【実録】家賃保証会社が家賃を滞納!そんな時どうすれば良いか?

保証された家賃が入らない
あゆみ

こんにちはアシスタントのあゆみです。
今回は「家賃が保証されているのに支払われない」のお話しということですが
杉山先生!
そんなことなんてあるのでしょうか?

杉山先生

「家賃保証がついていれば安全」なんて言われていますが、実はそうではない事があります。
今回は安全そうに見えて危険な不動産投資だった事例使って解説しますね。

今回は家賃保証会社(サブリース会社)が家賃の支払いが停まってしまって、不動産投資が失敗した話です。

家賃保証をしているサブリース会社が家賃を遅らせている。
そんな状態の時にどうすればいいのかというテーマでお話をしていきたいと思います。

あゆみ

空室でも満室保証っていうのを見たことがあるのですが、
そういう投資だったら大丈夫ではないのでしょうか?

杉山先生

満室保証というよりも家賃保証だと思いますが、結構危ういものがあるので注意です。
順番に解説していきますね。

不動産投資を安全に見せかける「家賃保証」

不動産投資をします。その時にやっぱり心配になるのが、本当に家賃が入ってくるのか?ではないでしょうか?
それを解決するのが家賃保証です。
いわゆるサブリース。

あゆみ

住んでいる人が見つからなくても家賃を払ってくれるなんて
とっても良心的じゃないですか!

杉山先生

そうですね。
普通に見れば入居者がいない状態でも家賃を払ってくれる仕組みは、「安心感」がありますよね。

その賃貸物件を借りてくれる入居者がいなくても、不動産屋さんが大家さんに家賃を払っていく。
「家賃保証付けるからこの不動産投資は安全なんです」といった、幻みたいなセールストークを使って、不動産投資家に仕立てる悪質なセールスがそこかしこで散見されています。

不動産購入後2~3年で滞る家賃

順調に家賃が入っている状態が2~3年続いた後、突然家賃の入金が無くなる。といったケースが報告されています。


この時に一般的な方がどうするか?
とりあえず不動産会社の担当者に連絡を取るというのがやっぱり一般的に多いです。

あゆみ

約束の家賃が入らないのなら、不動産屋さんに連絡するのって普通ですよね?

杉山先生

誰でもそうしますよね?
「どうなっているの?」って聞くのが普通だと私も思います。

家賃が遅れてると指摘するとどうなる?

では次に、家賃が遅れていることを不動産会社に連絡した際に予想される対応をご紹介しましょう。

普通の不動産会社で、本当に失念していたのなら、「あぁ!すみません!送金漏れです。直ぐに振込ますね!」という回答が返ってきます。

そうではなく、こんな回答が返ってきたら要注意。というよりも相当危ないです。

  • ちょっとあの~入居者がいなくてちょっと資金繰りが大変で。。。
  • 経理の担当が変わって処理が遅れていて、、、いつ振込ができるか検討します
  • システム上のトラブルで今復旧中で、、、
  • 委託会社からの入金がなくて・・・
  • 来月には払います
  • 会社が統合手続き中で・・・
あゆみ

何だか素人目から見ても、「えっ!なんで?」って感じちゃいますね

杉山先生

ですよね。
共通項は「よく分からない理由」と「いつ家賃を払うのかハッキリしない」という事です。

ちなみに、サブリース会社を相手の都合で会社が統合するとか、事業譲渡するというのは相手方が勝手にして良い事ではありません。

その時にあなたが「分わかりました」と言った瞬間、あなたが認めたと取られかねないのでこの点は注意をしてください。

このサブリース会社を変えます、事業譲渡しますと行った場合にはどういう対応をすればいいかとは別の会で説明したいと思います。

今回は、サブリース会社の支払ってくるべき家賃が遅れ出した時にどうすればいいのかというところだけお話をしていきます。

家賃が遅れた際によくあるオファーとは?

家賃が遅れると大体のらりくらりと逃げ回るパターンが多いです。
何だかんだ理由をつけて、例えば経理が辞めちゃってしまってとか、社員が持ち逃げしちゃったとか。

●月の家賃から減額になります。というような一方的な通告をすることも良く見られます。

家賃の減額は一方的に宣言するようなものではありませんので、断固反対という立ち位置を貫くのが正解なのですが、中には「担当者が気の毒」とか「会社が倒産すると家賃保証が無くなってしまう」といった良心を利用した交渉をしてくるケースも良く見られました。

あゆみ

一方的に家賃って下げることってできるんですか?

杉山先生

もちろんできません。
しかし、家賃が入らないと返済が出来なくなってしまう。という恐怖心から冷静な判断が出来ずにウッカリ承諾してしまう人も多くいるのです。

サブリース会社から家賃の延滞や減額の要求をされた際に一番やってはいけない事をお伝えしますね。

それは、、、

家賃が支払われない時にやってはいけないこととは?

不動産投資で騙されてしまう人の多くは、「人柄の良い人」です。
営業マンから「こうなのです。実はこうなのです。」みたいなこと言われたらちょっとおかしいなと思っていても、
「ああそうですか、じゃあ仕方ありませんね」みたいな。

人としては正しいのかもしれませんが注意が必要です。

相手の業者不動産業者。
断定的に申し上げることができませんが、高いサブリースを餌に高い物件を売りつけて、逃げてしまおうというような思考を持っている不動産会社が存在します。
信じるべきでない相手のペースに乗っかって進んでいくと、泥沼にはまっていきます。

継続不可能な不動産投資の裏側を大暴露

さて、対策の話をする前に、そもそもなぜこのようなおかしな不動産投資となってしまうのか?
この点をしっていただいた方が良いと思いますので解説していきます。

あゆみ

確かに、、、
高いサブリースを餌に高い物件を売りつけてという所がいまいちピンとこないんですが、、、

杉山先生

そうですよね^^
では基本的な事からお聞きしましょう。
値段が高い不動産を買った場合、求める家賃は
1、高い家賃
2、安い家賃
どちらを望みますか?

あゆみ

もちろん1の高い家賃です!!

杉山先生

そうですよね。
では、視点を代えましょう。
販売する立場に立って、高い値段で売るために必要なのは
1、高い家賃
2、低い家賃
どちらの方がその物件が売りやすい(セールス)しやすいでしょうか?

あゆみ

うーん、、、
高い不動産で安い家賃なら売りにくいから、1の高い家賃で合ってますか?

杉山先生

大正解です!
だから、なるべく高く売るために、通常では無理な家賃保証を付ける営業手法が蔓延っているのです。
つまりこういう事です。

通常の不動産投資
異常な不動産投資
あゆみ

なるほど!絵で見ると分かりやすいですね。
高く売りたいから、高い家賃にするんですね!

杉山先生

その通りです!

相場よりも高い家賃設定をする理由。それは高く売りたいからに他なりません。

いくら書類上数字を23万円に増やしても不動産には「相場」というものがあります。
17万円の不動産は17万円でしか貸せないのです。

話がややこしくなってきたので整理してみましょう。下図のような状態になります。

ありえないサブリース
あゆみ

先生!
23万円で保証しているのに17万円で貸すって毎月6万円赤字じゃないですか!

杉山先生

そうです。
この図の場合、不動産会社は毎月6万円赤字になります。

この毎月の赤字6万円はどこから捻出するのでしょうか?
実は、売却した時に得た「過剰な利益」の中から捻出するのです。

過剰な利益から赤字補てん
あゆみ

儲け過ぎたから少しづつ返していくって感じですか?

杉山先生

そんな良心的な話ではありません。
詐欺的販売手法をしていることが発覚することを恐れているだけです。

言うまでもなく、過剰な利益から毎月6万円の赤字を埋めて行けば、いつかは枯渇してしまいます。
その為、2~3年程度は毎月6万円の赤字を覚悟で継続賃貸します。

2~3年経過した時点で、家賃保証をストップして逃げるのです。

家賃がストップしたらやること

一刻も早く家賃ストップ状態から抜け出したいですよね。
この章では家賃保証会(サブリース会社)からの家賃がストップした場合の具体的対応策について解説します。

家賃が遅れたら大家としてやることリスト

担当者ではなく経営者と話をすること

不動産投資を扱う不動産会社の営業マンですが、フルコミッションの営業マンが珍しくありません。
フルコミッションの営業マンの多くは、自由出勤です。
つまり、会社に連絡してもほぼいない。という状態です。
会社にほぼいないのですから、上席や経営者との関係が非常に薄い関係であることが多く、あなたからのクレームがまともに報告されていないことも珍しくありません。

必ず経営者と話をしましょう。

不動産会社が嫌がる直接請求

家賃保証会社が一番嫌がるのが「大家から入居者に直接請求されること」です。
大家から入居者に請求が行けば、入居者からのクレーム対応もしなければならないからです。

但し入居者に直接請求できる金額は、

あゆみ

入居している人に直接請求なんてできるんですか?

杉山先生

民法613 条1 項に規定があって、大家さんは又借りしている入居者に直接請求することができるのです。

ただし、所有者である賃貸人が、入居者に請求できる家賃は、自分が貸している家賃と、入居者が借りている家賃の安い方しか請求することはできません。

入居者が誰か確認すること

前述した家賃を直接入居者に請求することになった場合、入居者が誰なのか?分からないと請求のしようがありません。
そのため、現時点で誰が入居し不動産を使っているのか?を確認することが必要です。
家賃の督促をする際に併せて確認しておきましょう。

賃貸借契約の決まりに従い解約

家賃を遅らせるなんて、もう信用ならない。という感情が湧いてくるのは自然なことですが、だからと言って気分で賃貸借契約を解除することはできません。

契約ごとですからどういった状態になれば解約ができるか?
一般の契約書なら解約についての条文記載があります。

もし、賃貸借契約書に記載がない場合、過去の判例等から「契約解除を要求できる延滞期間」を推測することになりますが、概ね3か月程度の家賃滞納で大家からの解約が認められているようです。

まとめ

家賃保証会社からの家賃が滞った際は、怒りややさしさといった感情的な要素を排除して粛々と手続きをしていくことが望ましいです。

この時に目指すべき所は、一刻も早く正常な状態に戻すということです。
自分が貸している家賃よりも、また貸し家賃の方が低い場合はその家賃でも今後の支払いが可能かどうか判断をする必要があります。

継続支払が厳しいことが分かれば任意売却で手放すことも視野に入れ、継続支払に問題がなければ入居者との直接契約に切り替えるといった対応をすることになります。

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この記事を書いた専門家

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士杉山善昭任意売却の専門家
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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