自己破産をしても親からの借金を返す方法
こんにちは、アシスタントのあゆみです。
今回は、自己破産と親の借金について。
特に自己破産をしても親には借金を返す方法について、杉山善昭先生に教えてもらいたいと思います。
先生!よろしくお願いします。
はい、こんにちは、宅建士の杉山善昭です。
わたしのところにお見えになる任意売却のご相談者さん。
不動産売却と平行して自己破産をした方がいいか検討している人が多くいらっしゃいます。
今回は不動産売却の実務で遭遇する、自己破産と親からの借金についてお話していきますね。
ここでは便宜上、親の借金としましたが、金融機関以外の、例えば友人や親戚、兄弟なども含まれます。
「破産すると親に借りたお金も返済できないんでしょ?自己破産しても親だけには迷惑をかけたくないんです!」
住宅ローンやクレジットカードの借金が膨らんでしまって、返済が不可能になった場合自己破産をして解決すること。
決して珍しくありません。
令和2年度の司法統計情報によれば年間78,000件もあります。
破産というと弁護士さんが浮かびますよね。
弁護士に相談する前に先生の所に相談される方もいるのですか?
はい。とても多いです。
私の事務所には、不動産売却と破産の順番や住宅ローンの借金だけでなく、親、友人等の借金の優先順位等のご相談が寄せられます。
つまり、いろいろな事がゴチャゴチャになっていて一体何から手を付ければ良いのか?
というお悩みです。
よく寄せられるご相談
- 不動産売却が先か自己破産が先か?
- 住宅ローンと税金、親族、友人からの借金の返済優先順位は?
- 連帯保証人に迷惑をかけたくない
- このままいくと家をいつ取られてしまうのか?
- 引越するにしてもお金がない
自己破産とは。流れを簡単に説明します
自己破産をする為に、弁護士事務所に相談しに行くと、どこからいくら借りて、返済がどの程度進んでいて、現在残高がいくらあるのか?等について確認されます。
ヒアリングの結果、自己破産手続きを依頼する事になると、その日以降、あなたのお金の管理は弁護士が行なうことになります。
お金の管理って、毎日使うお金は弁護士さんからもらうってことですか?
子供が親にお小遣いをもらうような感じではなく、
正しく言うと、普段のお金は自分で管理してOKです。
弁護士が管理するのは、借金についてです。
弁護士か関与すると同時に全ての借金の返済は一斉にストップします。
債権者平等の原則からあなたの財産を公平に債権者に分ける手続きに入ります。
その為、A銀行は返済を行い、B銀行は返済しない。といった行為は禁止されます。
もちろん、親の借金も同じです。
・・・という事は親の借金をこっそり払うってこともNGですか?
はい、NGです。
一部の相手だけに返済をすることを偏頗弁済(へんぱべんさい)といい
破産法第252条で禁止されています。
親からの借金返済も他の債権者と同様、偏波弁済としてカウントの対象になります。
個人的感情で言えば、身内の借金は何が何でも返済したいところ。
金融機関の返済を遅らせてでも、返済をしないと今後の付き合いが出来ないから相談者の気持ちも理解できます。
しかし、、、一部の人だけに返済をすることは認められていませんので、免責も受けられなくなる可能性も発生します。
面積じゃなくて免責ってなんですか?
多くの人は自己破産=借金を払わずに済む
と思っているかもしれませんが、違うのです。
自己破産をし、更に免責を受けないと借金を払う義務が残ったままになってしまうのです。
自己破産と支払義務の免除はイコールではない
自己破産は申請したら自動的に借金の返済が免除されるのではなく、自己破産の申請後「免責」を受けてはじめて負債から解放されます。
免責とは、今ある借金の支払義務が免除されることです。
えっと・・・つまり
自己破産は今ある借金が払えなくなったという宣言で
免責というのは、その払えなくなった借金が無くなるって理解で合ってますか?
あゆみさん素晴らしい!ほぼ正解です!
自己破産は、借金が払えなくなったので今ある財産を債権者に分配しますよという手続きで
免責は、返しきれなくなった借金は消えないけれど、返済義務は無くしてあげますよ。
という手続きになります。
借金は無くならないが、返済義務は無くなる。という点がポイントです。
親への借金を返すタイミング
先生。。。
今までの話だと、自己破産すると親だけは返済するってことができないんですよね?
ということは、このページのタイトル「自己破産をしても親からの借金を返す方法」
はできないから、看板に偽りアリになっちゃいますよね!ウソはダメですよウソは!
まぁまぁ興奮しないで^^;
先ほど書いた通り、
借金は無くならないが、返済義務は無くなる。という点がポイントなのです。
~自己破産しても親に借金を返す方法手順~
- 自己破産する
- 免責を受ける
- 破産手続きが終わる
- 親に借金を自主的に返す
!!!
これってコロンブスの卵的発想じゃないですか!!!
やっぱり杉山先生ってスゴイ!!!
そんなに持ち上げなくて大丈夫です。
自己破産手続き中に親にだけ借金を返すことはできませんが、
自己破産手続きが終われば、制約が無くなるという当たり前の話です。
自己破産して免責を受けたとしても、借金事態は無くならず、返済義務だけが無くなる訳です。
返済義務が無くなるというのは、債権者(お金を貸している側)が貸している相手に対して取り立てをする手段が無くなる。
というだけの話です。
債務者(お金を借りている側)が自主的に返済をすること自体、何の問題もありません。
そっか!
お金を渡すと贈与になっちゃうかなって思ったけど、借金を返すだけなら贈与にもならないってことですね?
はい、その通りです。
自己破産手続きをすると持っている財産(一定金額を除く)を全て債権者に分配します。
それでも、払いきれない借金が「免責」になります。
ここがミソなのですが、免責は「借金が無くなった」ことを指すのではありません。
「借金はあるけれど、払う義務が無くなった」と覚えてください。
だから自主的に支払うのはOKということです。
身内のしがらみがあり、どうしても返済しておきたい借金であれば自己破産手続き完了後に、自主的に返済すればよいのです。
住宅ローンの支払いと自己破産
先生最後に教えてください。
住宅ローンの支払いが遅れたら直ぐに自己破産をすれば良いのでしょうか?
とても良い質問ですね。
自己破産の本質は、払いきれない借金を処理する方法です。
払いきれないかどうか?を確認しないと
本当に自己破産した方が良いのか?
それとも破産しない方が良いのか?を判断することができませんよね。
私のところに来る相談者の方は住宅ローンの支払いにも困っていて、自己破産を検討している人がいます。
不動産などの財産を全て手放してみないと、「残る負債」が分かりません。
残る負債が分からないと、払いきれるかどうか?も分かりません。
払いきれるかどうか?が分からないと自己破産をするかしないか判断できません。
従って、不動産などの財産を手放し、残った負債が確定してから、その負債を払うことができるか?できないか?考えます。
払いきれないなら、自己破産で処理するかどうか?を判断することになります。
確かに!
家を売ったら、借金全部払えるかもしれないし、
売った結果、50万円足りないだけとかっていうのもあるかもしれませんよね?
そうなんです。
チョット頑張れば分割払いできるような借金では、裁判所も自己破産を認めてくれないのです。
『住宅ローンが払えなくなる=自己破産』ではないのです。
困ったな。。。という時はまずは無料相談をご利用下さい。
この記事を書いた専門家
-
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
●プロフィールをもっと見る
●この専門家に無料電話相談をする:TEL0120-961529※タップで電話かかります。
最新の投稿
- 税金関連記事2024年11月5日税金の分納していても差押えする理由
- 離婚関連記事2024年9月22日【体験談】離婚後、住宅ローンを払えなくなった元夫。妻が住む場合の注意点
- 税金関連記事2024年3月5日多額の税金滞納!分割払いしても完納できない場合の対処法【不動産所有者向け記事】
- 住宅ローン延滞関連記事2023年11月9日家が無くなったらローンを払わなくても良いか?