多額の税金滞納!分割払いしても完納できない場合の対処法【不動産所有者向け記事】

「頑張って少しずつ払っているけれど、溜まっている税金、全然減らないなぁ」

そんな税金の悩みはありませんか?

こんにちは任意売却の専門家、杉山 善昭です。
私も若い頃、納税が遅れて延滞税で苦しんだ経験がありますので、払っても払っても税金が減らない辛さ。よく分かります。
今回は「未納税金の分割払い」「差押え」「完納できるか?」の三つについて解説したいと思います。

税金は溜まっているけれど完納がで切る見込みがある方はこちらのページをご覧ください。

未納税金の督促。役所から届いた封筒を見ただけでおおよそ何が入っているか簡単に想像ができてしまい開封する気力もうせてしまう。

実務でも私のクライアントさんで、「何通も届く納税通知書を見るうちに労働意欲がなくなり、うつ病になってしまった。」という方もいらっしゃいました。

税金を払っても減らない原因とは?

住民税(市県民税、都民税)、固定資産税、自動車税、健康保険税等、税金が払えなくて完納の見込みがない。という方の最大の原因は、延滞税という納税が遅れたことによるペナルティーです。

~延滞税の計算方法~

延滞税の計算方法

国税庁HP延滞税の計算方法

この図をご覧になった際に、「?」では延滞税の割合っていったいいくらなの?とお感じになりましたでしょうか?

同じ国税庁のページに記載がありますが、こちらでご案内しましょう。

平成26年1月1日以後の期間に対応する延滞税の割合 納期限(※)までの期間及び納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年「7.3%」と「特例基準割合+1%」のいずれか低い割合 納期限の翌日から2月を経過する日の翌日以後については、年「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合 特例基準割合とは、各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合をいいます。 なお、令和2年12月31日以前の延滞税の割合については、「延滞税の割合」でご確認ください。 ※納期限は次のとおりです。 ・期限内に申告された場合には法定納期限 ・期限後申告又は修正申告の場合には申告書を提出した日 ・更正・決定の場合には更正通知書を発した日から1月後の日

国税庁HP延滞税の計算方法

お読みいただくのが大変だと思いますが、要するに14.6%程度のペナルティーを科します。ということです。

一旦遅れてしまった税金を返済することは非常に困難になってしまうので「税金の滞納が多くて、完納が見込めない状態」は決して珍しいことではありません。

どの位、未納税金が貯まってしまうとリカバリーできないか?

では次に、どの程度溜まってしまうと、自力完納が困難になるのか?

私の経験上、100万円を超えると自力で解決できなくなる可能性が格段に上がります。
中には100万円以上未納税金がある状態で、「私は頑張って分割で納付している」というケースもあるでしょう。
その努力は素晴らしいと思いますが、残念ながら税金を分割で払っているからと言って安心はできません。

未納税金がいつ完納できるのかどうかが大切で、分割いをすることが重要ではないのです。

不動産と給料どちらが先に差押えられるのか?

給料か不動産か

役所によって変わるので一概にいえませんが、経験上、不動産が先に差押えられることが多いようです。
理由は推測になりますが、不動産の差し押さえは役所と納税者だけの問題で済みます。
しかし、給料の差し押さえは役所と納税者の他に、勤務先にも通知しなければなりません。
勤務先に通知すると納税者は会社に居づらくなって退職、無職になってしまうリスクも考えられます。
また、給料を差押えるとあっという間に住宅ローンが払えなくなり、破たんしてしまいます。

役所の肩を持つつもりはありませんが、給料よりも不動産を先に差押える理由は、なるべくソフトな方法。つまり温情からやっているのではないかと思えます。

但し、だからと言って、役所はいつまでも遅れたままでいることや、完納する見込みがないままズルズルと先に行くことを認めてはいません。

基本的に役所は、遅れている税金を年度内に完納できるように要求してきます。
また分割払いをするにしても1年以内に完納できるように求めます。

ここで注意が必要なのですが、分割払いしていても完納の見込みがないと役所が判断すれば、不動産であっても給料で会っても差押をしてくることです。

私は分割で話がついているから大丈夫のワナ

「私は分割払いで役所と話がついているから大丈夫」という方にお会いすることが多いです。

確かに、役所に行って分割の話ができれば、納税者として「話が付いた」と勘違いしても無理はないかもしれません。

しかし、分割払いは権利ではありませんので、前述した通り、完納できる見込みがなし。と判断されれば、例え分割払いをしている途中であっても容赦なく差押に着手します。

差押された方の実例

差押をすると、国税徴収法第54条に基づき「差押調書」が発行されます。
簡単に言えば、あなたの財産を差し押さえましたよという通知です。

誤解されやすいのですが、この差押調書の発行は、差押効力の発生要件ではありません。
従って、そんな通知を見たこともないという場合であっても、差押の効力は有効です。

実際に差し押さえられてしまった事例をこちらで確認することができます。

税金を払わずに逃げ切れるのか?

では次に「なんとか税金を払わずに逃げ切ることができるのか?」について解説していきたいと思います。

実は税金にも時効というものがあります。
5年間払わないと、未納税金は時効となり、支払いを拒むことができます。

「じゃあ、5年間のらりくらり逃げてみようか」

そんな思いが浮かぶかもしれません。

実は、役所も時効のことは百も承知。
時効を中断させるための対応策を打ってくるのです。

時効を成立させないための方策。その内の一つが「差押え」なのです。

差押は、未納の税金の取り立て手段というイメージがあると思いますが、実は時効を中断させる意味もあるのです。
前述した通り、差押えは主に不動産や給料です。
その他、電話加入権、生命保険の満期返戻金、車等があります。

なぜ、役所が勤務先を知っているかと言うと、勤務先の会社は個人から源泉税、住民税を徴収して納税者本人に代わって納付しています。
この情報が役所に筒抜けなのです。

その為、あなたが役所に勤務先を知らせなくても役所はあなたの勤務先を把握しています。
尚、差押えは換金価値のあるものも対象になります。

実際、yahoo公売オークションでは、時計やアクセサリーなど多岐に渡る公売に出品がされています。

yahoo官公庁オークション

出典:yahoo官公庁オークション

延滞税を免除してもらう方法はあるのか?

実は以前、延滞税を負けてくれる事がよくあったので、納税が遅れてもリカバリーしやすかったのです。
「昔、延滞税を負けてもらった」という方。結構いらっしゃると思います。
筆者も延滞税を負けてもらったことがあります。

しかし、時代は変わり、行政の対応は大変厳しくなり、現在では税金の延滞税を負けてもらう期待はできません。

【行政が延滞税を免除しない理由】

  • そもそも不動産という資産を持っている
  • 担当者の裁量で延滞税の徴収に差が出るのは不公平
  • 債務者等の交渉能力で延滞税の徴収に差が出るのは不公平
  • 納税者に隠れた資産があるかもしれない
  • 延滞税を免除する理由がない

このような理由から「延滞税は免除しない」という方針に変わってしまいました。
市役所はその不動産を売却した時にいくらで売れるか?今いくら負債が残っているか把握していません。
従って、実際に売れば赤字になる不動産であっても、売れば未納税金を払えるかもしれない。と考えているのです。

一番大きな理由としては、延滞税を簡単に負けてしまうと滞納者が増加してしまうから。だと私は感じています。
期限内に納付している人と、延滞している人で同じ納税額では非常に不公平になります。
私の同級生で今、県庁に勤務している友人の話。

公表されてはいませんが役所には納税目標という数値があるそうです。
その為、厳しく延滞税を取り立てることで、延滞者の納税を促進しているのでしょう。

税金督促の例外

先ほど、延滞税は免除されないという話を書きましたが、もちろん「例外」はあります。

災害などで納税が困難になった場合における納税猶予が認められた場合に延滞税の課税免除というものです。

国税庁「延滞税免除ができる場合の事実認定について-国税通則法63条6項4号を中心として」というページに記載がありますのでご覧ください。

延滞金に延滞金はつくのか?

延滞税が付くと雪だるま式に延滞税にも延滞税が付いてしまう。と思っている方が多いですが、それは間違いです。

本税と延滞税

よくあるご質問ですが、延滞金は「本税」にしか付きません。
従って延滞金に延滞金は付かないということになります。
未納の税金を分割で払う際のコツとして、「本税優先で納税します」という宣言をすると良いでしょう。
未納の税金の納付の順番は、本税が優先、本税を納付し終わったら延滞税という順番が鉄則です。

競売、自己破産したら税金も払わなくて済む?

住宅ローンが遅れて公売や競売になり、借金が残ってしまった場合、自己破産という手続きで借金をゼロにすることができますが、例え自己破産をしても延滞している税金はそのままです。
競売の場合、売却された代金は誰に分配されるのでしょうか?
税金?それとも銀行?
滞調法という法律があり、それに基づいています。
ここでは概略を説明しましょう。

住宅ローンの借入をする際に不動産に抵当権と言う権利を登記します。
この抵当権の登記をした日以前から発生(納期限が到来していた)していた税金に関しては税金に優先権があります。
逆の場合は、住宅ローンに優先権があります。

少し分かり辛いと思いますので、例を挙げて具体的に記載してみます。

一般的には住宅を購入する時には未納税金がないはずです。

何故なら、銀行は未納の税金があると融資を承認しないからです。

住宅ローン借り入れ後に発生した未納税金がある場合、前述した通り、住宅ローンの返済が優先されます。
従って多くの場合、未納となっている税金の支払いまで、売却代金が回りません。
競売になっても「税金」という負の財産が残ってしまうのです。

税金が払えない場合、結局どうすれば良いのか?

税金が払えない場合に一番やってはいけないことは、安易な分割納税です。

少々厳しい表現で恐縮ですが、問題の本質から目を背けて、分割払いなら何とかなるだろうという思考は、単に問題を塩漬けにするだけで全く意味がありません。
非常にやっかいな「税金」ですが、任意売却の場合は溜まっている税金を払うことができる可能性があります。

税金の滞納が多くて、1年以内に完納の見込みがない場合、一日でも早く不動産を任意売却するのがベストな解決方法です。

株の世界に「見切り千両」という言葉があります。
文字通り、見切ることは千両に値する。という格言で税金の延滞においても、一日も早く見切って、一円でも延滞税を安くすることが必要です。
10%近くの金利で借金することがいかに現実離れしているかということは言うまでもありませんが、税金を延滞させているのはお金を10%の金利で借りているのと同じです。
返せる道理がありません。

溜まっている税金さえなくなれば家計のやりくりができるという方は家を手放しても引っ越さずに済む場合は、売却後賃貸という任意売却方法。

住宅ローンの支払いが厳しくて税金の遅れが出てしまっている場合は未納税金を減らすことが可能になる、単純売却という任意売却方法があります。

この他にも任意売却の種類はあり、私たちは、税金の滞納でお困りの方に、最適な解決方法をアドバイスしています。

この記事を書いた専門家

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士杉山善昭任意売却の専門家
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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