不動産競売物件情報サイトには自宅のあの情報も
今回は、不動産の競売募集サイトについて解説していきたいと思います。
競売の手続きが進むと、競売の内容がインターネットで公表されます。
裁判所が、ここの物件をいつからいつまで販売しますと告知するわけです。
BIT 不動産競売物件情報サイトへ
サイトにアクセスしていただくと日本全国の競売情報が無料で閲覧することができます。
昔はこんな便利なものがなく、各裁判所へ出向かないと情報を知ることができませんでした。
便利な世の中になったのは確かなのですが、一方、見る人が見れば、自宅やオフィスに居ながら、どこの家が競売に出ているか分かってしまいます。
アクセスしていただくと分かりますが、現在競売にかけられている不動産の内、募集が始まっているもの、始まる予定のものについて資料を閲覧、ダウンロードすることができます。
どれでも良いので一つ試しにダウンロードしてみてください。
我々業界の人間は三点セットと呼びますが、物件明細書,現況調査報告書,評価書の三つの資料が確認できます。
この資料を見て、不動産を購入するか否か決めることになります。
三点セットの中にある「現況調査報告書」には室内の写真が掲載されています。
プライバシーの問題はどうなるのか?とお怒りになる所有者やご家族がいますが、民事執行法という法律の中でこのようになっています。
もちろんそうはいっても、個人が特定できる顔写真や、氏名が書いてあるものが掲載されることはありません。
あくまで室内の状態を確認する資料という位置づけで、個人を特定できるものは掲載されません。
というのは建前です。
建物の外観は堂々と掲載されますから、ご近所の人がこの資料を見れば「あっ!あの家だ」という事に気が付くのは当然です。
もう一つ。現況調査報告書には「関係人の陳述等」という欄があります。
これは裁判所から派遣された執行官が、不動産の調査をした際、居住者にヒアリングした内容の要点が記載されています。
うっかり余計なことを言うと世間に晒される可能性があります。
最後に、不動産評価書。
ココには、競売の募集金額を決めるに至った計算の経緯が書かれています。
途中の計算式は、取引事例比較法や収益還元法などの手法による計算でややこしいとお感じになるかもしれません。
評価書の最後のほうを見ると、最終的に評価がどうなっていたか、競売だから割り引た割合が記載されています。
筆者としては、この資料が競売で入札する意思がない人にも見れてしまうのは、いかがなものか?と思います。
購入検討者にとっては必要な情報ですから見るのは当然としても、興味本位に噂話の為に資料を入手することができるのは違和感を覚えます。
残念ながら、制度は制度。
なるべく競売情報に載らないように、自助努力をするしかないのが現状です。
任意売却した場合どうなるかというと、情報公開前に任意売却が成立すれば、掲載されません。
公開後に任意売却が成立した場合は、「取り下げ」と表記され詳細情報をダウンロードすることが、できなくなります。
いくら裁判手続きだからと言って、自宅の情報が公開されてしまうのは嫌なものですよね。
なるべく早く任意売却で解決したいものです。
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この記事を書いた専門家
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(有)ライフステージ代表取締役
「不動産ワクチンいまなぜ必要か?」著者、FMヨコハマ、FMさがみ不動産相談所コメンテーター、TBSひるおび出演。単に家を売るだけでなく「お金に困らない暮らし」を提案している
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