未納税金督促の現場。たった30日遅れただけで信じられない通知が!
状況説明
関東の某地方都市のお話しです。
Tさんは、43歳。4人ご家族で一戸建てに住んでいました。
マイホームを購入したのは15年前。
同期の中で一番早く住宅を購入したそうです。
当時28歳。
定年前の63歳でローンの支払いを終えることができるように計画してのことです。
実に計画的ですね。
マイホームを購入して10年以上、平穏無事に住んでいたのですが、勤務していた会社の都合で転勤になりました。
単身赴任も検討したそうですが、どうやら長期の転勤になりそうであるため、家族全員で引越しをすることになりました。
自宅は賃貸にすることにし、幸い直ぐに借り手もつきました。
尚、住宅ローン返済中の家を銀行に無断で賃貸にしてしまうと、非常に厄介なことになる可能性が高いので注意してください。
詳しくは住宅ローンが残っている家を売却したい。手順や相談できる場所は?で解説しています。
平穏な生活を壊す通知が!
生活には全く問題がありませんでしたが、ある日突然!
なんというモノモノしい封筒。
びっくりして空けるとなんと固定資産税の未納の督促。
実はTさん、転勤を機会に利用頻度の低い銀行を解約したそうですが、固定資産税の引き落としである銀行も解約してしまった為、未納状態になってしまったそうです。
納税が遅れたのは、30日。
「わずか」という表現が良いのか悪いのか分かりませんが、それにしても、30日でこのようなほぼ警戒色を使うとは。。。
役所の対応なかなかです。
それにしてもエゲツな封筒だと思いませんか?
しかもその封筒にはこのようなフライヤーも。
繰り返すようですが、このTさん。
固定資産税の引き落としの銀行をうっかり忘れてしまっただけです。
もちろん、支払忘れていたということは事実ですが、このフライヤーを見ると、まるで滞納常習者と言わんばかり。
かなり横暴な取り立てではないかと感じました。
更なる悲劇が襲い掛かる
税金については慌てて、支払をしたので一件落着。。。となる所でしたが、今度は入居者が退去するという。
聞けば、入居者の親が脳卒中で倒れてしまい介護が必要になったらしく、急きょ親と同居することになったとのこと。
入居者がいなければ、住宅ローンの返済もできない。
一瞬頭が真っ白になったそうです。
そんな八方塞がりの困った状態で当事務所にお見えになったのです。
転勤中の自宅。入居者が退去した時の対応方法
今回のケースは、まず新しい入居者を探すことが先決。
と思う方もいらっしゃると思いますが、実は違います。
私がしたのは、まず自宅を人に貸すことについて銀行の同意を得ているかどうか?の確認をしました。
懸念した通り、銀行には連絡していないということでしたので、まずは銀行の承諾を得る所からスタートです。
銀行との契約に、「住宅ローン返済中の不動産は他人に貸してはいけない」というルールがある為、勝手に貸す事はできません。
今回のケースは、自己都合での自宅賃貸ではないので、まず認められるでしょう。
ただ、賃貸相場を調べると今まで貸していた賃料はかなり割高だったということが分かりました。
その事で、当時賃貸契約をした不動産会社と入居者が少々揉めていたそうです。
親の介護はきっかけだったかもしれませんが、それが無くても近い将来退去したのではないかと推測されます。
そうなると今度は、適正相場で賃貸募集をするか、割高を承知で賃貸募集をするか?という選択になります。
適正相場で募集をする場合、家賃よりも大幅に高い住宅ローンの負担が可能か否か検証する必要があります。
赤字家計で生活が行き詰ってしまうと元も子もありませんからね。
一方、割高を承知で募集する場合、数か月、数年単位で空き家になってしまう可能性が考えられます。
そうなると、住宅ローンの返済額が丸ごと家計から支出されますので、家計の赤字もかなり多額になります。
どちらにしてもかなり厳しい状況ですが、空き家になることを考えると適正家賃で募集をするほうがはるかに合理的です。
もし、家賃よりも大幅に高い住宅ローンの負担が不可能であれば、売却も視野に入れて方向性を決める必要があります。
いろいろな記事で書いていますが、とどのつまり「生活が成り立つか成り立たないか?」という視点で物事をとらえると間違いがありません。
この記事を書いた専門家
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(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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