競売と公売の違いとは?住宅ローン滞納・税金滞納で知っておきたい基礎知識と任意売却という選択肢
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競売と公売の違いとは?住宅ローンや税金を滞納したときに起きること
住宅ローンの返済が難しくなったり、税金の支払いが滞ってしまったりすると、「競売」や「公売」という言葉を耳にすることがあります。
この2つは言葉が似ているため同じものだと思われがちですが、実は手続きを行う主体や法律の仕組みが異なります。
この記事では、競売と公売の違いをわかりやすく解説するとともに、不動産を失うリスクがある場合に知っておきたい「任意売却」という方法についても詳しく解説します。住宅ローンや税金の支払いで悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
競売・公売とは?まずは基本的な仕組みを理解する
まずは「競売」や「公売」とはどのような手続きなのか、基本から見ていきましょう。
強制的に不動産を売却するための手続き
競売や公売とは、不動産を強制的に売却して債務の回収を行うための法的手続きです。
なぜこのような手続きが存在するのかというと、主に以下のようなケースがあるためです。
・住宅ローンの返済が滞っている
・固定資産税など税金の支払いが滞っている
本来であれば、借りたお金や税金は期限までに支払う必要があります。しかし、何らかの事情で支払いができない場合、債権者(回収する側)は回収の手段を取らなければなりません。
ただし、単純に「家を売ってください」とお願いしても、所有者が応じない場合もあります。
そのような場合に備えて、法律によって強制的に不動産を売却できる制度が設けられているのです。
これが競売や公売の仕組みです。
競売と公売の違い
では、競売と公売は具体的に何が違うのでしょうか。
結論から言うと、手続きを行う主体が違うだけです。
競売:銀行など金融機関が行う手続き
競売とは、主に金融機関(銀行など)が住宅ローンを回収するために行う手続きです。
例えば以下のようなケースです。
・住宅ローンの返済が長期間滞納している
・債務者と話し合いをしても解決しない
・不動産を売却して債権を回収する必要がある
このような場合、金融機関は裁判所に申し立てを行い、不動産を競売にかけることになります。
競売では、裁判所が手続きを進め、入札によって不動産が売却されます。
公売:市区町村など行政が行う手続き
一方、公売は市役所や区役所などの行政機関が税金を回収するために行う手続きです。
例えば次のようなケースです。
・固定資産税の滞納
・住民税の滞納
・国民健康保険料の滞納
税金は法律上、非常に強い回収権限が与えられています。
そのため、長期間滞納している場合、行政は不動産を差し押さえたうえで公売にかけることがあります。
つまり、まとめると次のようになります。
| 手続き | 実施する主体 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 競売 | 銀行・金融機関 | 住宅ローン滞納 |
| 公売 | 市役所・税務署など行政 | 税金滞納 |
法律の仕組みは異なりますが、「不動産を売却して滞納しているお金を回収する」という目的は同じです。
公売や競売の通知が来たらどうすればいい?
もし公売や競売に関する通知が届いた場合、多くの人が次のような不安を感じます。
・もう家は取り上げられてしまうのか
・何もできることはないのか
・すぐに退去しなければならないのか
しかし、実はまだできる対処法がある場合が多いのです。
その代表的な方法が「任意売却」です。
任意売却とは?競売・公売を回避する方法
任意売却とは、債権者と協議しながら自主的に不動産を売却する方法です。
競売や公売のように強制的に売却されるのではなく、通常の不動産売却に近い形で売却が行われます。
競売や公売と比較すると、任意売却には多くのメリットがあります。
任意売却のメリット
任意売却には主に次のようなメリットがあります。
相場に近い価格で売却できる
任意売却の最大のメリットは、市場価格に近い金額で売却できる可能性が高いことです。
競売や公売では、入札方式になるため価格が大きく下がることがあります。
一方、任意売却は通常の不動産と同じように市場で販売されるため、比較的高い価格で売れる可能性があります。
ただし、一般物件と完全に同じ価格になるとは限りません。
その理由は、任意売却の場合、次のような条件が付くことが多いためです。
・建物の保証が付かない
・売主が契約不適合責任を負えない
多くの任意売却物件は債務超過状態にあるため、売却後のトラブル対応が難しい場合があります。そのため、通常の物件より多少価格が下がることがあるのです。
一般の不動産市場で販売できる
任意売却物件は、通常の不動産と同じように販売されます。
例えば、
・不動産ポータルサイト
・不動産会社の販売ネットワーク
・一般の仲介市場
などで販売されます。
見た目では、任意売却物件かどうかはほとんど分かりません。
ただし、売買条件の中に
・建物保証なし
・契約不適合責任免責
どの条件があることで、任意売却物件であることが分かる場合があります。
引っ越し時期の調整ができる
任意売却では、引き渡し時期をある程度調整できるというメリットもあります。
通常の不動産売却と同様に、
・売主
・買主
の間で相談しながら、引き渡し日を決めることができます。
一方、競売や公売の場合は強制的な手続きになるため、所有者の都合はほとんど考慮されません。
落札者の都合に合わせて退去する必要があるケースもあります。
任意売却のデメリット
メリットが多い任意売却ですが、当然デメリットも存在します。
債権者の同意が必要
任意売却を行うには、債権者(金融機関など)の同意が必要です。
例えば次のようなケースを考えてみましょう。
・住宅ローン残高:5,000万円
・売却価格:3,000万円
この場合、売却してもローンが2,000万円残ります。
このような状態で勝手に売却することはできないため、事前に金融機関と交渉する必要があります。
任意売却では、不動産会社が債権者と調整を行いながら販売活動を進めます。
売却までの時間に制限がある
任意売却は、いつまでも販売できるわけではありません。
競売の手続きが進んでいる場合、
・入札開始日
・開札日
などのスケジュールが決まっています。
そのため、限られた期間の中で買主を見つける必要があります。
任意売却を扱える不動産会社が少ない
意外と知られていませんが、任意売却を専門的に扱える不動産会社は非常に少ないと言われています。
一般的な不動産会社でも「任意売却できます」と言うことはありますが、
・債権者との交渉
・法的手続き
・販売戦略
など、通常の売却とは異なる専門知識が必要です。
そのため、実務経験のある会社は限られているのが現状です。
競売・公売を避けるためには早めの相談が重要
住宅ローンや税金の滞納が続くと、最終的には競売や公売の手続きに進んでしまう可能性があります。
しかし、多くの場合は早めに行動することで選択肢を増やすことができます。
特に任意売却の場合は、競売が始まる前の方が有利に進められるケースが多いため、早めの相談が重要になります。
まとめ
競売と公売は言葉が似ているため混同されやすいですが、違いは「誰が手続きを行うか」です。
競売は銀行などの金融機関が住宅ローンを回収するために行う手続き、公売は市区町村など行政が税金を回収するために行う手続きです。どちらも不動産を強制的に売却する制度であり、所有者の意思とは関係なく進んでしまう可能性があります。
しかし、競売や公売の前段階であれば「任意売却」という方法を選べる場合があります。任意売却は一般市場で売却できるため、価格面や引っ越し時期などの面で柔軟に対応できる可能性があります。ただし、時間の制約や債権者の同意が必要になるため、早めの相談が重要です。住宅ローンや税金の支払いに不安がある場合は、一人で悩まず専門家に相談することが問題解決への第一歩となります。
この記事を書いた専門家

- 任意売却の専門家
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(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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