離婚後の任意売却

近年の離婚率は本当に高いです。
芸能界でもオシドリ夫婦が離婚しているのをよく見聞きしますよね。

一年に結婚するカップルを3とすると離婚するカップルは1。
単純比較できませんが、その位高い割合で離婚する夫婦が存在するのです。

決して他人事ではありませんよね。

さて、任意売却の世界でも離婚とは無関係ではありません。

かなりの確率で任意売却をする際に離婚されています。
逆に言うと、任意売却しても離婚に至らないというのは、本当の意味で夫婦円満なのでしょう。

今回も、離婚が絡んだ不動産売却でした。

既に離婚は済んでいるものの、妻が引き続きその不動産に居住し続けている状態。
離婚をする際の条件を破った夫、破られた妻。

ご相談は、夫からでした。

離婚した妻が住み続けている不動産を売却したいと。

話を聞きすすめていくうちに、妻がその不動産に住んでいるのは極めて当然のことでしした。
どう考えても、妻を退去させる合理的な理由はありません。

守秘義務がありますので、ここでは詳しく書けませんが、100%夫の自己都合による要求です。
本来は、どんなに理不尽なことであっても、依頼者のリクエストにこたえるべきですが、私は違います。

人として、最低限のモラルを逸脱した仕事はやりたくありません。

この時、夫の話を聞いて、私は夫に「不動産について私が申し上げるこをとを理解できないなら依頼を受けない。」と言い切りました。

夫の都合で立ち退きをさせられる妻。
理不尽極まりない話です。

しかし、どんなに理不尽なことで、感情的に理解できなくても、感情は現実を超えることができません。

このケースでは、既に夫の返済がストップしていたので、妻が納得できてもできなくても、「競売による立ち退き」という理不尽な現実が待っていたからです。

私がしたのは、その受け入れがたい現実の中で、少しでも精神的に負担のない売却の仕方でした。

最初は聞く耳を持たなかった妻。
それはそうです。

受け入れがたい話をされ、感情的にも納得いかないのですから当然です。

私の話を聞いてくれるようになったのは、1か月が経過するあたりから。
といっても、私が説得したのではありません。

私は、現実を説明しただけです。
この先に起こりえる可能性のあること。その中で、できることできないこと。

一つ一つ説明しました。
最悪な状態から、取り得る最良の方法の提案を。
しかし、納得がいかないなら私が最良だと思う方法を選ばなくても良い事も。

私は、最良の方法を知っています。
しかし、当事者にとっては最良な方法がベストとは限らないのです。

感情という絡まった糸がある限り。

今回のケース。
結果、任意売却が成功しました。

不条理の中の条理。
最後に、どちらからも「ありがとう、杉山さんで良かった」という言葉をいただいたことをうれしく思います。

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この記事を書いた専門家

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士杉山善昭任意売却の専門家
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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