税金の滞納が多くて、完納の見込みがある場合の対処法

固定資産税に健康保険、住民税、毎年5月は税金の支払いで憂鬱な季節ですよね。
「なんでこんなに多くの税金を払うんだ・・・」あなたもそうお感じではありませんか?
悩む夫婦

こんにちは任意売却の専門家、杉山 善昭です。

一般的な会社にお勤めの方は、お給料から住民税や健康保険が控除されますから「税金の滞納」というと固定資産税のことしか頭に浮かばないと思います。

しかし、自営業の方は、固定資産税に健康保険、住民税などの税金が丸ごと全部、自己負担ですから更に大変です。
サラリーマンのように会社が半分負担してくれる。という非常に恵まれた環境にないからです。

さて、税金を払わなくてもブラックリストには載りません。
その為、住宅ローンやクレジットカードの返済が厳しくなると税金の支払いを止めて、やりくりすることは自然の流れです。

もっとも、新規の借り入れをしようとすると、銀行は「納税証明」を要求しますので未納の税金があることは、簡単に分かってしまいますが。。。

モルヒネと同じで副作用が重たいのが税金の滞納です。
延滞した税金をリカバリーすることが、どれだけ大変なことかお分かりいただけたと思います。

未納になっている税金を払う見込みがある方は、一日でも早く完納できるように是非がんばっていただきたいと思いますが、未納税金の分割納付について、重要な事を説明します。


役所が考える「分割納付」と納税者が考える「分割納付」には差があることが多い。という点です。

実際に事例を挙げて考えていきましょう。
年間の固定資産税が15万円
健康保険が 40万円
住民税が 30万円としましょう。
年間の負担額は85万円です。

細かい計算は抜きで考えて、税金の納付期限は年度末とした場合を考えてみますね。

丸二年滞納してから毎月4万円(その年にかかる本税を含めて)ずつ払った場合。
3年目から5年目までの3年間、払った税金は毎月4万円×36回で144万円

5年目の年度末の未納本税と延滞金の合計は約287万円です。
次の月は85万円の納期が来るので、約372万円が残高ということになります。

がんばって、144万円払った結果残高は202万円増えてしまうのです。
毎月4万円づつ払っても完納できないことが分かると思います。

一年の納税が85万円に対し、月額4万円。
つまり年額48万円しか払っていないので、残高が増える一方なのです。

納税者は、毎月4万円づつ分割納付をしていると考えていますが、役所は毎月4万円の納付は分割納付している内に入らない。と考えいるのです。


理由は明確です。

完納できない分割納付は分割納付と呼ばない。からです。

厳しい話で恐縮ですが、私の考えではありません。役所の考えです。念のため。

5年目の末で未納を解消するためには毎月10万円以上納付していく必要がありますがそもそも、毎月約7万円(年間85万円)の納税が困難になったので滞納が始まったわけですから、それを更に上回る10万円を毎月払うのは困難を極めるのではないでしょうか?

税金は自己破産をしても無くなりませんし、本人がお亡くなりになっても妻やお子様へ相続します。

「本当に完納が実現するのか?」
今一度検討してみることをおすすめいたします。
「自分では計算できない。」という方は、弁護士、税理士などエキスパートが揃っている私たち「住宅ローン緊急相談室」まで遠慮なく連絡をください。

もし完納が困難であれば、元を断ち切らないと解決しません。
社会保険のある会社に転職するということも、ひとつの解決方法ですが、「固定資産税をなくす」という対処法も重要です。

固定資産税を無くす=不動産を手放すということになりますが、住宅ローンを全額払わなくても不動産が売却できる特別な方法である「任意売却」の仕組みの中では、家を手放しても引っ越さずに済む方法があります。

任意売却後賃貸という記事で詳しくご説明しています。

役所が考える未納税金の完納の定義についても触れておきます。
●年度末までに、未納税金がなくなること
これだけです。

理由は簡単です。
新年度になれば、また新しい税金が発生するからです。

1年分の税金が払えない状態で、新し税金が払えるはずがない。と役所は考えています。

実際、その通りなのです。
1年間税金が払えない翌年には2倍の税金を払う事になります。

1年分払えないのに2年分払えるはずもありません。

計算機を使う必要もない話です。

そう書くと、「いや去年は、たまたまケガをしてしまって。。。」という方がいらっしゃいます。

しかし、残念ながらそれは納税できないキッカケであって原因ではありません。

では原因は何か?

「お金が貯まる生活ができていなかった」ということです。

生きている間、病気もケガもしない保証はどこにもありません。

リスクがある以上、何かしらのアクシデントが発生した時に困らないように、普段の生活で貯蓄ができる生活をする。
これが正常な生活です。

入ってきたお金が全部出て行ってしまう生活は、正常な生活とは呼べません。

病気やケガをしたから税金や住宅ローンが払えなくなったのではなく、普段の生活で貯蓄ができていなかったから税金や住宅ローンが払えなくなったのです。

話を元に戻しましょう。

役所に分割納付を申し出る際には、年度末までに未納税金を完納する計画を立ててください。
銀行も同様です。

不動産に差押が付いたことを銀行が知れば、「残っているローンを一括で返済してください」というカードをいつでも切ることができます。

この時に、銀行に分割納付をしていることを説明すれば、一括返済の要求をしてくる可能性は低くなりますが、完納できる計画でないと銀行も納得しませんし、できません。

また市役所や税務署などの役所は、完納の見込みがない納税者から未納税金を回収する為に、給料や売上金の差し押さえをすることができます。

国税徴収法(差押の要件)
第四十七条 次の各号の一に該当するときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押えなければならない。
一 滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないとき。
二 納税者が国税通則法第三十七条第一項各号(督促)に掲げる国税をその納期限(繰上請求がされた国税については、当該請求に係る期限)までに完納しないとき。
2 国税の納期限後前項第一号に規定する十日を経過した日までに、督促を受けた滞納者につき国税通則法第三十八条第一項各号(繰上請求)の一に該当する事実が生じたときは、徴収職員は、直ちにその財産を差し押えることができる。
3 第二次納税義務者又は保証人について第一項の規定を適用する場合には、同項中「督促状」とあるのは、「納付催告書」とする。

ポイントは差押をすることができる。ではなく、差押えをしなければならない。という点です。

年度末までに完納できない方はこちらの記事をご覧下さい。