任意売却後の延滞損害金の免除

遅延損害金の免除

こんにちは、任意売却の専門家杉山善昭です。
今回のお話は「延滞損害金、損害金の免除」についてです。

本題に入る前に、基本的なことの説明からしましょう。
不動産を売却するときには、残っている残高を売却時に一括返済する必要があります。

但し、ローン返済が滞っている場合、一括返済をしなくても不動産を売却することができる任意売却という方法ができます。

さてここからが本題です。

では、任意売却後に残った負債はどうなるのでしょうか?
任意売却後に残った借金の処理の仕方で書いたとおり、
1.自己破産
2.示談
3.何もしない
という三つの方法があります。

自己破産した場合、借金はゼロ(正確に言うと、強制的に取り立てられる事がなくなった状態)になりますが、残る二つの方法の場合、売却後も債務が残ります。

示談した場合に心配される○○とは?

2の示談した場合、毎月返済可能な金額を返済するのですが、この時に一つ心配なことが浮かびませんか?

そう、分割弁済をするために、また利息が取られるのではないか?という心配です。

ご心配の通り、利息はかかります。
正確に言うと、損害金という名のペナルティーになります。
返済が遅れた事による金利と考えると分かりやすいかもしれませんね。

損害金は負債に対して、年利14%程度取られることが多く、非常に高い割合のペナルティーです。

もし、不動産を任意売却した後に残った負債が1000万円あるとすると、年間140万円もの損害金がかかることになります。

毎月10万円払っても損害金に満たない計算です。

2.の示談を選ぶ際、損害金が気になることはとても良く分かります。

損害金免除を条件に任意売却できるか?

極稀に、「任意売却を検討する時点で、損害金がかからないなら任意売却をしたい」とおっしゃる方がいらっしゃいます。

気持ちは良く分かります。
最終的には損害金を免除してもらうことはありますが、損害金がかからない事を条件に任意売却をする事はできません。

理由をお話しましょう。
示談をするためには、
○任意売却した際に返済する金額
○返済する日付
○現在の生活状況(所得と支出)
○任意売却後に返済できる金額
これらの報告をする必要があります。

これに対して、損害金の免除は「示談した内容を実現し続けること」が条件なのです。

つまり、損害金は「示談した後に免除」になるものなのです。
では逆に損害金が免除にならない場合を考えてみましょう。

例えば
・示談はしたけれど、決められた返済をしなかった。
・生活状況(所得と支出)の報告が虚偽だった
・所得が大幅に上昇し、損害金を払える経済的余裕が生まれた
というような場合です。

損害金はあくまで、「返済が大変な中で真面目に払ってきた」結果、免除されるものであり、最初から免除される訳ではない。ということがお分かりいただけたのではないかと思います。

損害金を免除しますという任意売却業者に注意

いままで説明してきたように、損害金の免除は、あなた次第で免除になるし、ならない可能性もあるのです。

しかも、示談した後に決まる事項です。

従って、任意売却を行う前に、損害金の免除について取り決めをすることは出来ません。

にもかかわらず、一部の任意売却業者では、「損害金の免除」をエサにしている会社があるようです。

当事務所においても、結果的に損害金を免除してもらうことは多いですが、だからと言って不確かで、楽観的なことを依頼者に言う訳には行きません。

常識のある、まともな任意売却会社ならば、「損害金を必ず負けさせる」的な話はしませんので、くれぐれも注意をしていただきたいと思います。

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この記事を書いた専門家

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士杉山善昭任意売却の専門家
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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