「このエリアの不動産を探しています」というチラシの本当
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「この近くで探しています」という広告。
よくポストに入っていませんか?
チラシの内容は大抵二つです。
○探している物件の一覧
○ストーリー仕立て
毎週のように目にすると「ウチも高く売れるんじゃないかしら?」
そう思われている方も多いと思います。
あれだけ大量に広告が撒かれれば当然で、何ら不思議ではありません。
普通の人はみな、勘違いしてしまいます。
勘違いさせる工夫が広告に盛り込まれているからです。
「勘違い」と書いたのには訳があります。
お伝えしたいことは山ほどありますが、焦らず順番に説明していきます。
結論から書きますが「探してます」チラシの99%は嘘です。
「探しているお客様がいる」のではなく、営業マンが「物件を売りたい人」を探しているに過ぎないのです。
「探しています」広告のパターンは二つ。
○探している物件の一覧
この場合は、その地域にありそうな規模の物件を羅列し、不動産を所有しているほぼ全員が該当するような一覧表になっています。
○ストーリー仕立て
神奈川で多いのは
「転勤でこの地域に引っ越してくる三人家族が探しています。
ご主人は自転車が趣味で通勤も自転車の為、バス便の物件でも大丈夫です。
再来月に引越しをしなければいけないので、相場よりも高くてもOKです・・・続く」
とあり、非常に具体的に見せかけてあります。
中には全四回シリーズのチラシもある程。
もう一度書きますが「探してます」チラシの99%は嘘です。
少し話しはそれますが、このような「探しています」広告。
誰が配っているでしょうか?
不動産会社は言いたがらないことを書きましょう。
各エリア担当の営業マンがそれぞれ、パートのスタッフを雇い、定期的に多少文面を変えたチラシをポスティングで配布しています。
一人の営業マンが雇用できるパートの数は、探している買主の数。ではなく、各営業マンの売り上げの多寡で決まります。
ご自宅に配られる広告をよく見ると、同じ支店から配布される広告の担当者はいつも一緒です。
一つのお店には複数の営業マンがいるのにです。
この理由を説明すると、
「営業マンが雇うパートスタッフは自宅周辺のエリアにしかポスティングできない。逆に、特定エリアの担当者を決めてしまおう。」
ということなのです。
「そのエリアなら高い値段でも買うと言っている顧客」を沢山抱えている営業マンではないのですが、広告を見ると、そう勘違いしてしまうのです。
エリア担当者の仕事は「不動産の売却依頼を受ける事」です。
どの営業マンが一番多くの売物件を集められるか?の為で決して、探しているお客様の為ではありません。
残念なことですね。
売り物件をより多く集めるためには、「うちも高く売れるんじゃないかしら?」と勘違いさせる戦略が必要なのです。
勘違いさせる手法として「このエリアで探しています」という広告なのです。
さて、売りたい人から売却の依頼を受けた後は、買いたい人を探します。
自分で買いたい人を探す為に「囲い込み」という脱法手段を使います。
囲い込みについて知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
何故囲い込みをするのか?
売主からも買主からも仲介手数料を貰いたいからです。
一つの仕事で収益が倍になります。
さて「このエリアで探しています」という広告。
更に悪いことは、同じ会社のあちこちの支店から、「テイストの似たチラシ」が撒かれていることです。
これを見て「ウチのエリアは人気があるんだなぁ」と思ってしまう人は悲劇です。
遠方の支店から撒かれるチラシに載っている営業担当者は、成績が悪い営業マンか営業マンと相場が決まっています。
理由はまた別の機会に。。。
さて本題に戻りますが、少し視点を変えましょう。
探している「顧客の立場」に立つのです。
あなたが家を探している立場だとしたら、どういう感性で探すでしょうか?
・少しでも安い家
・少しでも広く家
・少しでも新しい家
を紹介してくれて、そこそこ信用できる会社であれば、どこの不動産屋であろうが良いのではないでしょうか?
「特定の不動産屋からしか買わない」と決めていることは・・・
十中八九ありません。
家を探している人の立場に立ってみれば直ぐに分かることです。
今度はこういったお客様を相手にする不動産屋さんの立場に立ちましょう。
どこの不動産屋から買うか、わからないお客さんの為に、パートの人件費と広告の作成費用をかけ、売却不動産を探すことが、どれだけ非効率か考えるまでもないですよね。
しかもこの広告には「高くても良いから買いたい人がいる」と書いてあります。
家を探している人が、「不動産を相場よりも高い値段で買いたい」と言う訳ありません。
もう、十分お分かりですね。
「このエリアの不動産を探しています」というチラシは 「家を売りたい人」を探しているチラシです。
詐欺師は「欲の皮が突っ張った人」をターゲットにします。
相場よりも高く売れるかもしれない。と欲を出した人を狙っているのです。
私は、このウェブサイトをご覧になっているあなたをそんな目に合わせたくはありません。
私達住宅ローン緊急相談室は「探しています」という広告に惑わされずに
「現実的に売却したい」という方から喜ばれています。
遠慮なくご相談くださいね。
平成27年4月30日追記:ついにマスコミでも取り上げられました。
元社員の暴露記事等かなりリアルな内容になっています。
記事に興味がありましたら、バックナンバーが発行されていますので、ご覧になってはいかがでしょうか?
この記事を書いた専門家
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(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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