独立、病、そして住宅ローン延滞へ
今回のご相談者は、町田市のN様。約10年前に購入当時払った自己資金は約500万。
約4,000万円の借入を行い、現在8割程度の残債が残っている。
購入当時は会社に勤めており、安定した収入を得ていたが、独立してから状況が一変。
生活が不安定になり、妻が病に倒れ、治療費は莫大なものに。
「できるだけのことはしてあげたい…」N様は、食べるものを削ってまでも、妻の治療費を捻出した。
最大限の力をそそいだが、妻は天に召され、子供は義母の元へ。
何とか、子供が帰る家を守ろうと、今まで努力してきたが、売上は相変わらず不安定で、とうとう今月から延滞が始まる。
という状況でした。
正に「人生、行き止まり」の状態。
実際にお逢いした時には、本当に元気が抜けてしまって、お話しを聞いているだけでお気の毒だと痛感しました。
今回のポイント
まず、家計の把握です。
状況をお聞きしたところ、現在のローン支払いが毎月11万円。
現在の売上では、とてもこの支払が継続できない。無理なく払えるのは、毎月6万円程度。
その差は、5万。
なかなか簡単ではありません。
基本的な考え方は、まずコストダウン。つまり生活費の切り詰めです。
赤字家計を黒字家計に変える。と言ったほうが、分かりやすいかもしれませんね。
ただ、今回の場合は、一人暮らし。
それほど贅沢をしている訳でもなく、車もない。
つまり、毎月5万円生活費を削ることは、不可能でした。
実際の方針
幸いな事に、売却査定金額がわずかに、残債を下回る程度でした。
また、住宅ローンの延滞もこれから始まる、いわば初期段階でしたので、時間という資源がありました。
そのため、いきなり、残債が残るような任意売却をするのではなく、残債が全て完済できる金額で販売をしてみることにしました。
どこにでもある家ではなく、個性的でセンスの良い家です。
間取りが少ないので、買主は限定されますが、この家の価値を分かっていただける方なら、成約に至る可能性が期待できます。
6か月延滞するまでに、売却ができれば、それでよし。
買主が見つからなければ、任意売却に切り替えていく方針です。
この記事を書いた専門家
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(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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