小金井市の任意売却成功しました
しかも、半ばやけっぱちの口調の男性。
こんにちは、任意売却の専門家、杉山善昭です。
今回は、残された時間が極端に少ない任意売却のお話をしますね。
このページの目次
リミットまで20日!緊迫した状況とは?
舞台は、東京都小金井市。
中央線東小金井駅南口から歩いて10分強の閑静な住宅地にある戸建住宅。
任意売却のご相談の電話は非常に緊迫していました。
それもそのはず、ご相談を受けたのはなんと公売期日の20日前。
「もう、ダメだと思うけど」不安な声は相談者さんの諦めにも似た悲痛な心。
相続して兄弟で分けた土地に建っている家に住んでいるが、ほぼ失業状態で収入がなく、みるみるお金が底をついたそうです。
生活費がなくなったので、やむなく税金を滞納していた所、小金井市役所から呼び出されたので相談しに行った所、分割納付を勧められた。
分割納付を約束したといっても、失業状態なのでその約束も守れずズルズルと時間だけが経過してしまい、納付しないことで役所からの再三の督促も対応するのが嫌になって放っておいたら、、、
いつの間にか不動産が差し押さえられていた。
このような状態でした。
更にお話しを伺うと、
・住宅ローンは無し
・公売の期日迄残り20日
という状態。
住宅ローンの残債がないという点では非常に良かったのですが、公売まで残り20日しかないのは致命的とも呼べる状況です。
何故なら、公売を止めるためには、未納金額の納付をしなければいけないからです。
今回は失業状態ですので、預貯金はまったくなく、借入するにしても収入がなければ借入することはできません。
しかも、不動産に差押がされている状況では借入もできません。
金融機関は税金滞納者にお金を貸しませんから。
税金滞納者にお金を貸さない理由
なぜ税金滞納者にお金を貸さないかと言うと、滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律という法律があり、例え借金の担保に取った土地でも借入時点(抵当権設定時点)で未納税金が発生していれば、その担保不動産を売却したお金は未納税金に充当される。という決まりがあるからです。
20日でお金を作るには?
お金を借りることができないのですから、家を売却するしかありません。
しかし、住んでいる家を売るということは、すなわちその家から引越しをし鍵を買主に渡す必要があります。
残り20日で買主を探し、売買契約を締結し、引越し先を見つけ、実際に引越をする。
この一連の手続きを20日で完了することは、正に芸当としか言えません。
普通は不可能です。
役所が行う「公売」とは?
ここで公売についての解説もしておいた方が良いと思います。
「公売」というのは、不動産を強制的に売却して納税させるために、役所が行う手続きです。
一定期間、買主の募集をして一番高い金額で申し込んだ人に売却されます。
但し、競売と同じで落札される金額は非常に安価になってしまう可能性があります。
もし安価に落札されてしまうと、最悪売却代金だけでは未納税金が完納できない可能性も。
実は不動産会社に相談をしていたのにダメだった!?
ご相談者は持っている不動産を売却する意思はあるようでしたが、ご近所の不動産会社に相談してもうまく行かなかったようです。
なぜダメだったのか私には想像することしかできませんが、おそらく小金井市役所に差し押さえられた不動産を売却することに不安を覚えていたのでしょう。
確かに、差押がなされた不動産は問題がややこしく、不慣れな不動産会社では手に負えなくても無理はありません。
緊急を要するご相談という事で、スケジュールを調整し、ご自宅へ急行して直接お話を伺うことにしました。
行ってみて分かったのですが、建物の維持管理は全くされておらず、良くないというよりもヒドイ状況です。
以前相談した不動産屋さんがダメだったのは、この影響もあるだろうな。。。
若干不安な気持ちを抱えながら、面談での個別相談を行いました。
任意売却相談の基本的な順番があります。
1.このまま何もしなかったらどうなるのか?
2.現時点でどのような選択肢があるのか?
3.どの方法なら家計が正常化するのか?
4.その方法を実現するためにはどのような障害があるのか?
5.実現する可能性がどの程度あるのか?
今回のケースでは、
・公売の期日迄に買主を見つけ、代金を支払ってもらわなければならない。
・代金を支払い日迄に引越しができない。
という制約の中で、実現可能な方法を見つける必要がありました。
時間的余裕がほとんどなく、更に一般的な売買条件を変える必要もあったのです。
(一般的な売買取引は、代金の支払いと明け渡しは同時に行います。)
急がなければいけません。
依頼者さんと方針を決め、早速動くことに。
しかし、買い手を探す活動をする前に、やる事があります。
不動産の調査です。
法律的な規制や、ライフライン、接面道路なです。
調査をすすめると、次々に不具合が見つかりました。
少々の問題が出る事はよくある話ですが、それにしても多い。
もちろん、その問題を解決する方法を考えるのは、専門家の私の役目。
経験が試されます。
時間がない中で最高の結果が!
結果的にこの事案。
公売期日の4日前に、公売取り下げする事に成功しました。
納税すると、スッキリします。
売主の引越は猶予するという条件付きで売買を成立させましたので、引越もゆっくりできた!と依頼者にも喜んでいただきました。時間がない中で、協力してくださった司法書士さんにもお礼を申し上げます。
この記事を書いた専門家
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(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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