地目が農地になっている不動産の任意売却

こんにちは任意売却の専門家、杉山 善昭です。
今回は地目が農地になっている不動産の任意売却について解説したいと思います。
意外にお感じになるかもしれませんが、不動産会社でも知らないことがあります。
このページの目次
そもそも地目とは?
土地の登記簿には「地目」という項目があります。
不動産登記法という法律に定められていて
普通の住宅が建っている所は概ね、「宅地」となっています。
畑になっている土地の地目は「畑」
田んぼになっているなら「田」という感じです。
その他、山林や沼の他、墓地という地目もあります。
不動産登記法では、実態に沿った地目にするように規定されています。
実態が違う場合がたくさんある理由
不動産登記法上では、実態に沿った地目にするように規定されています。
例えば、元々田んぼだったところに家を建てた場合、建物完成後に土地の登記地目も宅地に変える。といった具合です。
但し、実務上のお話しをするとこの規定、守られていないことが散見されます。
十数年前に完成した建物があるのにも関わらず、土地の権利書の地目が畑で今は家がそのまま建っている。というケースです。
話はそれますが、農地だからと言って家を建てる事ができない訳ではありません。
この後で解説しますが、市街化区域という地域であれば農地であっても建物を建てることは可能です。
農地という地目は実はない?
よく誤解されやすいのですが、農地という地目はありません。
タイトルに農地と書いてあるのですが、土地の地目が田や畑になっているものを総称して「農地」と呼んでいるのです。
尚、不動産会社でもご存知ない人がいるのですが、登記簿上の地目とは別に、課税上の地目があります。
つまり、登記簿上は農地で、課税上は宅地。というパターンや、その逆もある。という事です。
任意売却の場合、問題となるのは、登記簿上の地目です。
登記簿の地目が問題になる農地法の存在

農地法の規定によれば、土地の地目が田、畑である場合、農地法の転用許可。若しくは届け出が必要になります。
具体的には、市役所などにある、農業委員会という部署に「農地転用届け」や「農地転居許可」という行政上の手続きが必要になります。
この手続きですが、種類によってかかる時間がまちまちで、任意売却の障害となる可能性があります。
なぜ障害になるのか?
任意売却をしていると、時間に制約があります。
農地転用手続きにかかる「時間」が致命傷になる場合があるのです。
せっかく買主が決まったのに、農地法の手続きのせいで時間切れとなり競売になってしまった。。。
ありえない話ではないのです。
畑や田になっている土地の任意売却する為の対策としては、少しでも早いタイミングでの任意売却のご相談をしていただくことが最も重要です。
任意売却の前に事前に地目変更登記をする事も対処法の一つですが、地目変更には費用が必要ですから、現実的ではありません。
市街化調整区域の農地はもっとややこしい
今までは市街化区域の農地を中心に解説してきました。
市街化区域とは、都市計画法第7条に規定された区域で平たく言えば、市街化を推進する地域。
もっと簡単に言えば、建物を建てることを推奨する区域。
そう、建物が立ちならんでいる地域と思っていただいてほぼ良いでしょう。
これに対して市街化調整区域の土地は、建物が立たないように抑制されている地域です。
こちらの農地の売買は、市街化区域の農地を売買するよりもハードルが上がります。
中には農家の資格を持たない人が替えない農地などがあり注意が必要です。
まとめ
農地の売買の話はそれだけで、2時間程度のセミナーができてしまう程、範囲が広く深いです。
専門家に依頼することが最も安全です。
この記事を書いた専門家

- 任意売却の専門家
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(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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