おまとめローンで住宅ローンが払えなくなったご相談事例

今回のご相談は大阪市営地下鉄南森町駅。
大阪市北区です。
おまとめローンで楽になったはずなのに何故返済が苦しいのか!?
ご相談者のIさんは32歳男性。
奥様、お子様と三人暮らし。
結婚8年目でマイホームは5年前に購入。
お子様が生まれたことをきっかけに購入したマンション。
家賃がモッタイナイと感じるようになったことがきっかけだ。
家賃と同じ支払いなら自分のものになる分、得だということでルンルンで購入したのは良いが予定外の事態が発生。
それほど贅沢をしていないのに生活が苦しいのだ。
自宅購入直後から、リボ払いが重なり、ついにキャッシングへ。
このままでは生活がおかしくなると感じたIさん。テレビの宣伝で見たおまとめローンを使う事に。
運よく借り入れができたのはラッキーだった。
確かにおまとめローンを使う事ができ一旦生活は落ち着いた。
しかしそれもつかの間、スグに行き詰る生活。
不足した生活費を補填する為に、キャッシングをしようとするも借入ができない。
しまった、おまとめローンを使ったことでブラックリストに載ってしまったのか?
後から判明したことだが、それもそのはず、そもそもおまとめローンを使う時点で要注意なのにもかかわらず、そのおまとめローンもちょいちょい延滞していたという。
節約しても楽にならない生活。
とうとう支払いができなくなってしまった。
おまとめローンの落とし穴

こんにちは、任意売却の専門家杉山善昭です。
今回の問題はいろいろあるのですが、まずは「おまとめローン」です。
どうしておまとめローンで毎月の返済額が安くなったのに苦しくなってしまったのか?
この本質的な部分に触れずして、話しが進みません。
順番に解説していきましょう。
おまとめローンというのは、複数の借入をひとまとめにして借り入れをし直すものです。
A社(毎月25,000円の返済)、B社(10,000円の返済)、C社(18,000円の返済)というような借入をしている人の場合、毎月の返済は53,000円です。
これを1社でまとめた場合、例えば全部で30,000円の返済になったりする訳です。
単純計算で23,000円分返済が減ることになるので、「それなら払える」と勘違いするのです。
心理学的にアンカー効果と言うのですが、元の金額が53,000円というアンカーが効いているので、それよりも安い30,000円は安く感じてしまうのです。
身近な例でいうと、スーパーの話。
1匹300円のサンマが、特売で100円で売っていたとすると安い!と感じます。
では、次の日200円でサンマが売っていられたとしたらどうでしょう?
普段の値段、300円の情報しか知らない人は安いと感じますが、特売の100円を知っている人は高い!と感じるのです。
同じ200円ですが、その前提によって人が感じるものは違うのです。
話を戻しましょうね。
このI様大きな勘違いをしています。
53,000円の支払いが厳しいけれど30,000円の支払いならできると思っている事です。
先にお話ししておきますが、私は個人的なダメ出しはしません。
罪を憎んで人を憎まずではありませんが、行為をした個人を責めるつもりは全くありません。
ただ、「罪」の部分である要因をハッキリさせなければ根本的な問題は解決しないと考えているのです。
そのため、生活が苦しいから即、任意売却という思考には至りませんし、頼まれても「はいそうですか」とはなりません。
生活を圧迫するその原因を除去しなければ、楽しく笑って過ごせる毎日が来ないからです。
今回は、おまとめローンにしたのにダメだったというご相談です。
53,000円は厳しくて30,000円なら払えると思ったがダメだったという話。
本質は違います。
30,000円の支払いができなかったから53,000円の支払いになってしまったのです。
もっと言うと、普通の生活をして赤字だからリボやキャッシングが30,000円になり53,000円なり、と増えてしまったのですから、53,000円が30,000円に減額されても払える道理がありません。
目先のことでは解決しません。本質は何か?を見る必要があるのです。
ちなみにおまとめローンを使うと総返済額はほとんどの場合アップします。
理由は簡単。元金の減りが遅くなる分、支払う利息は増えるからです。
例え少々金利が安くなってもです。
このI様のケース。
マンションを購入する時点で預貯金はほぼゼロ。
引越したことによる、家具の購入などでリボ生活が始まったことが分かりました。
引っ越し時にお金がないということは、それまでの生活で貯金ができなかったことを意味します。
家賃を払うとお金を貯めることができないのに家賃並みのローンを組んだら。。。
お金が貯まる道理がありませんよね。
更にお子様が生まれています。
お子様は一般的に、成長と共にかかるお金が増えます。
食費にしてもしかり、衣服費にしてもそうです。
一般に結婚当初は一番裕福です。
ほとんどのケースで共働きですし、子供もいません。
この裕福な時にこそ貯金の習慣をつけないと、今回のような苦しみを味合うことになりかねないのです。
今回の本当の問題は、おまとめローンの失敗ではなく家計管理の失敗です。
その為、まずは家計のダイエットをして返済原資をねん出できるか検討します。
おまとめした返済が、家計のダイエットで可能であれば返済を続行していただきますし、家計のダイエットでもおまとめローンの返済ができないなら任意売却です。
この記事を書いた専門家

- 任意売却の専門家
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(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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