家が競売にかけられたら、まず何をすべきか?

「あなたの家、競売にかけます」銀行からの最後通告。
目の前は真っ暗。
「もうだめかもしれない」自暴自棄になる自分。
頭が混乱していて、何をどうすれば良いのかまとまらない。。。
銀行が競売に踏み切ると、このような状況に追い込まれることが多いようです。
あなたはどうですか?
今までの人生で経験しえなかった事態に遭遇しているわけですから、無理もありません。
現在、置かれている状況、このままだとどうなるのか?
この最悪の状態を解決する方法は?
頭の中でぐるぐる思いがめぐることでしょう。
今回は「自宅が競売にかけられたら?」をテーマに解説をします。
このページの目次
まずは材料集めから
焦っておろおろしていると、時間だけが過ぎて行ってしまいます。
競売にかけられたあなたが、まずすべき事は「状況の把握」です。
借入れが何処にどれくらいあって、未払いになっている残債、税金、管理費がいくらあるのか?
競売で家を失ったとしたら、最悪どのくらいの負債が残る見込みなのか?
負債が残ったらどのような処理の仕方があるのか?
その前に売却することはできないか?時間的猶予は残されているのか?
こういった要素について、総合的に把握をすることが先決です。
医者がお薬を出す前に診察をするのと同じ。
あなたの状態、不動産の状態を確認する所から始めます。
競売ってどんな手続き?
競売とは、「不動産所有者の同意を得ることなく不動産を換金し、債権者に配当」する手続きです。
居住している人には居住権と言う権利がありますが、競売手続きは居住権よりも強いので、裁判所は強制的に退去を命じることも可能です。
私権を奪うものなので、その運用は厳格に定められています。
また、民事執行法という法律に不動産競売についての規定が定められています。
競売の申し立てから約半年で売却が完了します。
但し、この期間は保証されているものではなく、裁判所の処理件数能力により差が発生します。
競売について詳しくお知りなりたい場合は競売とは?をご覧ください。
どんな通知がくるのか?
債権者が競売の申し立てをすると、「競売開始決定通知書」が裁判所から送付されます。
この通知の受取を拒否しても、競売手続き自体には何ら影響しません。
粛々と進んでいってしまいます。
書面が届いたら受取をしましょう。
そもそも、どんな書類が届いているか確認しないと、打つ手も判断できませんからね。
その他、「現況調査の通知」「続行通知」「通知書」等順に通知が届きます。
裁判所から届く通知に関してはこちらのページで解説していますのでご覧ください。
競売だといくらで売られてしまうのか?
競売は入札方式という売却方式ですので、売却される金額についてはやってみなければ分かりません。
また、必ず購入希望者が現れる保証もありません。
但し、競売の募集は「基準価格」と「入札可能価格」という二つの金額が指定されます。
それぞれの金額については別ページで解説をしていますので、リンク先をご覧ください。
基準価格も入札可能金額も一般の不動産の相場から見ると廉価になっています。
裁判所で公開されている資料の中に「不動産評価書」という資料がありますが、こちらの資料によれば、競売の価格である「基準価格」は一般相場に対して30%の減価を行っている事例が多くあることが分かります。
また、入札可能価格は基準価格の80%となっている為、競売の入札可能価格は史上価格の56%になっている事例が多いです。
競売は約半値と呼ばれる所以なのです。
以上の理由により、入札者が発生しないという事が非常に少ないと言えます。
競売を防ぐ方法は?
なんとかうまい方法で競売を止めることはできないものか。。。
お気持ちとしては理解できますが、「お金は返さない。家は手放したくない」二つの相反することを実現することは不可能です。
競売を防ぐ方法として一番確実な方法は、借金を返すことです。
借金の支払いができないから競売の申し立てがなされたのですから、返済すれば競売を止めることは可能です。
時間的猶予はどのくらい?
競売開始決定通知書が届いてから、競売の結果が発表されるまで約6か月と冒頭で書きました。
繰り返しになりますが、この期間は保証された期間ではなく、概ねの期間です。
裁判所の込み位により、時間的猶予は変化します。
この残された時間の中で、どんなチョイスをするか?
例えば売却をする場合、債権者との交渉、購入客の探索、自分自身の引っ越し等複数の手続きが必要になります。
筆者の最短記録は14日ですが、これは非常に特殊な事例で且つ、全ての条件が揃った為実現した非常に稀なケース。
通常の手続きをしても2か月程度の期間が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
競売の通知が届いたから即、ジ・エンドになってしまう訳ではありません。
まず状況確認をし、どのような方向で進めていくのか?を決めます。
●返済をして競売を取り下げる
●そのまま競売手続きで家を手放す
●自ら任意で不動産を売却する
三つの方向から選択することになります。
但し、時間的猶予は限られています。
住んでいる所を変える為には、今家にある荷物をどうするのか?片付ける時間も手間もかかります。
ギリギリまで放置して慌てて引っ越しをするよりも、少しでも早い段階から準備する必要があります。
尚、一般的に競売よりは有利な状態で不動産を売却できると言われている任意売却という方法を使う人も数多くいます。
一度は検討してみても良いかもしれません。
この記事を書いた専門家

- 任意売却の専門家
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(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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