連帯保証人の立場での任意売却

連帯保証人の立場での任意売却

住宅ローンの連帯保証人になってしまってお困りではありませんか?
このページでは、連帯保証人になっている方が、住宅ローン延滞との関係と、どう付き合えば良いのか?について記載されています。

理不尽な連帯保証人という立ち位置

「実は〇〇さんの住宅ローンの返済が遅れているのです」という突然の電話。
電話の相手は、住宅ローンの借り入れをしている銀行の担当者。
口調は、穏やかであるものの、極めて事務的でアリの通るスキ間もない。

自分は、住宅ローンにノータッチであることや、借りた本人は普通に働いているので、何かの間違いだと主張するも、「既に3か月遅れているのです」と相手は言う。
自分に非がないことを、一所懸命説明するも、「このままですと、連帯保証人様にお支払いしていただくことになります」の一点張り。
まったく、話にならない。。。

日本の悪しきシステム。「連帯保証人」。
ご苦労なさっている方が、本当にたくさんいらっしゃいます。

肌感覚ですが、当事務所にご相談にお見えになる方の3分の1くらいは、連帯保証人が付いているご相談。

自分が借りたお金でもないお金であるにも係らず、容赦なく取り立てられます。
借りた本人は、ローンが払えないのは自業自得ですが、連帯保証人がこのように冷酷な取り立てに合うのは、非常に理不尽です。

しかし、法律は法律。
残念ながら、理不尽だからといって、形勢は何ら変わりません。

悩んでいる内に時間が過ぎてゆきます。
住宅ローンの延滞が発生し始めた時は、当然、「遅れた分を返済せよ」という督促が届きます。
但し、延滞が長期間にわたる場合や、一定回数を超えると、遅れた分だけではなく、今残っている残額全額の返済要求がなされます。

これを、期限の利益の喪失といい、簡単に言うと、分割払いできる権利がなくなった。という事になります。
最終的に

・借金残額を一括して払う
・競売にかけられる
・任意売却する

という三つの方法の内どれかを選択する必要が生じます。

銀行が勝手に家を売ってくれる!?

銀行員は言います。
「このままだと、競売で家を強制的に処分することになります」
この言葉を聞いて、「おぉ!本人の承諾がなくても銀行が家を売ってくれるのか!売れれば借金も返せるかも!」と一瞬、光が差したように感じます。

本人と話しをして、家を売って借金を返すことを説得しなくても済むからです。
出来れば、波風を立てたくないと思っていたので、ほっとします。

しかし、その安堵。
実は、幻だったとすぐに気が付くのです。

競売で売りに出される際に、基準となる価格を聞いてびっくり。
なんと、売却される不動産の募集価格は、市場価格の約半値。

そんな、安い金額でタタキ売られたら、借金が払えないじゃないか!

「いくらで売れるかは私の管轄外ですから」
目を細めながら、冷たく吐き捨てるようにつぶやく銀行員。

「借金が残ったら、もちろんその分は連帯保証人さんであるあなたにお支払いしていただきます。
もし、できないとなると。。。」

「と?」

「法的手段に則って、回収させていただくことになります」

法的手段というのは、給料の差押や、所有している財産の差押を指すことだと、後で知るのです。

連帯保証人が任意売却できるか?

メチャクチャ

「これは大変だ!何とかしないと、自分の人生がメチャクチャになってしまう!」

1円でも高く、売却して、何とか残る借金をゼロに、、、いや少しでも減るようにしなければ。

ほうぼう探し、任意売却をすれば、市場価格に近い金額で売却できることをネットで知る。
「こ、これだ!これなら何とかなるかもしれない!」

早速、銀行に任意売却売却を相談してみる。
しかし、答えは絶望的なものだった。。。

「連帯保証人は任意売却をすることができません。所有者の方の承諾が必要です。」

そう、借金を払う羽目になった連帯保証人であるにもかかわらず、自分で任意売却をすることもできないのです。
任意売却をするためには、所有者の同意を得て進める必要があります。
連帯保証人の一存では、どうすることもできないのです。

所有者がまさかの塩対応

さてこの連帯保証人、慌てて、所有者の所へ向かいます。
もちろん、任意売却の了承を得るために。

ところが、交渉は決裂。
理由。

それは、「所有者を責め立てしまったから」

「何故こうなる前に、一言の連絡もなかったのか?」
「所有者が住宅ローンを払わないせいで、どれだけ迷惑をかけていると思っているのか?」
「もし、借金が残ったら責任をどうとるのか?」

悪いのは重々分かっていた所有者だったが、連帯保証人があまりにも所有者を責め立ててしまったので、所有者も我慢の限度を超えてしまったのだ。

どうすれば良かったのか

当事務所には、この事例のように、どうしようもなくなってから、ご相談にお見えになる方がたくさんいらしゃいます。

連帯保証人も所有者も、人生初めての経験で、半ばパニックの状態で、動いてしまったことが、こじれてしまった原因なのです。
こういった非常事態であればあるからこそ、落ち着いた対応が必要です。

私たち専門家は、このようなご相談を受けた際、まずは状況の把握をします。

不動産の状況の把握はもちろん、所有者が置かれている状況、連帯保証人が置かれている状況。
最高の解決方法、最悪な結末。
複数のパターンを想定して、どの方法を取ったらよいのか立案するのです。

連帯保証人になってしまってお困りでしたらご相談くださいね。

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この記事を書いた専門家

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士杉山善昭任意売却の専門家
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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