競売、買受可能価額とは?売却基準価額との関係を分かりやすく解説

あゆみ

先生!私の家が競売にかかったら、どんな金額で売られてしまうのか?
今回はそれを知りたいんです!!!

杉山先生

えっ!
あゆみさんのご自宅が競売にかかったんですか?
なんでもっと早く言ってくれないんですか。。。

あゆみ

あっ!違うんです(汗)
昨日、夢で私の家が競売にかかる夢を見て、ちょっと不安になったので聞いてみただけなんです^^;

杉山先生

驚かせないでくださいよ~もう!
でもせっかくですから、今回は競売の価格が決まる仕組みについて解説しましょう。

今回は「競売における買受可能価額」のことについて分かりやすくお話をさせていただきます。
買受可能価額は任意売却の専門用語です。

パッとイメージしずらいので、せっかくなのであゆみさんの家が競売にかかったという例で説明します。

売却基準価額とは

裁判所は不動産屋さんではありませんが、不動産の売却をするのですから価格提示をする必要があります。
なぜなら、目安となる金額が分からないといくらくらいで購入したら良いか?
買い手は判断に悩んでしまうからです。

また、目安となる金額を提示しないと、談合などをされとても安い金額で不動産を売ることにもなりかねません。
そういったことから、目安となる金額を決める必要があります。

杉山先生

さて、あゆみさん。
裁判所が「この不動産はいくらだ!」と分かると思いますか?

あゆみ

そういえば、裁判所が計算できるとは思えないですね。
どうやって売る金額を決めているんだろう。。。

競売価格が決まるまで

競売手続きが申立てされると裁判所は募集する金額を決めるのですが、裁判所自身は不動産の評価をすることができません。
そこで、国家資格を持つ不動産鑑定士に評価を依頼します。
法律上、裁判所は不動産鑑定士の評価を元に、独自の判断で募集金額を決めますが、実務上は不動産鑑定士が報告した評価額をそのまま採用しています。

あゆみ

なるほど、そうやって競売で募集する金額が決まるのね。
競売だとすごく安くなってしまうんじゃないかって思ってたけど
不動産鑑定士が出す金額なら安心ですね。

杉山先生

不動産鑑定士が算出する金額なので不当に安くはならない点は確かにその通りですが、
不動産鑑定士は競売で売られることを勘案して、通常の評価から30%ほど安く評価を出すことが多いです。

あゆみ

えっ!
いきなり30%も!?
アウトレット並みの大バーゲンじゃないですか!

競売の不動産は、内覧制度がないことや、立ち退きを買い手がやらなければいけないこと、動産の片付けや、そもそも室内の状態を事前に確認することができないことなど、ネガティブな要素が複数あるのです。
その分、評価を低減させるのです。

杉山先生

競売という理由で不動産評価を減額することを「競売市場修正」といいます。

仮にあゆみさんのご自宅、通常評価が4,000万円だとすると募集の基準は2,800万円になります。

あゆみ

えっ!?
1,200万円ダウンってフェラーリー買えちゃいますって。。。

買受可能価額とは

あゆみ

1,200万円も値引きすれば絶対売れると思うのですが、もしですよ。
もし、2,800万円で募集しても「買いたい!」という人が誰も現れなかったらどうなるんですか?

杉山先生

良い質問ですね^^
昔は、価格を変えて再度募集をしていたのですが、時間も手間もかかるので、
現代では「買い受け可能価額」という金額が表示され、手続き方法が改正されています。

買受可能価額の目的

不動産が競売にかかって買い手を募集した。
ところが誰も申し込まなかった。
ということが起こる可能性は否定できません。そんな時はどうするのでしょうか?

もちろん法律はこのようなケースも想定して規定を作っています。

競売手続きにおいて買い手の募集をする期間を、「入札期間」というのですがこの期間内に誰からも買い受けの申し入れがない場合、競売は成立しません。
そこで裁判所は「特別売却」という期間を設けて、先着順で買い手を募集します。

もし、特別売却期間内に買い手が発生しない場合、改めて不動産の評価を出しなおし、再募集することになります。

しかし、このようなことをしていると時間と手間が大きくかかります。
買い手が見つからなくて値段を後から変えるくらいなら、最初からそのことを見越して買い手を募集すればよいのではないか?
という発想で制度が変わったのです。
平成17年4月1日から変更になりました。

買受可能価額とは、入札が可能な価格のこと

裁判所が算出した金額は●●●●万円。これを基準に募集します。
しかし、その金額で買いたくはないという人は●●●●万円以上なら入札を受け付けますよ。というものです。

この入札を受けつける金額のことを買受可能価格と呼ぶのです。

買受可能価額が決まるまでの流れ

民事執行法第六十条の規定により、買受可能価格は売却基準額の80%相当の金額「以上」として裁判所が決定する規定になっています。

あゆみ

なるほど、、、より速く簡単に手続きができちゃうようになっているんですね。
ウチの家は2,800万円だから買受可能価格は×80%で2,240万円!?

杉山先生

そうです。元の評価の70%×80%=56%。
速く手続きが進むことは、お金を貸している債権者にとっては良いことですが、
売られてしまう人にとっては、安い金額で売られるばかりか引越しが早くなることもあり喜ばしくないことかもしれません。

買受可能価額が決まった後の任意売却

買受可能額は、競売手続きのおおよそ1ヶ月前に債務者に通知されます。

あゆみ

こんなに安く売られるなんて絶対、ゼッタイイヤなので普通に売りたいです!

杉山先生

そうですよね。あゆみさんの考えは当たり前ですよね。
競売だと必ずしも安く売られてしまうと決まっているわけではありませんが、安く売られてしまう危険性はとても高いと言えます。
任意売却で手放すことを専門家として強くお勧めします。


この通知が届くといよいよ競売手続きも終盤。という感じがするかもしれませんが、この時点から任意売却が成功した事例も沢山あります。


どうか諦めないでご相談していただきたいと思います。
但し、時間的は相当ギリギリですので、すべてのことをテンポよく実行していく必要はあります。

私達、住宅ローン緊急相談室は任意売却の注意点や売却後の債務について、わかりやすくアドバイスとサポートを行なっておりますので、遠慮なくご相談くださいね。
まずは無料電話相談からご相談ください。

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この記事を書いた専門家

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士杉山善昭任意売却の専門家
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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