公庫の金利が上がって返済ができないなら

公庫の返済

今回は公庫の金利のお話です。
2007年に住宅金融公庫の融資は終了し、住宅金融支援機構の融資であるフラット35になりました。

旧公庫の融資は、1~10年目の金利と11年目以降の金利が変更になる二段階性の金利でした。

昔々はゆとり返済(ステップ返済)と呼ばれるものがあり、1~5年、6~10年、11年目以降という三段階の返済方法がありました。
最初の5年はなんと50年返済した場合の返済金額だったので、ほとんど利息しか払えないようなローン商品もあったのです。

この旧住宅金融公庫の融資を借りて、マイホームを購入した方は、今現在でも高金利の返済に苦しんでいる方が多く存在します。

もっとも手っ取り早い解決方法が、借換えです。

公庫から低利の融資に借換えをすると、利息が安くなる分、返済も楽になる可能性があります。


但し、注意しなければいけない点が何点かありますので、覚えておくと良いでしょう。

借換えするための経費がかかります。
銀行の事務手数料、収入印紙代、保証料、抵当権設定登記、抵当権抹消登記などです。

借入れ金額にもよりますが、2000万円程度の借入れで数十万円かかることも珍しくなく、この費用は現金で支払う必要があります。
金利が安くなって返済が減少する分>必要な諸経費という状態でないと効果がありません。

もう一点注意が必要です、融資ですから、当然審査があります。
購入した時よりも、不動産の価値が上がっていれば良いのですが、一般的に建物は古くなればなるほど、価値が下がってきますから、現在の残債よりも評価が下回っている可能性があります。

もし、残債>評価の場合、担保評価不足の状態で、満足な借入れができない可能性が高いです。

銀行の審査の結果、希望額に満たない場合、手元から資金を出さないと借入れが出来ません。

11年目から金利が上がってしまったことが原因で支払いが厳しい。
借換えもできない。。。
という場合、「返済期間の延長」という方法があります。
但し、この方法は「一時だけ返済が苦しい」という以外使えません。

例えば、子供が大学に行っている4年間だけ返済が苦しい。という場合ですと一時的に延長して、大学が終わり次第元に戻す。というような状態では効果がある制度ですが、恒久的に返済が苦しい状態の場合は、破綻を遅らせるだけで意味がありません。

将来破綻することが確実なら、再スタートをするために、今破綻したほうが、良いでしょう。

最後に

いかがでしたか?
基本的な考え方が把握できたのではないかと思います。

まずは借換え、ダメなら返済延長の検討、恒久的な支払い困難なら任意売却。という順番です。

破綻は、決して喜ばしいものではありませんが、逆の見方をすると、再スタートを切るという意味もあります。

家を失っても、あなたの人生はこれで終わるわけではなく、老後まで続きます。
老後で破綻するよりも、今破綻して老後に向けて、貯蓄ができる正常な生活に戻す。
これもまた真理ではないでしょうか?

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この記事を書いた専門家

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士杉山善昭任意売却の専門家
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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