住宅ローンを一括で返せと銀行から言われた後に分割払いはできる?

住宅ローンの分割払い

こんにちは、任意売却の専門家、宅建士の杉山善昭です。

今回は、住宅ローンが払えず、銀行から一括返済の要求がされてしまった後に「なんとか分割で」という要求、折衝ができるのか?

解説していきたいと思います。

債権者から一括で返済を要求されるケース

「●月●日までに遅れている分を払わないと一括で返済していただきます」と言われたので、親、親戚に頭を下げて何とか都合してもらったお金を入金した所、通常の返済分の事をすっかり忘れていて、引落がされなかった。。。

中にはこんなお話しも耳にしますが、多くの場合

「住宅ローンの返済が3か月~6か月程度遅れてしまった場合」という状態になると、銀行等の債権者から住宅ローンの残額について一括で返済を要求されます。

他のケースで、未納税金により、不動産に差押えの登記がなされてしまった。という場合、一括返済の要求要件になります。

一括で返済せよと要求してくる相手は

  • 銀行
  • 保証会社
  • 銀行から委託を受けた債権回収会社

概ね三つになります。

銀行や住宅金融支援機構の住宅ローンの返済が滞ると、担当者から返済の催促があります。

電話や手紙など、金融機関によってバラバラですが要するに「払ってください」という内容です。

最初の頃は、遅れ遅れ払う事に同意していたかのようにしていた金融機関の担当者ですが、ある日突然、対応が変わります。

「もう一括で返済していただかないと、どうにもなりません。」と。

なぜ態度が急に変わるのか?

「今まであれだけ親身にやってくれていたのに、急に態度が急変するなんておかしい」

ほとんどの方がそうお感じになるでしょう。
私も若い時は、「先日まで言っていた話と180度違うじゃないか!」と感じたことがありました。

この理由は、「銀行のシステム」にあります。

銀行の監督官庁は、言うまでもありませんが金融庁ですね。
金融庁は銀行を監督する立場ですから、当然、銀行の内情をチェックします。
膨大なチェック項目がありますので、細かくここでは取り上げませんが、要するに「健全な経営をしているか?」という点に尽きます。

融資に関する検査、監督の考え方と進め方といったマニュアルを見ても分かる通り、「不良債権」について非常に神経質になっています。

回収見込みのない債権は、保証会社から保証を受けることで銀行本体から切り離し、銀行は健全な経営であり続けようとするのです。

膨らんだ風船が突然割れるかのように、ある日突然、一括で返済を求められるのです。

一括請求をされた後はどうなるのか?

では次に一括返済を要求された後について解説をしていきましょう。

ここで全額支払いができれば良いのですが、毎月の支払もままならない状態では、一括で払う事はまず無理だと思います。

何とか分割で払っていきますと言っても認めてはくれず、そうこうしている内に、「後は保証会社と相談してください」と言われます。

「保証会社となら、分割払いの話が出来る。」とも受け取れる話ですよね。
時期的にはちょうど銀行から「ご返済について最終の案内」的な請求が届くあたりです。

債務者であるご本人は不安な気持ちで、保証会社からの連絡を待ちます。
数週間後に、ようやく「代位弁済をしました。こちらまで連絡を下さい」という案内が届き、指定の電話番号へ連絡します。

「おそらく、今いくらづつなら払えるか聞かれるから、精一杯誠意を見せよう」
「頑張っているのに、払えない理由をきちんと説明して分かってもらおう」
「遅れても必ず返すという意思をしっかり伝えよう」

兎に角、誠意を持って丁重に事情を話してみる。
しかし、回答は「今すぐ一括で払わないと競売にかけます。」と取り付く島もない対応。
もちろん連帯保証人にも同じ要求がなされます。

【借主】銀行の担当者と分割払いについて相談していたのですが、「後は保証会社と話し合ってください」と言われたんですよ。
何とかなりませんか?

【保証会社】銀行が何を言ったか知りませんが、分割払いは認めていません。

—話は平行線です—

誰が悪いのかという犯人探しはあまり好きではありませんが、このケース誰も嘘は言っていません。

銀行の担当者は、この先どうなるか?を知っています。
もちろん保証会社に移行した後、分割払いに応じないこともです。
期限の利益という分割払いの権利があるが故、今まで分割払いができていたのですが、ある程度返済が遅れるとその期限の利益が無くなります。

期限の利益が無くなれば、分割払いについて交渉することは不可能であることを銀行員は知っています。

つまり、一括で返済するか競売に掛けられるか、任意売却をするかという三択になるのです。

しかし、銀行員にとって保証会社はあくまで別会社。
例え銀行の子会社であってもです。
別会社の事まで口を出してしまうと、責任問題にもなりかねません。
銀行の担当者と任意売却の担当者の違いという記事で説明していますが、立場が違うという事も変わってくるのです。

銀行の事を悪く言うつもりはありませんが、銀行の担当者が口にすることばを真に受けないことが大切です。
ウソは言いませんが、自分の管轄外である事については話をしてくれない、嫌、することができないのです。

この記事を書いた専門家

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士杉山善昭任意売却の専門家
(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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