競売にかかったら先に引越ししたほうが良いのか?
こんにちはアシスタントのあゆみです。
今回は、競売と引越しの関係について杉山先生に教えてもらいたいと思います。
先生!よろしくお願い致します。
はい。本日もよろしくお願いします。
このページの目次
競売の手続き開始から立ち退きまでの流れ
裁判所から競売の通知が来たら直ぐに立ち退かなければいけないのか?
知らないとドキドキしますよね。
競売は当事者の意識に関係なく、強制的に不動産を売却する法的な手続きですから厳格に手続きの手順が決められています。
先生!思ったよりも沢山の手続きがあるんですね!
そうです。競売は人の不動産を強制的に売却する手続きなので、いくつもの手続きを確実に順序通りに行う必要があるのです。
債権者からの申立てにより、競売手続きが始まります。
大まかにお話しをすると、競売の通知が届くと、執行官と呼ばれる人が不動産の現地調査を行い、裁判所で勝手にお住まいを売却されてしまいます。
いずれ落札者が現れ、明け渡すことになるわけです。
また、競売の手続きが開始されると、その情報が裁判所で公開され、時期が来ると家の中の写真まで公開されてしまいます。
しかも、写真はインターネットで世界中から見れてしまいます。
家の所有権が移動した時点で引越しをいなければならない
上の図で、「代金納付、所有権移転」という箇所があったかと思います。
競売の落札者が代金を支払う=不動産の所有権が落札者に移転した。
という事になります。
「立ち退き」の箇所で引越をすれば良い。ということになります。
ギリギリまで居座るよりも、先に引越をしてしまう。というのはアリですか?
アリと言えばありです。
但し、焦って感情的に引越しをするのは避けていただきたいです。
どうせ、明け渡さなければならないなら、先に引っ越してしまおう。
そう思うのも無理はないかも知れません。
確かに精神的な苦痛はあると思います。
いろいろな不動産業者が営業しにやってきたり、怪しい金融会社からお金貸しますという、通知が来たり、何かと落ち着かないものです。
では先に引越をしてしまおう。
競売にかけられた不動産から転居してしまえば、そういった精神的苦痛を避けることは可能です。
しかし、その前に少しだけ考えていただいた方が良い事があります。
それは、競売の後に残った負債をどうするか?です。
競売の申立てがなされると、自己破産をしなければいけない?
少し話がずれてしまうかもしれませんが、競売で差し押さえられるなら自己破産してしまった方が良いのでしょうか?
競売と自己破産はよくゴッチャにして考えてしまいやすい事なのですが、二つは関連性があるものの、全く別モノとして考えて大丈夫です。
競売の申立てがなされると、自己破産をしなければいけない。
そう思う方もいらっしゃると思いますが、競売手続きと自己破産は直接関係がありません。
※参考:裁判所破産手続きについて
返済ができないかどうかは、とどのつまりいくらの負債が残るか?という点に尽きます。
いくらの負債が残るか?は、その不動産がいくらで売れるのか?によって大きく変わります。
自己破産をするかどうかは、家を売った後、どれぐらい負債が残るかどうかで決めること
そうか!
最終的にどの位借金が残ったか?を知ってから自己破産するかどうか決めれば良い。というわけですね。
その通りです。
最終的に借金がいくら残ったのか?その借金を払うことができるのか?を判断して自己破産するかしないか決めるのが◎なのです。
不動産の売却→残る負債が確定→自己破産するか否か判断する。という流れが基本です。
不動産の売却は競売という手段か、任意売却という手段かどちらかを選択することになります。
任意売却の方が競売より高く家が売れる可能性があります
先生~
価格の所が凄い違もビックリしましたが、競売って無理やり感がハンパないですね。
自己破産のタイミングは?引越しと自己破産、どちらを先に行うべきか
自己破産の申立てのタイミングと引越しのタイミングについてもどうしたら良いのか?というご質問を受けます。
状況によって結論が変わってきますが、できることなら「引越し後の自己破産申請」をお勧めしています
何故なら、引越し先のほどんとが賃貸物件になると思います。
賃貸物件のほとんどは民間賃貸住宅になりますので、必然的に賃貸管理会社や大家さんの入居審査があります。
全ての大家さんがマイナスと捉えるかというとそんな事はありませんが、自己破産をしている人という要素は一般的にマイナスの要因と言えます。
但し中には、「自己破産で負債が無くなったのなら、今後も借金はできないから家賃は払ってくれるだろう」と考える大家さんも確かに存在します。
とは言え、自己破産をしたことは入居審査にプラスになる要素ではありませんので、状況が許せば賃貸住宅に引越後に自己破産の方が望ましいです。
尚、自己破産を理由として借りた家の立ち退きを要求されることはありませんのでその点は安心して良いです。
ただし、任意売却をする場合は引越しを待った方が良い
進む方向により、引越しを待つほうが良い場合があります。
前述した「任意売却をする場合」です。
引越しをすると簡単に言っても、お金がかかりますよね。
「引越し代どうします?」
ご自身でご負担いただくのが基本ですが、場合によっては、任意売却の協力金として債権者から引越し代の一部を提供してくれる可能性があります。
引越し代を捻出できるか出来ないか、という状態において、売却代金から引越代の一部でも捻出できると任意売却メリットになります。
※上記は一例の裁判所の費用を参考にしたシュミレーションです。結果を保証するものではありません。必要経費は概略です。
30万円、手元に残せるってことですか?
それと、銀行に返せるお金が段違いですね!
まとめ
競売の申立てがなされると、気持ちに余裕がなくなり焦って何かをしなければならない。という気持ちになりがちです。
しかし、そんな時こそ冷静に考えベストな解決方法を見出すことが必要です。
と言っても、普通の人がどのように対応したらよいか冷静に判断することはほぼ不可能であることも事実です。
競売、任意売却、自己破産、示談、引越し、これら複数の要素をどう整理して何をどのスケジュールで進めていくか?
それはその人それぞれの状況に合わせてオーダーメイドで決める必要があります。
そんな時に役に立つのが任意売却の専門家です。
まずは電話でご相談ください。
この記事を書いた専門家
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(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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