが少し表現が適切ではないかもしれませんが、このケースでいうと、入居している方からすれば相手方が依頼した不動産会社が来て、なんか説得された、という状態で気分としては非常によろしくないと思います。なので私は立ち位置としてはスクエアですよ、どっちの肩を持つつもりもないですし、どっちを特別にカバーするということでもありません、ということをまずご理解いただきます。そうしないと話にもならないですからね。逆に言うとそういうところのお話をしていくと、今までの過去の経験上で言うと駄目だったというのは記憶にありません。
皆さんご理解いただいてご協力いただいているということです。今こうやってお話ししながら駄目だったケースは今まであったかなと、数年単位思い出しても思い出せないです。交渉事はテクニックなどではなく、どれだけ話を聞いていただける体制にするかということがとても大事です。この人は敵ではないと思っていただくこと、かといってすり寄るということではありません。厳しいことも申し上げることや、厳しい現実を案内することもありますけれども、それはどちらに対してもお話をします。依頼者だから片寄せするようなことありません。
そんなわけで、金融機関さんからご紹介いただいた案件がまたこれからスタートするといって感じです。今離婚が多く、3組結婚すると1組離婚してる、といった統計があるようです。本当に珍しいことではありませんので、離婚案件はこれからも増えていくのではないかなと思ってます。今日はここまでです。
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