任意売却プロとアマの違い

任意売却に限らず、一般的にプロとアマの違いは何か?
一言で言えば、アマは本業が別にありお金を稼くことを求めていない者です。

プロの最低条件とは、その業務をする事で、報酬を得る者です。
では、入社一年目の社員はプロと呼べるのか?

少なくとも未経験で入った一年目の社員はプロとは呼べません。
入社間もない社員は、業務を単独で履行する能力はないからです。

では、単独で業務を履行できればプロなのか?
私は違うと考えます。

依頼された業務だけ履行するのでは、ただの「手続き代行屋さん」です。

単なる手続き代行業務に、依頼者の意向を踏まえた上で依頼者の潜在ニーズ、考えられるリスクを想定した上で、依頼された業務に独自の価値を加えたプロデュースをする事ができる者がプロだと思います。

私自身、独立前に15年、独立してから12年売買業務に携わっています。
肌感覚や周りの同業者の状態から勘案すると、概ね10年程度の経験がないと、ストレスがない不動産取引ができないと感じます。

つまり、不動産業10年未満は全て、「プロ見習い」と言えます。
では、経験が10年あれば良いのか?

答えはNOです。

不動産業界では必須の宅建資格ですが、不動産業界に10年以上携わっていても未だ未取得の営業マンも存在しています。
実務のスキルを提供するには、資格という裏付けが必要です。

確かに宅建士は従業員5人に1人の割合で在籍すれば、法律に違反しません。
しかし、法律に違反するか否か?という事とプロとしての業務ができるかどうか?という点は根本的に違います。

価値ある不動産取引には、宅建士の資格が最低限必要です。
その資格すら取れない、取らない人は何十年やっていてもプロとは呼べません。

話が若干ずれましたが、不動産売買のプロになって初めて、任意売却業務の見習いになります。
不動産売買を知らずにいきなり任意売却をすると、ありえない段取りを計画してしまうことがよくあります。

任意売却という業務は不動産業界でも特殊です。
それ故、任意売却の実務を知らぬ不動産会社、宅建士が多く存在しています。

事実、日常業務においても、任意売却業務を知らぬ取引先から、素人レベルの質問が寄せられます。
そもそも、任意売却業務は、不動産の売買業務を分かっていないとできない業務です。

私の事務所にも、素人任意売却業者に依頼した被害者からの相談が枚挙に暇がない位、寄せらせます。
依頼者にとっては、交通事故にあうような不幸な事故です。

原因は大きく分けて二つ。
前述したような、売買業務を知らぬ不動産会社に依頼してしまったパターン。

もう一つは「お金に釣られた」パターン。
ありえないキャッシュバックや甘い条件を信じ、依頼した結果ハシゴを外される事。

最悪なのは、「騙された」と思った時点で時間的に手遅れになっている事が多いのです。
プロは依頼者をお金で釣るような事はしません。

医者が、治療費をキャッシュバックするでしょうか?

しません。

キャッシュバックを宣伝文句にする会社は、「キャッシュバックを売りにしないと仕事が来ない会社」だと自ら告白しているようなものです。
この時点でプロではないという事は明白。

「任意売却のアマチュア」にはぜひ気を付けていただきたいと思います。
この点については、非常に厳しい表現ですが、「依頼する専門家を選ぶ責任は、自己責任」としか言いようがありません。

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この記事を書いた専門家

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士杉山善昭任意売却の専門家
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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