任意売却手法その4 親族間(親子)間売買

親族間不動産売買

親族間(親子)売買は文字通り、親族や親子の間で売買をすることです。

精神的苦痛が一番少ない売却法の一つです
親子の他、親戚、友人などのケースも含まれます。
簡単に見たい方は動画でもご覧いただけます。

親子間売買のメリット

何となくメリットは分かるかもしれませんが、念のため確認しておきましょう。

  • 精神的苦痛が一番少ない
  • 住み続けることができる
  • 無理な返済から開放される

という点です。

注意点としては、親の住宅ローンが3,000万円あるから、それを子供の名義で借りることによって、返済期間が35年になり、結果返済額が減る。
ということではないことです。

任意売却にしてもしなくても、親子間売買というのは親子間で売買をすることです。
売買をするのですから、そこには「適正価格」でという注釈が付きます。

つまり、売買価格と親の住宅ローン残額の間には、何の関係もない。という事になります。

売買相場>親のローン残高の場合

例えば、親の所有している不動産の相場が5,000万円だったとしましょう。
一方残っている住宅ローンの残高が3,000万円の場合を考えます。

ここで、売買代金を3,000万円にしてしまうと、、、実際は5,000万円のものを3,000万円で売ることになりますので、親から子供へ2,000万円の贈与という事になります。
この時の贈与税は750万円(この記事を書いている時点での税制)にもなってしまいます。

これを避けるためには、売買代金を5,000万円とすることになります。
従って子供は5,000万円の資金調達をしなければ購入することができません。

売買相場<親のローン残高の場合

では次に逆のケースを考えます。
例えば、親の所有している不動産の相場が3,000万円だったとしましょう。
一方残っている住宅ローンの残高が5,000万円の場合です。

相場は、3,000万円ですから親の借金を返済するために5,000万円で売買すると、、、子供から親へ2,000万円の贈与という事になります。

この時の贈与税は750万円(この記事を書いている時点での税制)です。

また、子供が住宅ローンを使って購入する場合、相場は3,000万円ですから、借りることができない2,000万円は子供が自己資金を用意しないと売買が成立しません。
逆に売買価格を3,000万円とした場合はどうか?

負債は5,000万円ですから、親は子供に売却するために、2,000万円を用意する必要があります。
但し、任意売却の場合はその不足の2,000万円を用意しなくても売却はできます。

親子間売買のデメリット

メリットがあればデメリットもあるのが常です。
今度はデメリットを見てみましょう。

  • 子供が借りる住宅ローンの審査は厳しい
  • 債権者の同意は取りにくい
  • 子供が自分の家を購入するときの支障になる

という事があげられます。

子供が買う際の住宅ローンは非常に審査が厳しいです。
何故かと言うと、住宅ローンは住宅を買うためのローン。
そんな事は言うまでもなく知っている。という方も多いかもしれませんが、親が返済に困って家を子供に売るというのは、本質的に、子供は親の借金の肩代わりをすることになります。
従って、売買を装った、肩代わりローンという事になります。

そもそも、親の家は自然の流れで言えば、いつの日か相続で子供に無償で受け継がれます。
無償でもらうことができる不動産を購入する合理的理由を探す事は非常に難しいと言わざるをえません。

また、「相場」<「親の借金」のような状況で任意売却した場合、仮に子供に売却ができた場合でも、親の借金が無くなるわけではないことにも注意が必要です。

居住形態が変わりませんので望まれる方も多くいらっしゃる親子間売買。
誰もが簡単にできる売買方法ではありませんが、ご希望でしたら実現可能かどうかお調べしますので、ご相談ください。

親子間売買をするよりも、良い解決方法が見つかる場合も珍しくありません。

親族間売買をする方向で検討したいという方は、必ずこちらのページもご覧ください。


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この記事を書いた専門家

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士杉山善昭任意売却の専門家
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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