未納になっている税金差押えられない為の交渉法

未納税金差押え対策

「未納の為、不動産を差押えました」
こんな通知が届いたあなた。
これからどうしよう!とお困りではありませんか?
今日の話は、市県民税や所得税、固定資産税など税金のお話です。
毎月のローンの支払いが厳しくなると、ついつい税金の滞納が発生してしまいますよね。
住宅ローンを滞納するとブラックリストに載りますが、
税金を払わなくても、ブラックリストには載らないので、どうしても住宅ローン優先になることは自然です。

そういった意味では税金の未納は、「究極の資金調達」とも言えますね。

住宅ローンの支払いの為の税滞納が激増

実際、わたくしの所に相談に来られる方の半数以上は、住宅ローンの滞納と税金の滞納がセットになっています。

さて、税金を滞納すると最終的には不動産が差押えられ、公売という手続きにより、換金され納税資金にまわされます

実は任意売却をする際、税金の差押え登記は非常にやっかいになりますので、差押え登記をされないようにしたいものです。

では、未納になっている税金についてどうやって交渉したらよいのでしょうか?

その前に、自己破産すると未納の税金はどうなるのか?という動画がありますので、ご覧ください。

差押えされないための方法とは?

順番に説明しますね。
まず第一点。
「連絡をこまめに取ること」と「いつでも連絡が取れる状態にしておくこと」です。

つまり、コミュニケーションが取れる状態にしておくことが重要です。

税金にしても、住宅ローンにしても一番良くないことが連絡が取れないことです。 役所の担当者は、未納の税金について「業務処理」をしなければいけません。

今どういう状況で、今後、未回収の税金をどうするか?という処理です。
連絡が取れないのでは、処理のしようがなく、結果差押えをするのです。
決して怒っているのではありません。

ここは、誤解されやすいポイントです。
担当者は税金を払うことが出来ないあなたに怒っているのではなく「連絡が取れないあなた」に困っているのです。

例えば
【3月23日】連絡(TEL有)今月末には●●万円払うとのこと
【3月31日】入金1万円、来月は2万円支払い

この様に履歴を全て記録しています。
あなたが忘れていてもしっかりと。

役所の担当者はあなたに連絡が取れないと

【3月23日】督促状発送
【3月31日】TEL不在
【4月10日】TEL不在



となり、業務報告に書くことがなくなってきます。
この状態が続くと・・・

【5月10日】不動産差押え申請

となるわけです。

差押えされないためのもう一つの要素とは?

さて、先ほどは連絡が取れていることが重要だと書きましたが、もちろんそれだけでは不十分です。

連絡がついているからと言って、差押えから逃れられるわけではありません。

が、連絡がつくことは大きな予防薬になりえます。
こんなパターンもご覧になってみてください
【6月1日】10万円納税
【7月1日】納税無し
【8月1日】納税無し
【9月1日】納税無し
【10月1日】納税無し
これよりも

【6月1日】2万円納税
【7月1日】2万円納税
【8月1日】2万円納税
【9月1日】2万円納税
【10月1日】2万円納税

後者ほうが役所の担当者の印象は良いのはいうまでもありません。
とはいえ、完納のできる分割払いでないと役所は分割納付しているとみなしませんので注意が必要です。

役所は「回収できる見込み」を探っています。

逆に言えば、継続して回収できる見込みがないから、不動産に差押えをつけるのです。

・連絡をこまめに
・小額でもこまめに納税(但し完納の見込みがあること)

これをするだけで、相手の態度はまったく違います。
試してみてください。

念のため申し上げますが、既に差押えを付けられてしまった場合でも 上記の方法は有効です。

差押えされたないための最重要ポイント

今まで、財産を差押えられないためのポイントを二つ書きました。
「連絡が取れるようにしておくこと」
「継続して納税すること」
でしたね。

最後に、差押えされないために、最も重要なポイントを書きますね。

最も重要なポイント、それは、、、

「全額納付できる見込み」があることです。

言うまでもなく、税金は毎年発生します。
今のペースで払えば、未納税金が完納できるのか?どうかが一番のポイントになります。

例え、毎月少しずつ納税すると言っても、今から1年後、滞納金額が現在の滞納額よりも増えてしまう見込みであれば、それは、納税しているとは言えないことになります。

今支払っている金額で、完納できるかどうか、今一度計算をしてみてください。
ご自身で出来なければ、役所の担当者がシュミレーションしてくれます。

もし、完納する見込みがないなら、私どもにご相談下さい。

やむを得ない理由がある場合は「猶予措置」を

納税したくても、どうしても生活が困窮していて納税ができない。
そんな時は、換価の猶予や納税の猶予という措置があります。

国税を期限までに納付されない場合には、納付するまでの日数に応じて延滞税が課されます。
また、税務署から督促状が送付されてもなお納付されないときには、財産の差押えなどの滞納処分を受ける場合があります。
なお、国税を一時に納付することが困難な理由がある場合には、税務署に申請することにより、財産の換価(売却)や差押えなどの猶予(換価の猶予、納税の猶予)が認められる場合があります。
猶予が認められた場合は、財産の換価(売却)や差押えなどが猶予されるほか、猶予期間中の延滞税の全部又は一部が免除されます。

国税を期限までに納付されない場合には、納付するまでの日数に応じて延滞税が課されます。
また、税務署から督促状が送付されてもなお納付されないときには、財産の差押えなどの滞納処分を受ける場合があります。
なお、国税を一時に納付することが困難な理由がある場合には、税務署に申請することにより、財産の換価(売却)や差押えなどの猶予(換価の猶予、納税の猶予)が認められる場合があります。
猶予が認められた場合は、財産の換価(売却)や差押えなどが猶予されるほか、猶予期間中の延滞税の全部又は一部が免除されます。

出典:国税庁HP国税を期限内に納付できないとき

もちろん、本来納税しなければいけない義務を猶予するのですから、一定の要件があります。
猶予の要件の概略についても触れておきましょう。

【1】換価の猶予

  1. 税金の納付により、事業又は生活の維持を困難にする恐れがあること
  2. 誠実な納税意思を持っていること
  3. 猶予を希望する国税以外の国税が送れていないこと
  4. 納期限から6か月以内に申請すること
  5. 原則、担保を入れることができること

※その他、税務署長の職権による換価の猶予があります。

1~5全ての要件を満たす必要があります。

では次に、納税の猶予の要件です。

  1. 「災害、盗難」「納税者、家族が病気や負傷」「事業の廃業、休業」「事業について著しい損失」「前記に類すること」「納期限より1年以上経過後に納付するべき税額が確定したこと」のいずれかに該当すること
  2. 国税を一時に納付することができない事についてやむを得ないことが認められること
  3. 申請書が提出されていること
  4. 原則、担保を入れることができること

上記を全て満たす必要があります。

尚、換価の猶予、納税の猶予共に、一般的な用語で書いております。正確な適用要件については、前述した「国税を期限内に納付できないとき」のリンクから国税庁HPをご覧ください。

ちなみに、昨今、新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方を対象とした、猶予制度もできましたので、こちらもご紹介しておきます。
こちらは、令和3年2月1日納期限迄の税金が対象となります。

まとめ

未納税金についての対策をお伝えしてきました。
昨今の経済状態により、やむなく未納状態となっている事業者様が数多くいらっしゃることは、私も相談の現場にいて強く感じます。

未納状態になった際に、一番大切なことは、他人のせいにせず、自分自身が向き合うことです。
税務署で分納の相談をしている場面を見る機会がありますが、「自分は悪くない」「景気が悪いせい」「取引先のせい」といった弁明をされている方をよくお見掛けします。

しかし、これは逆効果です。

税務署の職員さんも数多くの納税者を見ています。
多くを語らずとも、本当にやむを得ないと判断した場合、どうすれば良いか?親身にアドバイスをしてくれます。

真摯に向き合い、完納までの計画を立てる。という事が大切です。

「できない理由」をいくら挙げても完納できません。

猶予を貰っても、免除になる訳ではありません。
不動産売却を実現し、結果、完納できる方策を一緒に考えます。

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この記事を書いた専門家

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士杉山善昭任意売却の専門家
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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