要保護世帯向け不動産担保型生活資金借入と不動産売却

不動産担保型生活資金

要保護世帯向け不動産担保型生活資金とは?

ローンが残っていない居住用不動産を所有する、高齢者世帯に対して貸付を行う「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」
平成19年度の創設時には「要保護世帯向け長期生活支援資金」と呼ばれていました。

この融資制度は、一定以上の資産価値のある65歳以上の不動産所有者が、この制度を使わなければ生活保護を受けることになると認められた場合に利用することができます。

といってももちろん無制限に借り入れをすることはできません。
不動産の評価額の50~70%程度借入が上限となります。

金利は3%又は4月1日時点での長期プライムレートのいずれか低い方となっていて、この記事を書いている時点では長プラが0.95%となります。
借入限度額は1月当たりの生活保護の生活扶助基準額の1.5倍から収入充当額を差し引いた額となります。

また、借入できる条件として、「借入世帯が市町村税の非課税世帯または均等割課税世帯程度の低所得世帯であること。」という要件もあります。

2007年より、持ち家で生活保護を申請する場合、生活保護を受給する前に要保護世帯向け不動産担保型生活資金を利用することが必須になりました。
「生活保護を受給して維持管理した不動産を、将来相続人が相続することはおかしい」というのがその理由です。

確かに、何の支援もしていなかった子供や兄弟が、国の補助で維持管理した不動産を相続するのは不公平でしかない。という理屈は筋が通っています。

さて、この融資いわゆるリバースモーゲージと呼ばれるものです。
本人の死亡と同時に返済をするものです。

不動産担保型生活資金利用の問題点

「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」は前述した通り、借入金額の上限は評価の70%程度です。
従って、不動産担保型生活資金を借入して生活するよりも、不動産自体を売却した方が手にするお金が増える可能性が高くなります。

つまり、この制度を使うと本来使えるはずのお金が減ってしまうという事になります。
もちろん、自宅を売却した場合どこか別の場所に住む必要がありますので、単純に比較はできません。

感覚で考えるのではなく、実際の金額を算出し比較することが良いです。

検討は中長期的に

この制度は65歳以上ですから、高齢者が利用する制度です。
従って、制度を利用した5年、10年後どうなっているか?も検討する必要があります。

認知症になるリスクもありますし、自宅ではなく介護施設に入る可能性も十分あります。
また、建物は年々劣化して評価が下がってくるという要因もあります。

認知症になると不動産の売却、特に自宅を売却をすることは簡単ではないので、目先の事だけで判断するのは避けたい所です。

動産担保型生活資金利用をしている不動産の売却

不動産担保型生活資金利用不動産の売却
不動産担保型生活資金の利用にあたっては、根抵当権は必須で自治体によっては代物弁済予約という登記までする為、「担保に入っているから売れない」と思い込んでいる方も多いと思います。

しかし、担保は担保にしか過ぎません。
売却することはできます。

但し、売却時に借入金を返済する必要があるという点には注意が必要です。

所有者が恒例で認知症になってしまっているという場合、原則自宅である不動産を売却することはできません。
しかし、「自宅を売却しないと生活が破たんしてしまう」という特殊事情がある場合、裁判所の許可を得て不動産を売却することができます。

この記事を書いた専門家

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士杉山善昭任意売却の専門家
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演、
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