競売にかかったら先に引越ししたほうが良いのか?

競売開始と引越
「私、もう引っ越した方がいいでしょうか?」

こんにちは任意売却の専門家杉山善昭です。

実務でこのようなご質問をよく受けることがあります。
今回は引越しのタイミングについてのお話を書いていきますね。

競売手続きの流れ

債権者からの申立てにより、競売手続きが始まります。
競売の通知が届くと、執行官と呼ばれる人が不動産の現地調査を行い、裁判所で勝手にお住まいを売却されてしまいます。
いずれ落札者が現れ、明け渡すことになるわけです。

また、競売の手続きが開始されると、その情報が裁判所で公開され、時期が来ると家の中の写真まで公開されてしまいます。
しかも、写真はインターネットで世界中から見れてしまいます。

どうせ、明け渡さなければならないなら、先に引っ越してしまおう。
そう思うのも無理はないかも知れません。

確かに精神的な苦痛はあると思います。
いろいろな不動産業者が営業しにやってきたり、怪しい金融会社からお金貸しますという、通知が来たり、何かと落ち着かないものです。

では先に引越をしてしまおう。
競売にかけられた不動産から転居してしまえば、そういった精神的苦痛を避けることは可能です。

しかし、その前に少しだけ考えていただいた方が良い事があります。

それは、競売の後に残った負債をどうするか?です。

競売と自己破産

競売の申立てがなされると、自己破産をしなければいけない。
そう思う方もいらっしゃると思いますが、競売手続きと自己破産は直接関係がありません。

競売は、「返済不能になった借金を改修するために不動産を売却する法的な手続き」です。
一方、自己破産は「返済不能になった借金を返済しなくても良くする法的な手続き」です。

返済ができないかどうかは、とどのつまりいくらの負債が残るか?という点に尽きます。
いくらの負債が残るか?は、その不動産がいくらで売れるのか?によって大きく変わります。

従って、不動産の売却→残る負債が確定→自己破産するか否か判断する。という流れが基本です。
不動産の売却は競売という手段か、任意売却という手段かどちらかを選択することになります。

住宅金融支援機構任意売却案内ページより引用
1.通常の不動産取引として売買されるため、一般的に競売より高値で売却できることが期待され、お客さまの負債の縮減につながります。
2.任意売却パンフレットに定める手続にご協力いただける場合、お客さまの状況により売却代金から不動産仲介手数料、抹消登記費用等を控除できる場合があり、また、お客さまの残債務の状況等により延滞損害金減額のご相談に応じられる場合があります。
3.裁判所による手続である競売と比べると、ご自宅の引渡時期についての調整がしやすく、ご自宅退去後の生活設計が立てやすくなります。

引用のように、一般的には競売に比べて任意売却の方が高額で売却できる可能性が高いと言えます。
高額で売却できれば、残る負債が減ることを意味し、ひいては自己破産をしなくても良い可能性が高まります。

自己破産と引越し

少し話が逸れますが、自己破産の申立てのタイミングと引越しのタイミングについてもどうしたら良いのか?というご質問を受けます。
状況によって結論が変わってきますが、できることなら「引越し後の自己破産申請」をお勧めしています。

何故なら、引越し先のほどんとが賃貸物件になると思います。
賃貸物件のほとんどは民間賃貸住宅になりますので、必然的に賃貸管理会社や大家さんの入居審査があります。

全ての大家さんがマイナスと捉えるかというとそんな事はありませんが、自己破産をしている人という要素は一般的にマイナスの要因と言えます。
中には、「自己破産で負債が無くなったのなら、今後も借金はできないから家賃は払ってくれるだろう」と考える大家さんも確かに存在します。

とは言え、自己破産をしたことは入居審査に必ずプラスになる要素ではありませんので、状況が許せば賃貸住宅に引越後に自己破産の方が望ましいです。

尚、自己破産を理由として借りた家の立ち退きを要求されることはありませんのでその点は安心して良いです。

引越しを待った方が良い場合とは?


お引越しの話に戻りますね。
進む方向により、引越しを待つほうが良い場合があります。

前述した「任意売却をする場合」です。

引越しをすると簡単に言っても、お金がかかりますよね。

「引越し代どうします?」

ご自身でご負担いただくのが基本であることは間違いないです。
しかし場合によっては、任意売却の協力金として債権者から引越し代の一部を提供してくれる可能性があるのです。

例えばこんな感じです。

売却代金 2000万円
売却経費   70万円
返済金  1930万円

本来はこのようになる事例で、銀行が引越し代を認めると
売却代金 2000万円
売却経費   70万円
引越し代   30万円(例)
返済金  1900万円
となる訳です。

引越し代を捻出できるか出来ないか、という点ではメリットになりえます。

まとめ

競売の申立てがなされると、気持ちに余裕がなくなり焦って何かをしなければならない。という気持ちになりがちです。
しかし、そんな時こそ冷静に考えベストな解決方法を見出すことが必要です。

と言っても、普通の人がどのように対応したらよいか冷静に判断することはほぼ不可能であることも事実です。
競売、任意売却、自己破産、示談、引越し、これら複数の要素をどう整理して何をどのスケジュールで進めていくか?
それはその人それぞれの状況に合わせてオーダーメイドで決める必要があります。

そんな時に役に立つのが任意売却の専門家です。
まずは電話でご相談ください。

この記事を書いた専門家

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士杉山善昭任意売却の専門家
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演、
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