住宅ローン返済中に本人が自己破産。連帯保証人はどうなるのか
いつもご覧いただきありがとうございます。
アシスタントのあゆみです。
今回は、住宅ローンの連帯保証人について宅建士の杉山善昭先生に解説していただきます。
先生!よろしくお願いいたします。
はいこんにちは。
ご相談の現場では連帯保証人がついていること。
決して珍しいことではありません。
順番に解説していきますね。
このページの目次
ローンの借主が返済を遅らせたら連帯保証人には負債の支払い義務がある
せっかちなんで先に聞いちゃいますが、本人の返済が遅れると、連帯保証人が責任を取らなきゃいけないんですよね?
残念ながら、連帯保証人はその負債の全てを支払わなければいけません。
住宅ローンの借主が破たんした場合、自己破産をして処理をすることがあります。
自己破産をすれば、ほとんどの場合、負債は支払免責。つまり、それ以降支払をしなくてもよくなります。
では、借り入れ本人が破産して、借金が免責になった場合、連帯保証人はどうなるのでしょうか?
あゆみさんにクイズです。
借り入れ本人が破産して、借金が免責になった場合、連帯保証人はどうなる?
1,本人の債務が免責になっているので、連帯保証人の支払いもなくなる
2,本人に関係なく、連帯保証人は負債の支払い義務がある
うーん、、、
借金が免責になるって、借金が無くなるんですよね?
だとすると保証人はセーフ!
残念ながらはずれです。
本人が破産して免責を受けたとしても連帯保証人の責任は変わらないのです。
正解は、残念ながら・・・2です。
連帯保証人はその負債の全てを支払わなければいけません。
借入した人本人が破産し、免責を受けても借金がゼロになったのではありません。
「借金はあるけれど、免責を受けた本人は支払わなくても良い」というだけに過ぎません。
従って、連帯保証人はその借金を支払う義務が残ってしまうのです。
連帯保証人も自己破産をすれば負債を回避できる
連帯保証人も自己破産したらどうなるんですか?
連帯保証人自身が、自己破産をすれば、ほとんどの場合負債は免責されます。
「ほとんどの場合」と書きましたので、少し補足をしておきましょう。
自己破産しても免責にならない借金があるのです、例えば、ギャンブルや不法行為などです。
破産手続きをしても、免責決定という決定を受けないと、借金から解放されないのです。
連帯保証人が破産し、免責を受ければ保証人となった債務の支払いをする必要はなくなりますが、破産と共に自分の財産も無くなります。
連帯保証人も自己破産するよくあるケース
- 夫が債務者、妻が連帯保証人
- 親子ローン
- 子供の住宅ローンに親が連帯保証人
友達とかっていうパターンはないんですね。
事業用のローンの場合、友人が連帯保証人になっていることはありますが、
住宅ローンの場合にはまずありませんね。
保証人に迷惑をかけず住宅ローンを解決する方法
連帯保証人に逃げ道なしって感じですが、何か良い方法はありますか?
自己破産を回避できないのであれば借りた人の自宅を少しでも高く売ることがもっとも有効な手段です
本人が自己破産すれば、連帯保証人に負債がかかってきますので、その対応を考えなければいけません。
一番おススメな解決方法は、借りた本人の不動産を一円でも高く売るということです。
任意売却をして少しでも債務を減らすという方法ですが、他の記事でも説明しているように、一般の売却に比べて競売の募集価格は56%程度になってしまいます。
先生!
任意売却だと相場のどのくらいで売れるものなんですか?
一概に言えませんが、おおむね相場の90~95%程度で売却できることが多いです。
任意売却で不動産を手放すことは負債を減らすために有効な手段です。
任意売却で少しでも住宅を高く売りたいが、連帯保証人は住宅を売る権利がない
では、連帯保証人が本人の不動産を任意売却することができるのか?
残念ながら、連帯保証人が単独で任意売却をすることはできません。
必ず、所有者の同意が必要です。
不動産の処分権は、所有権を持っている人。つまり、所有者にしかないのです。
連帯保証人がいくら、要求しても、所有者が売却に同意しないと任意売却をすることはできません。
理不尽だとお感じになるでしょう。
私も同じ感情を持っていますが、法律でそう決まっているので、残念ながらどうしようもないのです。
その為、現在連帯保証人になっており、本人が返済を遅らせている情報が入った際は、可及的速やかに対応をすることが必要です。
人に迷惑をかけっぱなしで、何もしないって無責任ですよね!
人それぞれご事情があると思いますので無責任かどうかは一概に言えませんが、やはりできるだけ迷惑をかけないようにしたいものですよね。
自己破産した本人と話がつかない場合
所有者が勝手に安く不動産を売却した。
だから借金が残ったので払えと銀行から請求されたら。。。
困りますよね。
そう、所有者が勝手に安く売却してしまうと連帯保証人が困る事になるのです。
負債が残らないように売却する場合、連帯保証人の同意は不要ですが、負債が残るような売却をする場合、連帯保証人の同意が必ず必要です。
したがって、本人が勝手に安く売って負債だけが残るという事態は基本的にありません。
ただ、前述したとおり、極力本人と話をして任意で売却することが望ましいです。
もう一点、本人が自己破産の申請を行うと、ほとんどのケースで破産管財人が本人の財産を管理することになります。
この状態になると、本人と話をしても意味がなくなるので注意が必要です。
競売を避けるべき理由
前述したとおり、競売の募集価格はその多くが相場の56%です。
買う側に立ってみれば、競売は安く買えるかもしれない。と感じるかもしれませんが、逆の立場の売主にとって、安く売られてしまうのはできるだけ避けたいと思うのは自然です。
連帯保証人がらみのこじれた話も相談ください
杉山先生の事務所では、本人じゃない連帯保証人の人でも相談できるんですか?
はい、私の事務所では連帯保証人さんからのご相談も承っております。
お気軽にご相談ください。
この記事を書いた専門家
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(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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