知らないと危険!不動産投資で多発するトラブル10選とその実態

不動産投資は「堅実」「安定」といったイメージを持たれがちですが、実際の相談現場では数多くのトラブルが発生しています。特に、知識が十分でないまま契約を進めてしまった結果、取り返しのつかない状況に陥るケースも少なくありません。本記事では、住宅ローン緊急相談室として数多くの相談を受けてきた立場から、実際に起きた不動産投資トラブル10選を具体例とともに解説します。不動産投資を検討している方、すでに始めて不安を感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。

不動産投資トラブルは決して他人事ではない

不動産投資に関するトラブルは、特別な人だけが遭遇するものではありません。
「営業担当が親切だったから」
「大手と提携していると言われたから」
「家賃保証があるから安心だと思ったから」
このような理由で契約してしまい、後から問題が発覚するケースが非常に多いのが現実です。

本章では、ランキング形式ではなく、相談現場で実際に多かったトラブルを順番に紹介していきます。どれも「よくある話」であり、事前に知っていれば回避できたものばかりです。

不動産投資トラブル10選

① 手付金詐欺|契約金を持ち逃げされるケース

不動産売買では、売買契約時に「手付金」を支払うのが一般的です。
たとえば2,000万円の物件であれば、200万円程度を手付金として支払い、残金は後日の決済時に支払う流れになります。

この手付金を預かったまま不動産会社が姿を消すというのが、いわゆる手付金詐欺です。

手付金詐欺が少ない理由

実は、この手の詐欺は件数としてはそれほど多くありません。その理由は以下の通りです。
・最近の不動産投資はフルローンが主流
・手付金が10万円〜数十万円程度のケースも多い
・少額で会社を飛ばすのは割に合わない
ただし、可能性がゼロではない以上、契約前に会社の実態や免許番号、過去の実績を必ず確認する必要があります。

② 空入居(からにゅうきょ)|実際は誰も住んでいない

「現在入居中なので室内は見られません」
この一言で安心してしまう方は非常に多いですが、要注意です。

空入居とは、実際には誰も住んでいないのに、入居中と偽る行為を指します。

なぜ空入居を装うのか
・空室だと内見を求められる
・室内を見せると問題点が露呈する
・家賃保証(サブリース)で誤魔化せる

見破るためのポイント

・電気メーターが動いているか
・郵便ポストに郵便物が溜まっていないか
・夜間に照明が常に同じ状態で点灯していないか
中には、電化製品を常時稼働させる、照明をタイマーでつけるといった悪質なケースもあります。

③ 購入価格が相場より異常に高い

相談現場で非常に多いのがこのケースです。
・本来2,000万円程度の物件
・実際の契約価格は2,800万円
このような例は決して珍しくありません。

高額売買の主な理由

1.不正融資目的
 ・後から減額合意書を作成
 ・銀行には高額契約書のみ提出
2.単純に利益を最大化するため
 ・投資家の知識不足を利用

④ 家賃相場を無視した異常な家賃設定

物件価格が高ければ、その分利回りをよく見せる必要があります。
その結果、相場とかけ離れた家賃設定が提示されることがあります。
・相場:6〜7万円
・提示家賃:8万5,000円(家賃保証付き)

家賃保証のカラクリ

最初は保証されますが、実際には以下の構造です。
・高値売却で得た利益から赤字補填
・数年後に資金が尽きる
・サブリース会社が突然消える

⑤ 不自然に高額な修繕費請求

「この年数で、なぜこの修繕が必要なのか分からない」
そんな相談も多く寄せられます。
・相場より明らかに高い金額
・修繕の必要性が不明確
・明細が曖昧
家賃保証の赤字補填や、別会社への利益移転の可能性も否定できません。

⑥ 家賃が振り込まれなくなる

最初は順調に振り込まれていた家賃が、ある日突然止まります。

よくある言い訳
・システム変更で送金できない
・手続き上のミス
しかし、本当に支払う意思があれば銀行振込は可能です。

⑦ 連絡が取れなくなる

最初は言い訳をしながらも連絡が取れていたのに、
・電話が留守電になる
・折り返しが来ない
・メールの返信がない
徐々にフェードアウトしていきます。

⑧ 連絡は取れるが話が通じない

非常に厄介なのがこのケースです。
・電話には出る
・しかし説明が意味不明
・責任者が常に不在
意図的に「逃げていない状態」を作り、法的リスクを回避している可能性があります。

⑨ サブリース契約が解約できない

信じられないような契約書も存在します。
・解約条項がない
・半年分の家賃支払いが必要
・事実上の永久契約
契約書を読まずにサインすることの危険性がよく分かる例です。

⑩ 入居者トラブル|誰でも入れてしまう現実

サブリースでは、入居者選定はサブリース会社の裁量です。
・日本語が全く通じない
・連絡が取れない
・手紙を出しても反応なし
オーナーが直接コントロールできない点が、大きなリスクになります。

不動産投資は「知っているかどうか」で結果が決まる

ここまで紹介したトラブルは、決して珍しいものではありません。
そしてその多くは、
・契約前に確認していれば防げた
・第三者に相談していれば回避できた
というものばかりです。

なぜ不動産投資トラブルは後を絶たないのか

ここまで不動産投資における具体的なトラブル事例を見てきましたが、「なぜこれほどまでに同じような被害が繰り返されるのか」と疑問に思われた方も多いのではないでしょうか。
実は、不動産投資トラブルが多発する背景には、いくつか共通した構造的な問題があります。

営業トークと契約内容の乖離

最も大きな原因の一つが、営業時の説明と契約書の内容が一致していないことです。

営業段階では、
「家賃は下がりません」
「空室リスクはありません」
「将来も安定収入になります」

といった安心感を与える説明がされる一方で、実際の契約書を見ると、
・家賃減額条項がある
・免責事項が極端に多い
・サブリース解約が極めて困難

といった内容が平然と盛り込まれていることがあります。
しかし多くの方は「プロが言っているから大丈夫だろう」と考え、細かい契約内容まで精査しないまま署名・捺印してしまうのです。

不動産投資は「相談できる人」がいないと危険

もう一つの大きな要因は、不動産投資は孤独な意思決定になりやすいという点です。

株式投資や保険であれば、
・証券会社の担当者
・保険代理店
・FP(ファイナンシャルプランナー)
など、複数の視点から意見をもらえるケースが多いですが、不動産投資の場合、
・営業担当=売る側
・管理会社=業者側
・サブリース会社=利益相反
という構図になりやすく、本当に投資家側に立ったアドバイスをしてくれる人がいない状況が生まれがちです。

結果として、「誰にも相談できないまま契約してしまった」「違和感があったが聞ける人がいなかった」という声が後を絶ちません。

住宅ローンと不動産投資ローンの違いを理解していない

相談現場で特に多いのが、住宅ローン感覚で不動産投資を考えてしまうケースです。

住宅ローンは、
・自分が住むための不動産
・生活の基盤
であるのに対し、不動産投資ローンは、
・事業性ローンに近い
・銀行は「自己責任」を前提
・トラブルが起きても基本は自己解決
という性質を持っています。

この違いを理解しないまま、「住宅ローンが組めたから大丈夫」「銀行が貸してくれるなら安全」と判断してしまうと、後々大きなリスクを背負うことになります。

トラブルは「最初は小さな違和感」から始まる

今回紹介した10のトラブルも、ほとんどのケースで共通しているのが、最初は小さな違和感だったという点です。
・契約書の説明が曖昧
・質問してもはぐらかされる
・話がやたらと急かされる
・「今決めないと無くなる」と言われる
こうしたサインを見逃してしまうと、後から取り返しのつかない問題に発展していきます。

不動産投資において最も重要なのは、「疑うこと」ではなく、立ち止まって確認することです。

不動産投資で後悔しないために必要な視点

不動産投資を成功させるために、最低限押さえておきたいポイントは以下の通りです。
・契約書は必ず第三者にチェックしてもらう
・家賃相場は自分でも調べる
・「保証」「確実」という言葉を鵜呑みにしない
・出口(売却・解約)まで考えて判断する
これらを意識するだけでも、トラブルに巻き込まれる確率は大きく下げることができます。

まとめ

不動産投資は正しい知識と慎重な判断があれば有効な資産形成手段ですが、現実には数多くのトラブルが存在します。特に、家賃保証や高利回りといった甘い言葉の裏には、複雑で危険な仕組みが隠れていることも少なくありません。本記事で紹介した10の事例は、実際の相談現場で起きたリアルな話です。これから不動産投資を始める方も、すでに投資をして不安を感じている方も、「契約前に疑う」「一人で判断しない」ことが何より重要です。少しでも違和感を覚えたら、必ず専門家に相談するようにしてください。

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この記事を書いた専門家

茂木智子